リテンション営業とは | 既存顧客との関係維持で売上拡大を目指すコツ

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営業活動において、「営業効率を上げるために既存顧客の売上拡大を目指したいが、どのように営業するのが効果的か分からない」という会社は少なくありません。
既存顧客の売上拡大を目指す際に重要なのが、既存顧客との良好な関係を維持することです。

ここでは、既存顧客との良好な関係を維持する「リテンション営業」についてご紹介します。
リテンション営業の必要性やポイント、導入すべき会社の特徴まで徹底解説。
既存顧客からのリピートを基盤として売上拡大を目指していきたい会社の方は、ぜひチェックしてみてください。

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リテンション営業とは

リテンション営業とは、前述した通り、既存顧客との良好な関係を維持するための営業活動全般のことを指します。

営業活動では主に、新規顧客・既存顧客・休眠顧客を相手に営業活動を行うことが多いですが、リテンション営業では「既存顧客」にフォーカスして営業を実施するのが特徴です。

もちろん既存顧客だけに営業活動を行っていては売上拡大にはつながりません。
あくまで既存顧客からのリピート受注によってベースを作り、そのうえで新規顧客や休眠顧客による収益を高めていくことでリスクヘッジを行うイメージです。

既存顧客と良好な関係性を維持できれば、自社に対するさまざまな意見をもらえる機会も増えます。
結果的に、会社自体はもちろん、商品・サービスの改善にもつながり、さらなる売上拡大を目指せると言えるでしょう。
そのため、リテンション営業を通じて既存顧客との関係維持を行い、営業活動全体の効率化を図っていくことが重要です。

リテンション営業はなぜ必要?

ここからは、リテンション営業の必要性をさらに詳しく解説していきます。
既存顧客との関係維持がどう売上拡大につながるかイメージが湧かない方こそ、ぜひチェックしてみてください。

既存顧客との関係性を深められる

まず、既存顧客との関係性を深められる点です。
既存顧客とは、過去に自社商品やサービスを購入したことがある、すでに取引のある顧客のことを指すため、新規開拓よりも低コストで受注へとつなげやすいのが特徴です。

しかし実際には、「取引数を増やすことで売上拡大を目指す」という視点から、既存顧客よりも新規顧客への対応に力を入れている会社も多いでしょう。
一般的には、新規顧客からの受注獲得には、既存顧客からの受注獲得と比較して5倍のコストが掛かると言われています。

もし既存顧客と良好な関係を維持でき、中長期的に商品やサービスを利用してもらえることになれば、安定した売上の確保が可能です。
「一度取引したから終わり」とするのではなく、その取引をチャンスとして、中長期的に付き合える関係性を築いていけると良いでしょう。

さまざまな提案が通りやすくなる

リテンション営業を通じて既存顧客との良好な関係を維持できれば、アップセルやクロスセル等のさまざまな提案が通りやすくなるのも魅力的です。

アップセルとは、「より上位な商品やサービスを購入してもらうこと」。
また、クロスセルとは、「購入検討している商品・サービスとは別のものも組み合わせて購入してもらうこと」を指します。

アップセルやクロスセルの成功率が高まることで、さらなる収益の安定化にも貢献可能。
信頼関係ができているからこそ成功しやすいアップセル・クロスセルは、リテンション営業を行う大きなメリットのひとつと言えるでしょう。

営業活動の効率化を目指せる

既存顧客への営業を強化することで、営業活動の効率化を目指せるのもうれしいポイントです。

既存顧客への営業は、新規顧客の開拓と比較して時間や労力・コストを抑えられるのが特徴。
そのため、新規顧客の開拓よりも利益率が高くなる傾向があります。
販売コストを抑えて利益率を高めるためにも、リテンション営業は非常に重要な営業手法だと言えるでしょう。

リテンション営業を成功に導くポイント

ここまでリテンション営業の必要性を紹介してきましたが、実際に行う際にはポイントを押さえることでさらに効果を高められます。
ここからは、リテンション営業を成功に導くポイントを紹介するので、ぜひ実践する際の参考にしてみてください。

顧客ニーズを分析して個々に合った問題解決を目指す

営業活動全般でも重要なように、リテンション営業においても顧客ニーズの把握は非常に重要なポイントです。
「既存顧客」と一括りにしてすべての既存顧客に同じ内容を提案したり、同じ手法を使ったりしても、なかなか受注にはつながらないため注意してください。

まず、するべきなのは、個々のニーズを正しく分析・把握することです。
ニーズの把握には個別のヒアリングが必要不可欠なので、既存顧客との積極的なコミュニケーションにもつながります。
ここで注意すべきことは、「過去に得た情報を鵜呑みにしないこと」です。
激しい時代の変化とともに、顧客ニーズも細かく変化していることが多いため、常に最新のニーズを把握するよう心がけましょう。

個々のニーズに合った提案をすることで、「自社の問題解決を本気で考えてくれている」と熱意が伝わり、信頼関係構築につながります。

休眠顧客へもアプローチを行う

リテンション営業の特徴として、既存顧客との関係構築だけでなく、休眠顧客の掘り起こしもできる点があげられます。
休眠顧客との関係を再構築でき、既存顧客へと変えられれば、さらに収益改善のチャンスが巡ってくるでしょう。

たとえば、既存顧客への情報提供とあわせて、休眠顧客にも有益情報を配信することもひとつの方法です。
休眠顧客とはいえ、過去に接点があったことを活かして、有益なアプローチを心がけていきましょう。

メルマガや広告等の手法を活用する

リテンション営業で有益な手法としては、メールマガジンの配信やリテンション広告の活用があります。
リテンション営業においては、個々の顧客に対してこちらから能動的にアプローチすることが重要なので、ニーズに合わせて積極的に接点を持つようにしましょう。

メールマガジン配信は、既存顧客・休眠顧客の両方に有益な営業手法です。
商品やサービスの情報だけでなく、各顧客の役に立つノウハウや有益情報を含めることで、開封率も上がりより効果を発揮する可能性が高まります。
また、配信相手を絞り込めるのも特徴のひとつ。
顧客をセグメントしたうえで、各顧客に合う情報を分けて配信するのも良いでしょう。

リテンション広告は、Web広告や動画広告等を利用して、休眠顧客に働きかけるのに効果的な営業手法です。
一度自社サイトを訪れた顧客に広告を配信する等、プッシュ通知をオフ設定にしている顧客にも有効。
効率的に休眠顧客へのアプローチができます。

リテンション営業を行う際の3つの注意点

リテンション営業にはさまざまなメリットがありますが、より効果を高めるためには、これから紹介する3つの点の注意してください。
やり方を間違えると逆効果につながる可能性もあるため、ぜひ正しいやり方で効果的なリテンション営業を行いましょう。

1.目標を決めないまま見切り発車しないこと

一つ目は、目標を決めずに進めないようにすることです。
営業活動全般に言えることですが、「やったらやりっぱなし」では、なかなか効果に結びつかなかったり、いまいち効果が見えなかったり、時間やコストの無駄につながってしまいます。

リテンション営業でも同様に、まずは目標を設定するようにしてください。
目標は、重要目標達成指標(最終目標)である「KGI」と、重要業績評価指標(中間目標)である「KPI」の両方設定するのが理想です。
たとえばKGIでは、売上高や成約数・利益率を目標値として設定すると分かりやすいでしょう。
また、KPIではアプローチ数や訪問数を目標値にするのもおすすめです。

それぞれ目標設定がされていることで、「目標に対して今どの地点にいるのか」が分かったり、目標の達成率から「今のやり方は効率的か、正しいか」が判断出来たり、しっかりとPDCAを回しながら活動を行えます。
営業効率を高めて売上拡大を目指すためにも、目標は必ず設定するようにしましょう。

2.自社の商品やサービスを押し売りしないこと

二つ目は、商品やサービスの押し売りをしないことです。
リテンション営業では「良好な関係を構築」することが非常に重要なため、相手のニーズに合致した提案をすることが非常に重要。
一度信頼関係が崩れてしまうとやり直しに時間が掛かってしまうため、しっかりと相手のニーズに寄り添うようにしましょう。

相手のニーズを把握するためには、積極的なコミュニケーションや細やかなフォローが大切なポイントです。
相手の期待以上の提案ができるよう、「どんな問題を抱えているのか」をしっかりと把握したうえで、問題解決につながる提案を心がけてみてください。

3.すべて手作業でやろうとしないこと

三つ目は、手作業や内製化に依存しすぎないことです。
会社によっては既存顧客や休眠顧客の数が多く、リテンション営業に力を入れると新規顧客の開拓まで手が回らないケースもあります。

そのような時は、営業支援ツール(SFA)や顧客管理ツール(CRM)に頼るのもひとつの方法。

SFAはメールマガジン配信や問い合わせ管理機能等、CRMは顧客情報管理に役立つ機能等が搭載されており、システムによっては連携させることも可能です。
アプローチ機会の損失を回避できたり、システマチックな情報共有で属人化を排除できたり、営業活動の効率化に非常に役立ちます。

リテンション営業をやるべき会社の特徴

下記に当てはまる会社は、リテンション営業をやることで営業活動を改善できる可能性が高まります。

  • 既存顧客からのリピート率が低い(休眠顧客が多い)
  • 新規開拓に力を入れているが利益率が低い
  • LTV(顧客生涯価値)を向上させたい
  • 顧客をセグメントできていない

リテンション営業では、営業活動全般にも役立つ「顧客データの管理・共有」「データ分析・ニーズ把握」「顧客のセグメント」「適切なアプローチ」が必要不可欠です。
上記に当てはまる会社は、それらができていない可能性があるので、リテンション営業を通じて営業活動全般を見直すのもひとつの方法。

しっかりと目標設定をしたうえでPDCAを回し、自社のスタイルに合うか試してみてください。

まとめ:リテンション営業で営業の効率化や売上拡大を目指そう

リテンション営業は、既存顧客との関係維持を通じて、営業の効率化や売上拡大を目指すために有効な営業手法のひとつ。
SFAやCRM等の営業ツールを活用することで、効果を最大限に発揮できるのも大きな特徴です。

株式会社soraプロジェクトでは、営業代行支援を行っています。
営業活動に役立つツールの提案や導入支援も行っているので、「営業活動の効率化を図りたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。