目次
- 「アカウントプラン」なるものを聞いたが、どういう意味か?
- なぜアカウントプランが重用されるのか?
- どうやって作成し、管理すればよいのか?
上記の疑問を持っている人は多いでしょう。
アカウントプランは、主にBtoBで効力を発揮する強力な戦略です。これを実施できるのとできないのでは、業績にも違いが現れるでしょう。
そこで本記事では以下の点を解説します。
なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。
- アカウントプランの定義や目的
- メリットとデメリット
- 具体的な作り方と管理方法
- アカウントプラン作成に役立つ無料テンプレート
本記事を読めば基礎的なアカウントプランは問題なく作成できるようになるはず。ぜひご参考にしてください。
営業に役立つアカウントプランとは?
まずはアカウントプランがどういうものか大枠で理解しましょう。そのあとで重要性やメリット・デメリットを解説します。
アカウントプランの定義
アカウントプランとは、特定企業を対象としたサービス、および自社利益拡大をもたらすための中長期的プロジェクトのことです。
わかりやすく言い換えるなら「得意先と末永い良好な関係を続けるための計画」といったところ。
アカウントプランを立案・実行することで、取引先にも自社にも長期的なメリットが生じます。
なぜアカウントプランを作るのが重要なのか?
アカウントプランが重要視されるのは、顧客とのよりよい関係性を築いて、ビジネスを発展させられるからです。
BtoB営業で、長期的なパートナーシップを保ち続けるのは簡単ではありません。こちらの施策が有効でなかったり、競合他社が邪魔してきたり、取引先の経営が傾いたりあらゆる要因でうまくいかないのが常です。
しかしアカウントプランがあれば、取引先の課題を把握し、よりよい施策が提供できるようになり、長期的な関係を作りやすくなります。不安定なBtoB営業とその継続に有効だからこそ、アカウントプランが重要視されるわけです。
ただし数ある手法のうちのひとつであって、かならずしもアカウントプランが正解とは限りません。あくまでも「大口顧客であり、長期的関係を結ぶべきである」と判断した場合に活用されるものです。
メリットとデメリット
アカウントプランには、以下のようなメリットがあるでしょう。
- 顧客によりよい価値を提供できる
- 確実性のあるプランを提案できる
- 顧客との契約を長期化できる
- 営業マンの知識が増え、スキルが高まる
まずアカウントプランで顧客の課題と解決策を明確化できれば、より高い価値を提供できます。確実性のあるプランが見えてくるため、自信を持って提案できるでしょう。
そうすることで顧客との契約を長期化、つまり自社利益も大きく成長させられます。またアカウントプランの作成と実行を通し、営業マンの知識やスキルも成長するでしょう。
一方でアカウントプランには、「作成と実行にリソースとコストがかかる」点が挙げられます。
中長期的な計画を立てるのは簡単ではなく、それなりの投資が必要です。
またアカウントプランを作成したにも関わらず、取引が継続されないケースもあります。そうするとリソースとコストが無駄になってしまいます。
アカウントプランの作り方
アカウントプランの作り方は、以下3ステップで説明できます。
- アカウントの対象情報をまとめる
- 具体的なプランを制作する
- プランを実行する
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
1.アカウントの対象情報をまとめる
まずはアカウント、つまり対象企業の情報をまとめましょう。
これはアカウントプランを作成するうえで、基礎となる部分です。正確な情報を、じゅうぶんに揃えなければいけません。
具体的には以下の情報が必要です。
- 基本情報(資本金・利益・業界でのポジションなど)
- 組織図
- 決裁者情報
- 財務データetc.
このようにアカウントプランを作成する前段階で、相当なリサーチが必要です。
もちろん簡単ではありません。チームを作り、複数名で確認しながら作成する必要があります。
2.具体的なプランを制作する
続いてアカウントの情報をふまえたうえで、具体的なプランを制作します。
ここで網羅すべき情報は、自社と取引先しだいでさまざまです。ただ、主に以下の情報が必要となるでしょう。
- 顧客が抱えている課題やリソース
- 顧客が求めている結果やビジョン
- 具体的な戦略
- 売り込むべき製品やサービス
- 提案機会のまとめ
- スケジューリング
- 目標売上金額
- 競合他社対策
このようにアカウントプランの内容は相当ボリューミーかつ難解になります。特に顧客が抱えている課題やリソース、そして具体的な戦略は特に重要です。
アカウントプランは中長期的な計画であるため、ここが間違っていると将来的には大きな誤算が生まれます。正確な判断に基づいて制作しましょう。
3.プランを実行する
続いて、2でまとめた情報に合わせてアカウントプランを実行しましょう。
要するに顧客にプランを提案し承認を得るわけです。
アカウントプランに対して納得させるには、やはり誰が提案するのか、どのようにプレゼンテーションするのかがポイントとなるでしょう。
承認できない場合は、再度アカウントプランを組み直す必要があります。取引先のニーズを再度キャッチアップし、もう一度制作し、また提案するのがよいでしょう。
アカウントプランで営業が成功するポイント
アカウントプランで営業的に成功するには、以下3つのポイントを踏まえる必要があります。
- Win-Winであることを重要視する
- 常にアカウントプランがうまくいっているのか確認する
- 評価は中長期的かつ定量的に
もちろんアカウントプランは複雑な戦略であり、他にもやるべきこと、気をつけるべき点は多々あります。ただし、最初にインプットすべきポイントとしては上記3つです。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
Win-Winであることを重要視する
アカウントプランを制作するときは、取引先と自社がWin-WInであるかを重要視しましょう。
アカウントプランは自社だけが利益を吸い続けるための悪知恵ではありません。取引先と自社が長期的に利益を出せる状態を保ち続けるための遠大な計画です。
取引先に部が悪い内容では、そもそも承認されづらく、またどこかで不満が爆発してプランが破綻することもあります。
自社が損をする内容になっているなら、そもそもアカウントプランを実行する意味がありません。
だからこそアカウントプランは、長期的にWin-Winである必要があります。
アカウントプランがうまくいっているのか確認する
アカウントプランを実施しているなら、それがうまくいっているのか定期的に確認しましょう。
プランは中長期的なものであり、どこかで計画とは異なる部分が出てくるはずです。
取引先の売り上げや人事異動、自社サービスのアップデートや終了など、いろいろな要素に左右されます。
そうするとアカウントプランと矛盾するシチュエーションもあるでしょう。そうすると、プラン自体の見直しが必要となります。
重大な問題が起こる前にアカウントプランの見直しを実施できたならば、取引先との関係は守られ、あるいは信頼もより強くなるでしょう。
一方でアカウントプランを放置して、取引先が不利益を被る事態になればたいへんです。
プランが有効な状態にあるのか、定期的に確認しましょう。
評価は中長期的かつ定量的に
アカウントプランによる成果を測定するには、中長期的かつ定量的な評価が必要です。
つまり短期的に観察して評価しても、プランの良し悪しは判断できません。一時の数字変動に一喜一憂せず、中長期的に観察しましょう。
またアカウントプランの成果は、定性的でなく定量的であるのが理想です。営業パーソンの体感に基づく報告ばかり頼っていては、状況と認識が逸脱します。
できる限り数値的指標を用意し、定性的に評価しましょう。
アカウントプランの無料テンプレート一覧
アカウントプランを作成する際、何もかもゼロベースで作る必要はありません。
IT・マーケティング企業では、無料テンプレートを公開しています。これらを利用すれば、ある程度のリソースとコストを削減することが可能です。
上記を組み合わせて、アカウントプランを考える際に役立てましょう。
ただし無料テンプレートの項目を埋めるだけではいけません。状況によって必要な情報や、考察すべき内容は異なるもの。
無料テンプレートに依存せず、能動的に考えて、基礎情報を充実させましょう。また必要に応じて、無料テンプレートをカスタマイズして自社向けに組み替えるなどの工夫も重要です。
まとめ:アカウントプランが定型化できれば営業は安定する
本記事ではアカウントプランに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- アカウントプランとは、特定顧客と継続的かつ良好な関係を保つための中長期的計画
- アカウントプランがあれば、取引が安定し、自社の利益も最大化できる
- ただし作成にはコストとリソースがかかる点に注意
- アカウントプランは、基礎情報収集▶︎プラン制作▶︎プランの実行という3ステップで実施する
- 無料テンプレートが各種リリースされているので、それを活用するのがおすすめ
アカウントプランは、考案するのに相当な負担があるものの、一度組み上げてしまえば取引先と自社の関係性を健全に保つうえで、この上ない支えとなります。
またアカウントプランの設定が定型化されれば、自社の営業はかなり安定するでしょう。ぜひ一度プランの作成を検討してみましょう。
株式会社soraプロジェクトでは、上記のようなBtoBでの営業支援をサービスとして提供しています。アカウントプランだけではなく、ありとあらゆる方法でセールスをサポートすることが可能です。
営業に課題を感じている担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
最新の投稿
- 2024年8月6日マーケティングウェビナーの集客方法とは?成功させるコツやポータルサイト・ツールを紹介
- 2024年5月9日マーケティングTikTok広告のログイン方法は?広告の種類・メリットを解説
- 2024年4月2日営業代行ファクトファインディングとは|意味や目的、やり方や例文まで徹底解説
- 2023年12月18日テレアポ時価総額1000億円以上の企業は?各種ランキングとリストを紹介