インテントセールスとは|行うメリットや導入ツール、注意点を解説

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従来よりも顧客により則した訴求法である、インテントセールスが新しい営業法として注目されています。
インテントセールスを実施したいものの、どのような施策が必要なのか、メリットがわからないいと感じている担当者の方は多いのではないでしょうか。

本記事では、インテントセールスを実施するメリットや必要データの収集方法、便利なツールなどを徹底解説します。
ぜひ、自社マーケティングをブラッシュアップして、顧客と利益の最大化を図りましょう。

インテントセールスとは

インテントセールスとは、企業の興味や関心をデータ化・分析して、顧客起点で行うBtoB営業手法の1つです。
意図(intent:インテント)して行動したデータを活用するため、インテントセールスと呼ばれています。

  • インテントにもとづき顧客起点でターゲティングする
  • 自社サービスを導入検討してくれる部署・人物を選定する
  • 顧客の事業内容やインテントに合わせて訴求軸を作成する

具体的には、Web検索や問い合わせなどの行動履歴データから、興味関心の対象や検討の段階を推測した上で、相手に合わせた最適なチャネルとメッセージでアプローチします。

インテントセールスが注⽬されている3つの理由

従来の営業・マーケティング方法よりも、効率的にアプローチできる点が注目される理由です。

  • 顧客の行動がきっかけで行う、顧客起点のアプローチである
  • 興味関心を分析して相手に合わせたアプローチである
  • 「最適な情報」を「最適な人物」に「最適なタイミング」で行える

インテントデータを活用することで、顧客が何を検索しているのか、あるいは何を閲覧したのか、データから相手のニーズをより詳細に測定できます。

そのため、セールスを行う初手で、相手のニーズに合わせたアプローチや最適な情報の提供が可能となり、商談化・案件化の確率が高まることが特徴です。

従来のペルソナ(顧客になり得るユーザー像)へ広く浅く訴求するよりも、的確にピンポイントでセールスできるため、注目が高まっています。

インテントセールスを行うメリット

本章では、インテントセールスを行うメリットを紹介します。
主なメリットは以下の3つです。

  • 高精度の予測分析が可能
  • 見込み顧客ニーズをすぐに把握できる
  • 優先順位付けが容易になる

それぞれ解説します。

高精度の予測分析が可能

価値観やニーズが多様化する現在の市場において、自社で保持・分析する顧客情報だけでは精度の高いマーケティングを行うことが難しくなりました。
しかし、インテントセールスを行えば、高精度の予測・分析が可能になり、より企業や顧客にマッチしたアプローチが可能です。

信頼できる予測を立てれば、営業活動の最適化や自社Webサイト(オウンドメディアやLP)のコンテンツ制作などにも応用できます。
また、インテントデータを顧客管理システム(CRM)と組み合わせると、さらに効果的なアプローチが可能です。

見込み顧客ニーズをすぐに把握できる

インテントセールスを行えば、購買意欲の高い初期段階の顧客を競合他社より早く発見可能です。
従来ならば難しかった、自社サイトや競合他社サイトを検索・リサーチしたタイミングの初期行動を見逃しません。

また、自社と接点がある顧客のみに行っていた今までのアプローチとは異なり、接点はないが興味がある顧客へのアプローチができるため、幅広く効率的な訴求が可能です。

優先順位付けが容易になる

最後は、優先順位付けが容易になる点です。

インテントデータは、特定のキーワードに興味を持っている企業だけをピックアップして取得可能なため、ターゲットを限定して広告を配信するなどの効率的なアプローチができます

また、自社サイト内での行動データ以外のインテントデータも含めてスコアリングすることで、マーケティング精度も高められます。

インテントセールスに必要なインテントデータとは

インテントデータとは、顧客が意図(intent:インテント)を持って起こした行動データを指します。
具体的には、ある企業の社員がWebサイトの商品紹介ページにアクセスした履歴や、問い合わせをした履歴、Webサイトの検索履歴などが挙げられます。

また、インテントデータには、他社サイトでの行動データも含まれるため、よりユーザーニーズに沿ったマーケティングが可能です。
そのため、多くのBtoB企業がこれらのインテントデータをマーケティングに活用しています。

インテントデータには、3つの区分があります。
マーケティング用語におけるインテントデータとは、3rdパーティデータを意味することが一般的です。

1stパーティデータ自社独自に入手したデータのこと。もっとも純度が高い良質な顧客データといえる。
2ndパーティデータ外部のパートナー企業が収集し、自社に提供してくれたデータのこと。
3rdパーティデータ利用可能な第三者データ。自社との関わりは薄く解像度が低い。

1stパーティデータがもっとも純度が高い顧客データで、2nd、3rdになるにつれて解像度は低くなることが特徴です。
インテントデータでは、バイヤージャーニー(顧客が新しい商品やサービスに興味を持ってから、比較・検討・購入に至るまでのプロセス)も分析できます。

インテントデータを取り扱う際の注意点

本章では、インテントデータを取り扱う際の注意点を紹介します。
主な注意点は以下の3つです。

  • データ統合の連携性や親和性
  • データのプライバシー保護
  • データの確実性やアップデート

それぞれ見ていきましょう。

データ統合の連携性や親和性

1つめは、データを活用する際に用いるMA(マーケティングを自動化するツール)や、CRM(顧客情報管理ツール)と連携できるか、親和性をチェックしておきましょう。

自社で導入しているMAやCRMと連携できなければ、いくらインテントデータを収集したところで、活用する人的、時間的コストがかかってしまいます。

データのプライバシー保護

2つめは、プライバシーがきちんと担保されているか確認することです。
特に、3rdパーティデータの購入や利用する際には、データの質や信頼性、プライバシーに関する問題を慎重にチェックしておきましょう。

データの確実性やアップデート

最後は、データのアップデートを怠らないことです。
日々インテントデータは新しく更新され続けています。

常に最新のデータであるか確認することはもちろん、古いデータの破棄や更新が必要です
アップデートし続けなければ、古いデータのままマーケティングを行うことになり、顧客ニーズをつかむことはできません。

インテントデータを提供している販売元

本章では、BtoB企業が入手できる代表的な販売元(ベンダー)を3社紹介します。

  • Bombora
  • Aberdeen
  • Select DMP

それぞれ解説します。

Bombora

1社めは、アメリカに本社を置くBombora(ボンボラ)です。

日本ではまだ馴染みがないですが、全世界65ヵ国45万人以上に使用されており、約300万社のBtoB企業におけるビジネスリサーチに活用されています。
Bomboraの料金は一律ではなく、必要なインテントデータの量によって料金が変動します。

Aberdeen

2社めは、Aberdeen(アバディーン)です。
Bomboraと並び、主要なマーケティングベンダーとして挙げられます。

Aberdeenの特徴は、Webサイトの表示速度が遅くなった際の閲覧数やコンバージョン率の変化などを含む、Webマーケティングに有用な調査レポートに定評があります。

Select DMP

Select DMP(セレクトDMP)は、日本国内のベンダーである株式会社インティメート・マージャーが販売しているデータを一元管理するプラットフォームです。
検知できるキーワードは20億以上、さまざまな企業ニーズをリアルタイムに検知し、企業リストを抽出できます

代表的なインテントセールスを行えるツール

本章では、インテントセールスを行える代表的なツールを2つ紹介します。

Sales Marker

Sales Marker(セールスマーカー)は、国内初のインテントセールスを実施できるBtoBセールスインテリジェンスツールです。

日々50億レコードにのぼる興味・関心データ分析によって、顧客の検討段階や興味領域を特定し、最適なタイミングでニーズにあった提案が可能です。
また、部署単位の電話番号も提供しているため、代表電話ではなかなかつながらない個人に直接アプローチができます。

salesforceやHubSpot、kintone、Sansanなどの外部ツールとも連携可能です。

プランはスタンダードの1件で、価格は月額400,000万円から。
無料デモもあるので、実際にツールを触ってみて、自社にフィットするか確認することがおすすめです。

SalesNow

SalesNow(セールスナウ)は、企業の行動データを分単位で蓄積・分析できるセールスデータベースです。
約700社以上の企業で導入があり、500万社を超える企業データを活用し、担当部署や担当者にダイレクトセールスが可能です。

リアルタイムに把握できるアクティビティ機能や、企業データベース、連絡先情報が一元管理できます

初期費用は300,000円で、月額料金はデータ数によって変動します。
SalesNowも無料オンラインデモがありますので、導入前に調査しておくことがおすすめです。

インテントセールスを行う4ステップ

本章では、インテントセールスを行う方法を4つのステップで解説します。
ステップは以下のとおりです。

  • ステップ1:企業をターゲティング
  • ステップ2:ターゲット情報の精査
  • ステップ3:的確な訴求軸の作成
  • ステップ4:多角的なアプローチ

インテントセールスを行えるセールスインテリジェンスツールを活用し、スコア化やインテントの検出・検知の仕組み化を行い、ターゲティングをします。

顧客が抱える課題に対して適切な情報や提案を提供するためには、最適なアプローチ先を見極めることが重要です。
最後は、さまざまなチャネル(Webサイト、SNS、広告、メール、DM、コール)を活用して多角的なアプローチを行います。

インテントセールスを行う際のポイント

インテントセールスは画期的な営業手法のため、正しく活用できていない企業が多いのが現状です。
正しく活用するには、プロの意見を取り入れながら、正しい舵取りを行いましょう。

「インテントデータが有効だ」と購入したものの、使いこなせずに形骸化してしまっては、もったいないです。
しっかりとデータを活用し、効率的なマーケティング施策を行うためにも、専門的な知識を借りることが大切です。

生産率や利益率の向上はもちろん、従業員のモチベーションやエンゲージメント向上にもつながるため、自社にあったデータの活用方法を検討しておきましょう。

インテントセールスを正しく活用して営業活動を最適化しよう

インテントセールスとは、意図(intent:インテント)して行動したさまざまなインテントデータを活用してセールスを行う新しいマーケティング手法です。
しかし、まだインテントセールスを実現できるツールは少なく、効率的に活用している企業も少ないのが現状です。

しかし、今後のマーケティング業界を切り開くためには、よりユーザーニーズの確度を高め、的確なアプローチを展開していくことは必須施策と言えます。
そのためにも、インテントセールスを正しく活用してマーケティングを成功させましょう。

株式会社soraプロジェクトでは、BtoBに特化したマーケティング支援を行っています。
新しいインテントセールスやインテントデータの活用、ツール導入など、自社で解決できないお悩みを一貫してサポートいたします。

ぜひsoraプロジェクトへご相談ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。