目次
ビジネスシーンでは社内外問わず説明の機会が多くあります。
しかし、自身の説明がうまく相手に伝わらなかったという経験のある方も多いのではないでしょうか。
相手に分かりやすく説明する際に役立つ「ホールパート法」。
活用のコツを掴めば、説明が苦手な方でも説明力の向上が期待できます。
そこでこの記事では、ホールパート法の基本や活用方法を徹底解説。
実践時のポイントも紹介するので、説明力を向上させたい方はぜひチェックしてみてください。
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ホールパート法とは
ホールパート法とは説明手法の一種で、「ホール(全体)」と「パート(部分)」を組み合わせた造語です。
最初に全体像(ホール)を伝えて、後から詳細(パート)を説明し、最後にまた全体像(ホール)を伝えるのが基本構成。
全体像には特に伝えたいポイントを含めて、最初と最後でしっかりと伝えます。
ホールパート法を活用した具体的な伝え方例は以下の通りです。
項目 | 内容 | 伝え方例 |
ホール(全体) | 説明の全体像を伝える | 「新たに発売する当社製品の魅力は、A・B・Cの3点です」 |
パート(部分) | 各部分の詳細を伝える | 「Aは~~~~、Bは~~~~~、Cは~~~~~」 |
ホール(全体) | 説明の全体像をもう一度伝える | 「以上の通り、新発売製品の魅力はA・B・Cの3点です」 |
「ホール」部分では、魅力A・B・Cを簡潔に述べるのがポイント。
その詳細を「パート」の部分で掘り下げて説明し、相手に伝えていきます。
ホールパート法を活用すべきシーン
ホールパート法はビジネスシーンのさまざまな場面において役立ちます。
ここでは、特に活用すべきシーンについてご紹介。
実際に活用する際の参考にしてみてください。
1. 上司への報告・説明
上司へ報告や説明をした際、「で、結局何が言いたいの?」「もう一回説明して」と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
多忙な上司に簡潔に説明する際にも、ホールパート法は役立ちます。
簡潔に説明できれば「説明が上手い」という印象を与えることもでき、大きなプレゼンテーションなども任せてもらえるかもしれません。
例えば、あるシステムの提案をクライアントから断られた場合、ホールパート法を活用するとこのような結果報告ができます。
ホール(全体) | 今回契約に至らなかった理由は「予算オーバー」「使い方の難しさ」「対応人員不足」の3点です。 |
パート(部分) | 「予算オーバー」は、コロナ禍による売上減少が影響したことで、当初予定していた予算を確保できなくなったとのことです。 「使い方の難しさ」は、現状パソコンに詳しい社員がおらず、イチから勉強させるには時間がかかりすぎるとのことです。 「対応人員不足」は、システムの導入・運用に割ける人員がいないので、契約しても活用できないとのことです。 |
ホール(全体) | 以上の通り、「予算オーバー」「使い方の難しさ」「対応人員不足」が理由で、今回は契約につながりませんでした。 |
2. クライアントへのプレゼンテーション
クライアントへ自社の商材を提案する際にも、ホールパート法を活用すると分かりやすく魅力を伝えられます。
限られた時間の中で、自社商材の魅力を適切に提案するためにも、ホールパート法を活用してみましょう。
例えば、テレアポリスト作成ツールを提案する場合、ホールパート法を活用するとこのようなプレゼンテーションができます。
ホール(全体) | 当社ツールの魅力は「低コストで利用できる」「最新の市況をデータに反映している」「メール営業ができる」の3点です。 |
パート(部分) | 「低コストでの利用」は、月額●円で使い放題と、他ツールと比較して安価で利用できるのが魅力です。 「最新の市況反映」は、常に最新情報をリストに反映しているので、古い情報が紛れ込む心配がありません。 「メール営業ができる」は、リスト作成したそのまま文書テンプレートを使用してメール送付可能なので、営業活動を効率化できます。 |
ホール(全体) | 以上の通り、「低コストで利用できる」「最新の市況をデータに反映している」「メール営業ができる」の3点が当社ツールの魅力です。 |
3. 社内外での会議・打ち合わせ
日常的に行われる会議や打ち合わせでもホールパート法は活用可能です。
例えば、議長となった場合、当日の議題を簡潔に伝えるのに活用してみましょう。
参加者は最初に全体像を把握でき、より有益な意見が出る可能性が高まります。
ホール(全体) | 本日の議題は営業活動の改善について、「人員配置」「業務の属人化」「生産性」の3点について話し合います。 |
パート(部分) | 「人員配置」は、社員ひとり一人の得意分野をいかした人員配置ができているかについて。 「業務の属人化」は、属人化している業務はないかについて。 「生産性」は、重複などの業務に無駄が発生していないかについて。 |
パート(全体) | 以上の通り、本日は「人員配置」「業務の属人化」「生産性」の3点について議論していきます。 |
ホールパート法の具体的な活用ステップ
ホールパート法の活用効果を高めるためには、正しいステップで進めることが重要です。
ここでは、ホールパート法の具体的な活用ステップを解説します。
自身がホールパート法を活用したいシーンを想像しながらチェックしてみてください。
Step1.【準備】話す内容を整理する
まずは、ホールパート法を活用して話したい内容を決めていきましょう。
一般的には説明内容が3つ以上ある場合に、ホールパート法を活用すると簡潔に説明できます。
以下の順序で決めていくのがおすすめです。
- 相手に何を伝えたいか考える(例:製品の魅力、会議の議題、営業結果)
- 伝えたい具体的な内容を3~5点にまとめる(例:魅力A、魅力B、魅力C)
- 3~5点の詳細内容を決める(例:魅力Aは~~~~、魅力Bは~~~~)
気をつけたいのは、③の部分が長くなりすぎないことです。
「人の集中は3分で切れる」と言われている通り、長く話しすぎても相手には伝わりません。
なるべく3分以内で伝わるよう、簡潔にまとめましょう。
Step2.【準備】特に伝えたいポイントを決める
伝えたい内容を決めたら、その中でも特に伝えたいポイントを決めていきましょう。
「これだけは相手に理解してほしい」というポイントを決めたら、説明する際に強調するなどの工夫をすると、より伝わりやすくなります。
強弱をつけて話すことでメリハリがつき、相手が飽きずに話に集中しやすくなるのもポイント。
伝えたい内容はもちろん、話し方や表情も工夫するのがおすすめです。
Step3.【実践】どのような内容をいくつ話すか伝える
話したい内容が決まったら、実際にホールパート法を活用して説明していきます。
前述した通り、始めは「ホール(全体)」なので、どのような内容をいくつ話すかを伝えましょう。
冒頭で全体像を伝えると、相手は最初に要点を把握でき、その後の説明の理解度が向上するのが大きなメリットです。
伝えたい内容が複数ある場合には、相手が混乱しないようにホールパート法を活用していきましょう。
Step4.【実践】各パートについて順番に詳しく話していく
次に、「パート(部分)」では各パートについて詳しく説明していきます。
詳細を説明する部分にはなりますが、説明が長くなりすぎないように要注意。
せっかくホールパート法で簡潔に伝える努力をしていても、詳細説明でだらだらと話してしまうと「結局何が言いたいのか分からない」と思われてしまいます。
詳細説明は、「相手が特に知りたいであろう内容」を反映するのがポイントです。
複数回説明する機会のある内容であれば、1回ごとに質問された内容を反映し、説明の質を徐々に高めていくのも良いでしょう。
Step5.【実践】特に伝えたい点を繰り返す
最後に、「ホール(全体)」で特に伝えたい点を繰り返しましょう。
自分は説明したつもりでも、相手に伝わっていなければ意味がありません。
相手が正しく理解できるように、伝えたい点は丁寧に伝えることが重要です。
また、繰り返すことで、相手も「これは重要なポイントだ」と感じるので、印象に残りやすいというメリットもあります。
ホールパート法を成功させるためのコツ
ホールパート法はポイントを押さえて活用することで、さらに効果を高められます。
ここでは、ホールパート法を成功させるためのコツを3つご紹介。
ぜひ取り入れたうえで活用してみてください。
最初に全体像を話す習慣をつける
ホールパート法で最も大切なのが、最初に全体像を把握してもらうことです。
効果的に活用するためには、日頃から最初に全体像を話す癖をつけること。
ホールパート法が習慣づけば、意識しなくても簡潔に説明できるようになり、咄嗟に話を振られた際にも活用可能です。
ただし、説明内容が2つ以下の場合は、逆に回りくどく感じられてしまうので注意しましょう。
あくまでも3つ以上、説明内容がある場合に活用してください。
要点をまとめてから簡潔に伝える
ホールパート法では、要点を簡潔に伝えることが大切です。
そのため、事前に説明することが分かっている場合には、あらかじめ要点をまとめておくようにしましょう。
要点は文書でまとめた後に、声に出して練習するのがおすすめです。
文語と口語では印象が異なるので、実際に話してみると回りくどい印象になることも。
短時間で相手に伝えたいことが伝わるよう、事前準備は入念に行いましょう。
特に伝えたいことは冒頭と最後に2回話す
冒頭と中盤はホールパート法を意識できていても、説明が終わるとホッとしてしまい、最後の「ホール(全体)」を忘れてしまうケースがあります。
伝えたい内容を強調するためにも、要点はしっかりと繰り返すようにしましょう。
説明では、最後の締めが弱いと結局何も伝わらないことが多いので、最後の「ホール(全体)」は重要です。
相手の理解を促進するためにも、特に伝えたいことは冒頭と最後に2回伝えてください。
まとめ:ホールパート法を活用してプレゼン力を向上させよう
説明下手を克服したい方におすすめの「ホールパート法」。
ホールパート法を活用することで、短時間で簡潔に説明できるようになります。
大切なのは、日頃からホールパート法を意識することです。
伝えたいことが3つ以上ある場合には、事前に要点をまとめておき、ホールパート法を活用して端的に伝えるようにしましょう。
説明力が向上すれば「仕事ができる」という印象を与えられて、大きなプレゼンテーションなどを任せてもらえるかもしれません。
ぜひ、ホールパート法を活用してプレゼン力を向上させてみてください。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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