SaaS業界はカスタマーサクセスがカギ!基礎と成功ポイントを解説

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近年では、SaaS業界において、カスタマーサクセスを重視する考え方が広まりつつあります。
なぜなら、カスタマーサクセスが、顧客と企業の双方に利益をもたらすからです。

本記事では、SaaS業界におけるカスタマーサクセスの重要性を解説します。
カスタマーサクセスを成功させるポイントも、あわせてご覧ください。

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SaaS業界におけるカスタマーサクセスとは?

SaaSビジネスを成功につなげるために、カスタマーサクセスは要となる存在です。
しかし、SaaS・カスタマーサクセスの基本的な意味を理解していなければ、的確に活用するのは困難。

本章では、SaaSとカスタマーサクセスの基礎を解説します。

SaaSとは

SaaS(Software as a Service)とは、クラウドサーバー上のソフトウェアをインターネットを介して利用できるサービスです。
SaaSと従来パッケージ型との違いを表で比較してみましょう。

SaaSパッケージ型
利用方法クラウドにアクセスCD-ROMの購入とインストールが必要
利用可能端末PC・タブレット・スマートフォンなどインストールしたPCのみ
利用開始までの期間即時CD-ROMの配送後

上記のように、SaaSはパッケージ型と比較して利便性が高く、利用開始までの時間が圧倒的に短いのがわかります。
SaaSは、1つのアカウントで複数人が利用できることも需要が高まっている理由です。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセス(CS:Customer Success)とは、顧客が自社の製品・サービスの利用を通じて、成功または望ましい結果を出せるように支援することです。
例えば、顧客に何らかの課題が発生するリスクを予測して、あらかじめ対策を提案するのもカスタマーサクセスのひとつです。

顧客に生じるであろう課題に対して、先回りした対応が顧客の満足度アップにつながるため、さらなる商材の購入につながる可能性が高まります。
カスタマーサクセスは、そういったサイクルを繰り返す中で、顧客と企業の双方に利益をもたらすために活用されます。

SaaSカスタマーサクセス・カスタマーサポートは課題解決プロセスが異なる

カスタマーサクセスとよく似た言葉にカスタマーサポートがありますが、意味が異なるため注意しましょう。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは、以下の通りです。

  • カスタマーサクセス:製品・サービスを利用する中で発生した課題・不満・疑問を、顧客に寄り添う形で能動的に活動する。
  • カスタマーサポート:顧客から問題点が提示されてから解決する。先回りはせず、受動的に対応する。

上記のように、カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは、課題を解決するまでのプロセスが異なります。

【フェーズ別】SaaS業界におけるカスタマーサクセスの役割

SaaS業界では、顧客の製品・サービス利用フェーズに沿ったカスタマーサクセスの役割を理解することが重要です。
なぜなら、フェーズに沿ったアプローチが、顧客の信頼度獲得につながるからです。

本章では、SaaS業界のカスタマーサクセスの役割をフェーズ別に解説します。

フェーズ1.顧客の初期支援

カスタマーサクセスの最初のフェーズは、サービスの導入や使用方法、機能などをレクチャーする導入支援(またはオンボーディング支援)です。

製品・サービスを提供した初期段階では、基本的な使い方を習得できずに、顧客が離脱してしまう可能性があります。
導入段階でサービスの便利さを実感できることがカスタマーサクセスにつながり、顧客の離脱リスクを最小限にとどめます。

フェーズ2.高度な活用支援

フェーズ2では、製品・サービスの高度な活用を支援して、顧客の課題解決や目標達成をフォローします。

具体的には、メール配信・活用事例の提示・トラブルシューティング系コンテンツなどです。
より高度な活用を支援することで、顧客の満足度向上を促進でき、製品・サービスを定着につなげます。

フェーズ3.製品・サービスのフィードバック分析

製品・サービスの定着を確認した後は、顧客の要望・不満・不足などのデータを収集します。
顧客からのフィードバックを収集・分析することで、カスタマーサクセスへの取り組みを継続的なものにしましょう。

顧客から収集する情報は、トラッキングをはじめとした定量的なデータや、問い合わせ・アンケートなど定性的なデータです。
定量的・定性的の両面からデータを収集することで、データの整合性を高めることにつながります。

フェーズ4.継続利用を促進するアプローチ

フェーズ3で収集・分析したデータをもとに、解約の兆候がある顧客や契約更新時期にさしかかった顧客に対してアプローチします。
それぞれの顧客に対して、実施するアプローチは下記の通り。

  • 解約の兆候がある顧客:個々の状況に応じたフォロー
  • 契約更新時期の顧客:製品・サービスのコストに対する効果測定およびサポート

顧客ごとの状況に合わせたカスタマーサクセスを実施し、製品・サービスの継続的な利用を促進してください。

フェーズ5.売上向上

カスタマーサクセスの最終フェーズは、上位プラン・オプションの契約を促進するアップセルや、関連商材の契約を促進するクロスセルによる売上向上です。
製品・サービスの顧客ロイヤリティを向上させて、新たな価値を付加させることで、顧客の課題解決にさらに貢献できるようにしましょう。

顧客ロイヤリティが向上した後は、フェーズ3に戻り、データ収集・計測・分析を実施します。
そこで得た結果をもとに、新たなアプローチやタイミングを検討し、さらなる付加価値の創出につなげるのです。

SaaS業界でカスタマーサクセスの重要性が高い2つの理由とは?

カスタマーサクセスは、インターネットの普及や企業を取り巻く環境の変化によって、重要性が高まっています。
本章では、SaaS業界でカスタマーサクセスの重要性が高まった2つの理由を解説します。

理由1.サブスクリプションとカスタマーサクセスが密接な関係にある

SaaSとカスタマーサクセスは、長期的な視点で提供・対応するという点で密接な関係にあります。
例えば、サブスクリプション型のサービスは、その提供形態から長期的なコスト回収・顧客対応が必須です。

そして、長期的なコスト回収と顧客対応を両立させるのがカスタマーサクセスという訳です。

その一方で、製品・サービスの長期的な利用を促進するには、顧客エンゲージメントを高める営業が欠かせない存在に。
SaaS業界において、カスタマーサクセスは顧客エンゲージメントを高める手段として重要性が高まっています。

理由2.顧客の購買活動が変化、カスタマーサクセスの重要性が高まった

インターネットやスマートフォンなどの普及により、顧客の購買活動は大きな変化を遂げました。
近年の顧客の多くは、製品・サービスの情報収集や比較をインターネットで済ませるのが一般的です。

顧客の購買活動の変化は、新型コロナウイルスによって、さらに加速しました。
営業担当者は、デジタル上での顧客情報収集や接触が普遍化し、サブスクリプション型サービスの拡大へとつながったのです。

そして、前述したように、サブスクリプション型サービスとカスタマーサクセスは密接に関連しています。
したがって、カスタマーサクセスの重要性が高まりを見せています。

SaaSにおけるカスタマーサクセス成功に必要な3つのポイントとは?

カスタマーサクセスの成功には、顧客ファーストの考え方に基づいた体制構築や、顧客ロイヤリティの創出が大切です。
また、それらを達成するには、よりよいカスタマーサクセスを実現するためにPDCAサイクルを意識する必要もあります。

本章では、SaaSにおいてカスタマーサクセスを成功させるための3つのポイントを解説します。

ポイント1.顧客起点のシームレスな営業体制構築

カスタマーサクセスを成功させるには、部門を超えたシームレスな体制構築が大切です。
なぜなら、リード発掘・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスと一貫した営業活動が必要となるからです。

しかし、現状では営業部門内での属人化が進んでいる企業も多いでしょう。
まずは営業プロセスの可視化や、部門内の意識改革を実施して、新たな体制に向けた基礎の構築から着手してください。

同時に、サブスクリプション型サービスの理解を深める取り組みを実施できれば、よりスムーズな移行が実現します。

ポイント2.顧客ロイヤルティ可視化でSaaSカスタマーサポートの指標を明確に

正しくPDCAを回すには、数値化された指標が必須です。
指標が可視化された場合のメリットは、営業担当者のモチベーション向上・一体的な営業体制構築の実現などが挙げられます。

解約率・アップセル・クロスセルなどのデータを収集しながら、どの程度の数値を目標にすべきかを検討してください。
その上で、今後の指標を可視化することで、より具体的かつ効果的な戦略の策定につながります。

指標として代表的なのが、目標達成までの達成進捗の計測・監視に活用されるKPI(Key Performance Indicater:重要業績評価指標)です。
解約率・アップセル率・クロスセル率から適正なKPIを設置し、目標達成に向けたアクションを起こしましょう。

ポイント3.データ基盤・運用ルールを明確化しカスタマーサクセス改善

カスタマーサクセス成功には、指標の可視化に必要なデータを定義づけておくことも大きなポイントです。
定義せずに、ただデータを収集するのでは、非効率的な業務と化してしまうためです。

必要項目をリストアップし、数値化にはどのようなデータを要するのか検討を繰り返すことで、ルールを明確にしましょう。
必要なデータが集まれば、解約率改善・顧客ロイヤリティ創出などが可能になります。

SaaS業界ではカスタマーサクセスが重要

本記事では、SaaS業界でカスタマーサクセスがいかに重要かを解説しました。
しかし、カスタマーサクセスに必要な人的リソースを確保できずに悩んでいる企業も少なからずいるでしょう。

人材不足が深刻化する中で、より効率的に顧客ロイヤリティを創出し、カスタマーサクセスを成功させるにはデジタルツールの活用が不可欠です。
当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、顧客の課題を解決しさらなる売上拡大を目指すためのインサイドセールス代行を提供しております。

営業やカスタマーサクセスでお悩みの際は、ぜひお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。