反響営業とは?一般的な営業スタイルとの違いやメリットを解説

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  • 反響営業とはどのような戦略か
  • 反響営業を実施するメリットやデメリットは何か
  • 具体的な業務内容は、どのようなものか
  • 反響営業に向いている人材や、やりがいは何か

上記のように考えていないでしょうか。
反響営業は営業手法の一つで、テレアポなどのアウトバウンド型営業と異なり、インバウンド型営業に分類されるものです。

本記事では、反響営業について以下のことを解説します。

  • 反響営業の定義やメリット・デメリット
  • 具体的な手段・業務内容
  • 反響営業に向いている人の特徴
  • 実際に取り組む中でのやりがい

本記事を読めば反響営業の基礎的な部分を理解できます。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

反響営業とは

反響営業とは、こちらから広告やWebを利用して宣伝し、その反応に対して営業をかけることです。
セールス活動における基本的な手法として活用されています。

反響を得るための手法としては以下が挙げられます。

  • CM
  • リスティング広告
  • テレアポ
  • 交流会
  • 資料請求への営業架電
  • 新聞の折り込み
  • 雑誌広告
  • オウンドメディアへの問い合わせ

上記のような広告に対して、まずは顧客からの反応を獲得しましょう。
例えば、雑誌広告であれば、「Webサイトへアクセスして問い合わせする」などのリアクションが期待できます。

これを起点として商品をサジェストしたり、商談につなげたりして成約へと導きます。
ここまでが反響営業における一連の流れです。

なお反響営業は広告費用がかかりやすく、商品やサービスが比較的高額なケースにおいて活用されます。

有効な思考法・マーケティング技術

反響営業では、以下のような思考法・マーケティング技術が活用されます。

  • KPI・KGI設定|重要業績評価指標を設定して進捗確認しながら数字を達成する
  • 3C・SWOT・TOWS分析|営業における一般的なフレームワークの活用
  • AISAS|注意→関心→検索→行動→共有で示されるWeb上での顧客行動の基礎

反響営業ではとにかくセールスやマーケティングにおける技術やノウハウが多用されます。
これらの知識を踏まえておけば、営業成績は自ずと向上していきます。

むしろ定量的な評価や分析において、これらのスキルがないと反響営業を進めるのは困難です。
企業・個人問わず、思考法やマーケティングについて深く学ぶ必要があります。

反響営業のメリットとデメリット

反響営業のメリットとデメリットについて解説します。

メリット1.成約率が高い

反響営業における最大のメリットは、成約率が高いことです。

反響があるというのは、顧客が企業へ問い合わせを実施するほど興味・関心を持っていること意味します。
その点を踏まえれば、新規営業と比較して成約しやすいのは明らかです。

極端な場合では、購入の意思が固まっており、あとは契約書を書くだけで成約するケースも多々あります。
この点は、反響営業における最大のメリットだといえます。

新規営業やルートセールスは不確実性が高く、安定した収益源にはなりません。
その点、反響営業は高い成約率によって企業の売上を下支えします。

メリット2.体力的な負担が小さい

体力的な負担が小さいのも反響営業のメリットです。

新規営業やルートセールスでは、営業パーソンが外回りをしなければいけません。
またテレアポでもオペレーターには相当な負担がかかります。

しかし、反響営業は基本的にそれほど動き回る必要がなく、従業員の体力的な負担を軽減することが可能です。

メリット3.やや強い立場に立つことも可能

反響営業では、自社が顧客に対してやや強い立場を取ることも可能です。

そもそも反響があった時点で、顧客が「売ってほしいと頼む側」に立たされることがあります。もちろん商材やニーズの大小にもよりますが、うまく行けば自社が主導権を握ることが可能です。

営業活動は、自社側が不利な立場に立たされることが多いものです。
その点、優位性が得られる反響営業のメリットは貴重だといえます。

デメリット1.反響がなければ動けない

反響営業のデメリットとして「反響がなければ何もアクションを起こせない」という点が挙げられます。
問い合わせ電話やメールなどがあって初めて営業活動が始められるのであって、それがなければ動きようもありません。

こうした受動的なスタイルによる機会損失などのリスクは、反響営業のデメリットとして理解しておきましょう。

デメリット2.比較検討されやすい

クライアントは自社と他社の商品・サービスを比較しているため、成約につながるまで時間がかかります。
比較検討する時間をクライアントに与えてしまうと、結果として他社を選択される可能性も高くなるからです。

そのため商品・サービスを紹介するときは、他社を調査したうえで独自の強みをアピールす流必要があります。

デメリット3.顧客がすでに知識を備えている

現在ではインターネットの普及によって、顧客が商品・サービスについて調べていることがあります。
営業マンが紹介する商品・サービスについて知識が浅い場合、自社の信用を失う原因となるからです。

営業担当者は、紹介する商品・サービスについて深い知識を持っていなければ、成約につなげることは困難です。

反響営業の主な業務内容

反響営業を業務レベルで見たとき、以下の区分に分けられます。

  • マーケティング戦略を考案する
  • 広告出稿により宣伝する
  • リード顧客の問い合わせデスク対応
  • マーケティング結果についてPDCAサイクルを回す

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

マーケティング戦略を考案する

マーケティング戦略を考案することは反響営業において重要です。

広告は打てばかならず反応が得られるものではありません。
少しでも多くの、そして強力な反響を受け取るために、消費者やターゲットに刺さる広告を発信する必要があります。

それがより多くのリード顧客を獲得し、売上へつなげることが可能です。
だからこそ市場が求めているニーズをつかむためのマーケティング戦略を考案するのは重要。

多角度的な調査で、真に求められているものが何か分析しましょう。

広告出稿により宣伝する

マーケティング戦略に従い広告を出稿するのは、反響営業の基本です。
出稿媒体やデザイン、予算分配、あるいはパフォーマンス分析を担当することもあります。

反響営業は人件費を削減しつつ、広告費をふんだんにかける戦略です。
そのため、出稿される広告の適切な管理が重要です。
広告運用やデザインスキルがあるかどうかが、一つのポイントといえます。

リード顧客の問い合わせにおけるデスク対応

リード顧客の問い合わせにおけるデスク対応も反響営業の一部です。

広告を出稿したあと、興味がある顧客からはメールや電話による問い合わせが入ります。
これに対応して商談へつなげるのは、反響営業による成果を上げる上で重要なステップです。

ここで対応を誤ればせっかくの反響が失われるので注意しなければいけません。

マーケティング結果についてPDCAサイクルを回す

反響営業では、マーケティング結果についてPDCAサイクルを回すことも重要です。

いかに分析や準備があったとしても、完璧な広告運用や顧客対応が毎回できるわけではありません。
当然ながら運用するうえで改善点や失敗例も出てきます。

これらを踏まえてKPIやKGIの兼ね合いも意識しつつ、より良い反響営業を実施するためにPDCAサイクルを回すことが大切です。

反響営業が向いている人の特徴

反響営業が向いている人の特徴として、以下5つが挙げられます。

  • 戦略的に考えるのが得意
  • マーケティング能力がある
  • 提案力がある
  • 仕事においてやりがいを重視している

人材の配置を考えたり、自身の適性を判断したりする上で参考にしてください。

戦略的に考えるのが得意

もっとも反響営業が向いているのは、戦略的に考えるのが得意な人です。

反響営業では得られた反響の裏に隠されているニーズや心理を見抜き、先を予想しながら商談や提案を進める必要があります。
このようなことが得意だったり、あるいは類似した業務で手応えがあったりする人は、反響営業に向いているといえます。

マーケティング能力がある

マーケティング能力が高い人は反響営業に向いています。
市場をリサーチしたり、宣伝広告を出稿したり、マーケットを理解した能力があるなら活躍できるはずです。

過去にマーケティングに携わっていたり、広告運用で実績を出したりしたなら、反響営業でも活躍が期待できます。

提案力がある

提案力がある人も、反響営業に向いています。
この力があればより多くの成約を獲得できるからです。

反響営業で得られたリード顧客は確度が高いものですが、だからといって油断して良いわけではありません。
しかし、提案力があれば安定した売上創出が期待できます。

また予定していた契約サイズより、より大きな内容で話をまとめることも可能です。
そのようなスキルがある人材は、反響営業に向いているといえます。

仕事においてやりがいを重視している

仕事においてやりがいを重視している人は、反響営業に適性があるといえます。

幅広い能力を求められる手法で、難易度が高いのは間違いありません。
だからこそ成果を上げたときの喜びは大きなものです。

給与や処遇だけではなく、精神的な充足を求めているなら、反響営業のプレイヤーとして長続きするポテンシャルも期待できます。

反響営業を実施するやりがい

反響営業の実施に携わることには、特別なやりがいが感じられます。

  • 直接感謝される
  • 施策が的中した際の満足感
  • 自分なりの戦略が勝負できる

このようなやりがいを求める人材は、反響営業で活躍が期待できます。
企業の立場から考えれば、精力的に働く営業パーソンを得ることが可能です。

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

直接に感謝される

反響営業を実施するやりがいとして、直接感謝される点が挙げられます。
ルートセールスや新規開拓と違って成約率が高く、相手から感謝されることも多いのが特徴です。
お金ではなく人と人とのつながりを重んじる人は、反響営業に適性があるといえます。

ただし感謝される喜びも、適切な報酬や処遇があってこそです。
「ありがとう」の言葉だけを追いかけて不当な労働が生じないように注意しましょう(やりがい搾取)。

施策が的中した際の満足感

反響営業には「考案した施策が的中した際の満足感」というやりがいもあります。

顧客を獲得するまでには緻密なマーケティングと適切な広告運用が必要です。
それを考えるのは難しい仕事ですが、逆に言えばそれが的中したときの満足感は大きなものです。
それ自体が自信や実績となり、大きなやりがいとなるはずです。

自分なりの戦略で勝負できる

自分なりの戦略で勝負できるのも、反響営業を実施するやりがいのひとつだといえます。

反響営業では自身が考案したやり方を認められるケースが多々あります。
つまり指示された内容ではなく、オリジナルの戦略を運用することが可能です。

自身の裁量で動けるのも、やりがいにつながります。

反響営業以外の手法

反響営業は有効な手法ですが、数ある営業手法の一端にしかすぎません。
以下のような営業方法があることも、再度踏まえておきましょう。

  • ルートセールス
  • 新規開拓営業
  • インサイドセールス
  • 法人営業
  • 技術営業

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

ルートセールス|既存顧客のニーズを引き出して利益につなげる

ルートセールスは既存顧客に対してアプローチをかける営業戦略を意味します。
定期的に相手先を訪問し、クロスセルやアップセルを提案するのが基本です。

顧客との契約が途切れないように関係値を維持したり、新しい商品が発売されたときにサジェストしたりして売り上げを保護ないし拡大します。

新規開拓営業|新しい取引先を開拓する

新規開拓営業はセールスにおいてもっともハードなやり方です。
テレアポで獲得したアポイントや飛び込み営業を用いて、新しい顧客を作り出します。

もちろんその難易度は高く、ニーズがあるかどうかわからないところから売り上げを作り出すのは容易ではありません。
冷たく断られるのは当たり前のハードな場面ですが、自社の売り上げを拡大するうえでは避けて通れない手法です。

インサイドセールス|内勤の営業で顧客をナーチャリング

インサイドセールスとはオフィス内から営業をかけてナーチャリングすることを示します。
具体的には以下のような活動が該当します。

  • テレアポによる新規開拓
  • 既存顧客へのアップセル・クロスセル提案
  • FAXの送信
  • ダイレクトメールの送付
  • マーケティングによるリード顧客分析

インサイドセールスでは基本的には商談を完結させません。
できるだけ顧客の購買意欲を高めた状態でフィールドセールス、つまり外回りの営業パーソンへパスを出します。

直接的に売り上げを作るわけではありませんが、厳しい商談シーンを支援するうえでは重要な活動です。

法人営業|BtoB間でのビジネス

法人営業は会社対会社、いわゆるBtoBでのビジネスを展開するものです。
業務に必要な機器やツール、あるいはサービスを売り込みます。

法人営業は個人営業と比べて意思決定プロセスが長く、難易度が高いと言われています。
相手を納得させる提案力やプレゼンスキル、さらにはロジカルシンキングや立ち振る舞いが求められるからです。

また法人としての経営状態を見極めたり、掲げているビジョンについて共感したりして、「味方」となることも重要だといえます。

技術営業|難しい専門分野の魅力を伝える

技術営業とは、テクニカルで理解しにくい専門分野について魅力を伝えるスタンスです。

すべての顧客は自社の製品やサービスについて、多くを理解しているとは限りません。
そのような状態において技術者同様の知識を活かしつつ顧客へわかりやすく売り込むのが技術営業。

また顧客からのテクニカルサポートに対応したり、操作や設定を支援したりするのも技術営業の一端です。
技術を持っているだけではなく、それを噛み砕いてアウトプットするのは容易ではありません。

総じて、高い能力が求められる営業スタイルだといえます。

まとめ:反響営業を取り入れて成約率を高めよう

反響営業を実施するには戦略的な思考やマーケティング能力、あるいは提案力が求められます。また、やりがいをどれだけ見出せるか」も一つのポイントです。

自社の営業組織を強化する上では、外部パートナーとの連携も参考にしてみましょう。
株式会社soraプロジェクトでは、営業やマーケティングの専門集団としてあらゆる企業のセールス活動を支援しています。

反響営業に関連するWebマーケティング支援もできるため、Webや広告の宣伝効果を高めたいなら資料請求してぜひご覧ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。