カスタマーサクセスの売上を向上させるアップセル戦略の方法を解説!

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カスタマーサクセスの売上を向上させるアップセル戦略の方法を解説!

スタートアップ企業やサブスクリプション型ビジネスを展開する企業では、カスタマーサクセスが重要視されます。
カスタマーサクセスにおいて、売上向上のために注目されている手法の1つがアップセルです。

しかし、カスタマーサクセス担当者の方は「アップセルがどういった戦略なのかわからない」、「アップセルを成功させられるか心配」といった悩みもあるでしょう。
当記事では、カスタマーサクセスにおけるアップセルの詳細や活用するメリット、成功させるコツなどを詳しく解説します。

アップセルによって自社の売上を向上させる方法を理解できるので、ぜひ参考にご覧ください。

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アップセルとは

アップセルとは

アップセルとは、自社商品・サービスを利用する顧客に対して、より上位の商品・サービスの購入を提案する手法です。
同じ顧客数で単価を上げることで総売上がアップすることを目的とし、追加オプションの購入を提案することもアップセルに含まれます。

例えば、パーソナルジムは利用するコースによってメニューが決まっており、上位コースに移行することで多くのメニューやサービスを利用可能です。
このように上位コースに移行することはアップセルの手法となるため、企業は通常コースよりも高い売上を得られます。

既存顧客にアップセルを提案するには、商品・サービスの満足度が高く求めている成果を実感できている必要があります。
そのためアップセルは顧客の数ではなく、質に注目したマーケティング手法といえるでしょう。

カスタマーサクセスにおいてアップセルが注目される理由

カスタマーサクセスにおいてアップセルが注目される理由には、既存顧客からの売上増加があります。
現在多くの企業ではサブスクリプション型(一定期間中に利用できるビジネスモデル)の商品・サービスが広く展開されており、既存顧客が継続的な利用をしています。

既存顧客が商品・サービスを通じて求めている成功体験を得ることができれば、自然と継続的な利用につながるでしょう。
ビジネスにおいて新規顧客獲得も重要ですが、既存顧客への販売コストは5分の1といわれていることからアップセルは効率良く収益を上げることが可能です。
ロイヤルティが高い(満足度が高い状態)顧客が自社商品・サービスを利用していれば、アップセルによって上位への購入や移行を提案しやすくなります。

新規顧客獲得に頼らず収益向上を見込めるため、多くの企業はアップセルに注目しているのです。

アップセルとクロスセルの違い

アップセルと類似する手法として「クロスセル」があります。
クロスセルとは、顧客が購入する自社商品・サービスの関連製品を追加購入してもらう手法です。

世間的には「セット販売」という言葉が使われており、アップセルと同じく顧客の単価に注目したマーケティング手法となっています。
クロスセルをおこなうときは顧客データを分析し、購入後の成功体験を顧客にイメージしてもらうことが大切です。

「商品・サービスと合わせて購入することで成功につなげられた」と購入後に思ってもらうことで、顧客のロイヤルティ向上につながります。
既存顧客から定期収益を上げるという点では、アップセルとクロスセルは同じ役割があります。

主な違いとして、アップセルは高額な上位コースに移行してもらう手法、クロスセルは関連製品を追加購入してもらう手法と理解しておきましょう。

下位製品・サービスを紹介するときはダウンセルが効果的

アップセルとクロスセルだけでなく、カスタマーサクセスには「ダウンセル」という手法もあります。
ダウンセルとは、顧客が購入した自社商品・サービスよりも下位の商品・サービスを提案する手法です。

ダウンセルは顧客が現在の商品・サービスに適していないときに提案し、ダウングレードすることで契約を継続させる役割があります。
顧客が商品やサービスを解約すると関係性が終了するため、自社の収益がゼロになってしまいます。

ダウンセルは現在よりも下位の商品・サービスよりも売上が下がりますが、顧客との関係性を維持するためには重要です。
顧客ロイヤルティ(自社製品に愛着がある顧客)を高めることができれば、アップセルやクロスセルへと移行することも十分可能です。

カスタマーサクセスにダウンセルを取り入れるときは、顧客が購入後にどのような動きをとっているのか分析していきましょう。

カスタマーサクセスにアップセルを活用する5つのメリット

カスタマーサクセスにアップセルを活用する5つのメリット

カスタマーサクセスにアップセルを活用することで、以下のような5つのメリットがあります。

  1. 継続的に高い収益を得られる
  2. 追加オプションの購入を促進できる
  3. 解約率を抑えられる
  4. 顧客満足度を向上させられる
  5. LTVを向上させられる

それでは順番に説明します。

1.継続的に高い収益を得られる

アップセルは上位の自社商品・サービスを継続的に利用されるため、高い収益を得られます。
上位の購入を提案するだけでなく、顧客の契約アカウント数が増えたタイミングにアップセルを提案することも可能です。

例えば、1ユーザー辺りの課金システムを取り入れている場合、契約している企業が部署拡大や利用者増加のタイミングで提案できます。
アップセルはBtoBとBtoCのどちらにも対応できるため、自社の継続的な収益向上を見込める点は大きなメリットです。

2.追加オプションの購入を促進できる

顧客に追加オプションの購入を提案することも、アップセルの手法として含まれています。
商品・サービスに付加価値をつけたいと考えている顧客に訴求することで、新たな収益を得られます。

例えば、サブスクリプション型のサービスを展開しているなら「容量の追加」、「有人サポート」、「機能の追加」などが利用できる追加オプションです。
オプションの内容によっては、上位プランやコースを提案することもあるでしょう。

顧客にさらなる体験価値を提供できる点は、アップセルを活用するメリットとなります。

3.解約率を抑えられる

アップセルによって成功体験へとつなげることができれば、既存顧客の解約率を抑えられます。
例えば、Amazonプライムやネットフリックスといったストリーミングサービスでは、上位プランに移行することで通常よりも高画質・高音質な映像を楽しめます。

既存顧客が求めている成果・成功をアップセルによって得ることができれば、結果的に継続的な利用につながるのです。
カスタマーサクセスにおいて顧客の解約率を抑えることは大きな課題となっているため、アップセルの活用は大きなメリットといえるでしょう。

4.顧客満足度を向上させられる

顧客にアップセルを提案することで、これまでのプランやコースでは体験できなかった商品・サービスを提供できます。
例えば、Amazonの場合、有料プランに加入することで商品の配送料を無料にできます。

商品やサービスの上位プランへ加入したことで顧客が求めている成果を得られると、顧客満足度は自然と向上するでしょう。
顧客満足度が向上すれば継続的な関係を築けるため、アップセルは解約率を低下させるメリットがあります。

5.LTVを向上させられる

カスタマーサクセスにアップセルを活用すれば、LTVを向上させられます。
LTVとは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」であり、和訳すると顧客生涯価を意味します。

LTVは顧客が自社と取引を開始し、どれだけの利益を得られたのかをあらわす数値です。
サブスクリプション型の商品・サービスは買い切り型に比べて導入のハードルが低いため、継続利用してもらうことでLTVを向上可能です。

アップセルによって顧客満足度を上げることができればLTVも向上するので、自社の収益をアップさせられるメリットがあるのです。

カスタマーサクセスでアップセルを成功させるコツ

カスタマーサクセスでアップセルを成功させるコツ

カスタマーサクセスでアップセルを成功させるには、以下のようなコツがあります。

  • 顧客のフェーズに合わせて提案する
  • 顧客の課題・悩みを理解する
  • 顧客ロイヤルティを高める

それでは詳しく解説します。

顧客のフェーズに合わせて提案する

顧客にアップセルを提案するときは、どのようなフェーズにあるのかを明確にすることが大切です。
現在のプランやコースに満足している既存顧客に対して、アップセルを提案しても押し売りになってしまいます。

例えば、顧客が上位プランをチェックしていたり上位プランの機能をチェックしていたりすると、興味や関心を持っている可能性が高いと言えるでしょう。
このような顧客に対して上位プランを提案すれば、抵抗感をなくして受け入れてもらいやすくなります。

顧客のフェーズを理解するには、行動データを取得・管理する必要があります。
BtoCなら契約継続、BtoBなら契約更新などのタイミングに合わせて、アップセルの提案をしてみましょう。

顧客の課題・悩みを理解する

カスタマーサクセスを成功させるためには、顧客が抱える課題や悩みを理解しなければいけません。
自社の売上のみに注目してしまうと、サービスを求めていない顧客にアップセルを提案してしまう懸念があります。

押し売りのような状態になると、抵抗感が生まれてしまい解約率を上げる原因となります。
顧客がどのような課題を解決したいのか、何を悩んでいるのかを調査することで、最適な提案ができるようになります。

顧客の情報を調査するには、日頃から分析を続けることが大切です。
SFAやCRM、CSMといったツールを活用し、顧客の課題や悩みを理解してからアップセルを提案しましょう。

顧客ロイヤルティを高める

アップセルを提案するときは、顧客ロイヤルティを高める必要があります。
顧客ロイヤルティは自社商品・サービスへの愛着度をあらわしており、高いほどアップセルを提案しやすいことが特徴です。

逆に顧客ロイヤルティが低い顧客にアップセルを提案しても、押し売りになって抵抗感が生まれます。
顧客ロイヤルティを高めるには、自社商品・サービスの顧客満足度を向上させて信頼関係を築くことが大切です。

顧客との信頼関係が深いほど「この企業が提案してくれるなら安心」と思ってもらえるため、アップセルも受け入れてもらいやすくなります。
顧客ロイヤリティを計測するときは「NPS®(ネットプロモータースコア)」という指標が基準となります。

NPS®は、友人や知人におすすめしたいと思うかどうかを0点〜10点で評価してもらうので、提案に適しているのかを明確にすることが可能です。

カスタマーサクセスがアップセル戦略を実施するときの注意点

カスタマーサクセスがアップセル戦略を実施するときの注意点

カスタマーサクセスがアップセル戦略を実施するときは、いくつか注意しなければいけないポイントがあります。
正しい手順で既存顧客にアップセルをおこなうためにも、ぜひチェックしておいてください。

押し売りにならないようにする

アップセルは自社の売上向上を見込める手法ですが、望んでいない顧客に提案することはNGです。
顧客が現在の商品・サービスに満足しているにもかかわらず、上位プランやコースを提案することは押し売りになってしまいます。

特に既存顧客へ押し売りをしてしまうと、信頼を失ってしまい解約へとつながります。
顧客との関係性を継続するためにも、ニーズや課題、悩みなどを分析して最適なタイミングで提案をおこないましょう。

組織全体で方針を固める

カスタマーサクセスがアップセル戦略を実施するときは、組織全体で方針を固めることが大切です。

担当によって顧客へのアプローチ方法が異なったり、おすすめされるプランに違いがあったりと対応にばらつきが出ている場合、顧客がどの上位プランを利用すべきか判断しづらくなります。
最悪の場合、企業全体への信頼も損なわれ、解約にいたることもあるでしょう。

顧客を迷わせないためにも、組織全体で方針を固めて顧客ロイヤルティを高めるようにしましょう。

カスタマーサクセスにアップセルを活用して収益を拡大しましょう

カスタマーサクセスにアップセルを活用して収益を拡大しましょう

今回は、カスタマーサクセスにおけるアップセルの詳細や活用するメリット、成功させるコツなどを詳しく解説しました。
アップセルを活用することで既存顧客に上位プランを提案できるため、自社の売上向上を見込めるようになります。

サブスクリプション型の商品・サービスが広く展開されている現代では、アップセルをうまく活用することが重要です。
ぜひ当記事で紹介した内容をもとに、カスタマーサクセスにアップセルを活用してください。

株式会社soraプロジェクトでは、インサイドセールスやテレアポ、Webマーケティングなど幅広い支援をおこなっています。
もしアップセル実現や活用に悩んでいるなら、ぜひ気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。