強い営業組織の作り方は?立ち上げのプロセスや成功事例を解説

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企業の成長を牽引する営業部門ですが、その組織運営に課題を感じている経営者やマネージャーは少なくありません。
「トップセールスの退職で売上が激減した」「若手が育たず定着しない」「営業活動がブラックボックス化している」といった悩みは、多くの企業に共通しています。
これらの課題は、個人のスキルに依存した属人的な体制から脱却し、誰がやっても成果を出せる仕組みを構築することで解決可能です。

本記事では、持続的に成果を出し続ける「強い営業組織」の作り方を、具体的なプロセスや成功事例を交えながら体系的に解説します。
自社の課題を明確にし、明日から取り組むべきアクションプランを描けるので、ぜひ参考にご覧ください。

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そもそも営業組織とは?

営業組織とは、単に商品やサービスを販売する担当者の集まりではありません。
企業の顔として顧客と直接向き合い、売上を創出することで事業の成長を牽引する戦略的な部門です。
その目的は、自社の利益を最大化することにありますが、そのためには顧客との長期的な信頼関係の構築が不可欠です。

近年では、市場の変化や顧客ニーズの多様化にともない、営業組織の役割も進化しています。
オンライン商談の普及やデジタルツールの活用が進み、営業プロセスの可視化やデータ活用の重要性も高まっています。
対面だけに頼らず、オンラインでも価値を提供できる体制づくりが求められる時代です。

また、単なる「売り込み」ではなく、顧客が抱える課題を深く理解して最適な解決策を提供する「ソリューションパートナー」としての役割が求められています。
そのため、組織全体で情報を共有し、戦略的に活動することが今まで以上に重要です。

営業組織が直面する6つの深刻な課題

多くの営業組織では、成長を妨げる構造的な課題が潜んでいます。
これらの課題は、放置すると企業の競争力低下に直結する可能性があります。
自社の状況と照らし合わせながら、どのような問題があるかを確認してみましょう。

課題1:スキル・ノウハウの属人化と組織的な営業活動の不足

「あのエースがいなければ、うちの部は目標達成できない」という状況は危険です。
個々の営業担当者のスキルに過度に依存していると、その人が退職や異動をした際に売上が大きく落ち込みかねません。

また、成功体験やノウハウが個人の頭の中にしかなく組織全体で共有・継承されないため、チームとしての成長が停滞してしまいます

課題2:体系的な人材育成の不足と若手の早期離職

多くの企業で、新人教育は現場のOJT(On-the-Job Training)に丸投げされています。
しかし、教える側のマネージャーも自身の目標に追われているため、体系的な指導が難しいのが実情です。

結果として、新人はなかなか成果を出せずに自信を失い、早期離職につながる負のスパイラルに陥ってしまいます

課題3:プッシュ型営業の限界と新規顧客獲得の困難化

インターネットの普及により、顧客は営業担当者に会う前に自ら情報を収集し、比較検討するようになりました。

このような状況で、従来通りの電話営業や飛び込み訪問といったプッシュ型の営業手法だけでは、成果を出すことが難しくなっています。
デジタルマーケティングと連携した、新しい顧客接点の創出が求められています

課題4:コア業務を圧迫する報告書作成などのノンコア業務

営業担当者の仕事は、顧客と対話し、商談を進めることです。

しかし実際には、日報・週報の作成や経費精算、社内調整といったノンコア業務に多くの時間を奪われています
ある調査では、営業担当者が営業活動そのものに使える時間は、就業時間の半分にも満たないという結果も出ています。

課題5:顧客データの散在とデータに基づいた戦略の欠如

顧客情報がExcelや個人の手帳、メールソフトなどがさまざまな場所に散在していると、過去の商談履歴や顧客の細かいニーズを組織全体で把握できません。

データにもとづいた客観的な分析ができないため、戦略も勘や経験に頼ったものになりがちです。
成功パターンの再現や失敗の原因究明が難しくなり、組織全体の営業力が伸び悩む要因にもなります。

課題6:不透明な評価制度によるモチベーションとエンゲージメントの低下

目標達成への意欲を維持するためには、公正で透明性の高い評価制度が不可欠です。
何をどれだけ頑張れば評価され、キャリアアップにつながるのかが不明確だと、従業員のモチベーションは低下してしまいます。

組織への貢献意欲であるエンゲージメントが低い組織は、生産性が低く、離職率も高くなりがちです。
成果だけではなくプロセスも正当に評価する仕組みを整え、組織全体の士気を高めることが大切です。

「強い営業組織」の5つの特徴

課題を克服し、継続的に成果を出し続ける「強い営業組織」には、共通する特徴があります。
それは、個人の能力に依存するのではなく、組織としての仕組みが機能している点です。

明確な目標設定と戦略を共有している

強い営業組織では、企業全体の経営方針からブレイクダウンされた、明確なチーム目標と個人目標が設定されています。
そして、その目標を達成するための戦略がメンバー全員に共有され、納得感を持って日々の活動に取り組んでいるのが特徴です。

全員が同じ方向を向いているため、組織としての推進力が最大化されます

役割分担を明確にしている

現代の営業活動は複雑化しており、一人の担当者がすべてのプロセスを担うのは非効率です。

強い営業組織は、「The Model(ザ・モデル)」に代表されるような分業体制を構築しています。
見込み客の獲得・育成・商談・契約後のフォローといった各フェーズで専門の担当者を置くことで、全体の生産性を高めています

データ活用と営業プロセスを標準化している

強い営業組織では、勘や経験だけに頼ることはありません。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)を活用し、あらゆる活動をデータで可視化します。

そのデータ分析にもとづき、成果を出しやすい営業活動の「型」を標準化することで、誰が担当しても一定の品質を担保することが可能です。

継続的な人材育成を行っている

強い営業組織は、「人は育てるもの」という文化が根付いています。
新入社員向けのオンボーディングプログラムはもちろん、既存社員向けのスキルアップ研修や勉強会が定期的に開催されます。

成功事例を共有して互いに学び合う仕組みがあり、組織全体のレベルを継続的に向上していくのが特徴です。

テクノロジーを活用している

強い営業組織は、テクノロジーの活用に積極的です。

テクノロジーの活用で、以下のような効果が期待できます。

特徴具体的な取り組みもたらされる効果
目標・戦略の共有・全社会議での経営方針の共有・チームごとのKPI設定と進捗確認・メンバーの納得感醸成・組織としての一体感向上
明確な役割分担・インサイドセールスとフィールドセールスの分業・カスタマーサクセス部門の設置・各プロセスの専門性向上・営業活動全体の効率化
プロセスの標準化・受注までの営業フェーズ定義・セールスプレイブック(営業の型)の作成・営業スキルの属人化防止・新人でも早期にキャッチアップ可能
継続的な人材育成・体系的な研修プログラムの実施・定期的なロールプレイングや勉強会・営業力の底上げ・従業員エンゲージメントの向上
テクノロジー活用・SFA/CRMの導入と定着・Web会議システムやチャットツールの活用・ノンコア業務の削減・データに基づいた意思決定の実現

強い営業組織は、SFA/CRMによる顧客管理や案件進捗の可視化、MA(マーケティングオートメーション)によるリードナーチャリングなどのITツールを駆使して業務を効率化しています。

これにより、営業担当者は単純作業から解放され、より創造的な業務に集中することが可能です。

強い営業組織を立ち上げるためのプロセスは?

強い営業組織は一朝一夕には作れません。
明確な経営方針にもとづき、段階的かつ計画的に仕組みを構築していく姿勢が大切です。

ここでは、そのための具体的な8つのステップを紹介します。

STEP1:組織のミッション・目標を設定する

最初に、「自分たちの営業組織は何のために存在するのか」というミッションを定義します。
そして、それを具体的な数値目標であるKGI(重要目標達成指標)、例えば「年間売上高〇〇円」「市場シェア〇%」などに落とし込みましょう

このミッションとKGIが、すべての活動の判断基準です。

STEP2:現状を分析する

次に、目標達成に向けて自社が置かれている状況を客観的に分析しましょう
自社の製品やサービスの強み・弱み、市場の成長性や顧客ニーズの変化、競合他社の動向などを把握します。

SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)などのフレームワークを活用すると効果的です。

STEP3:営業プロセスを設計する

顧客が自社の商品やサービスを認知し、購入に至るまでの一般的な購買プロセスに沿って、営業活動の段階(フェーズ)を定義します
例えば、「リード獲得 → アポイント → 初回訪問・ヒアリング → 提案 → クロージング」といった流れです。

各フェーズで「何を」「誰が」「どのように」行うのかを明確にすることが、標準化の第一歩です。

STEP4:メンバーの役割分担を行う

設計した営業プロセスにもとづき、各メンバーの役割を分担します
近年主流となっている「The Model」型の分業体制では、以下のように役割が分かれています。

役割主な業務内容担当するプロセス主なKPI
マーケティング見込み客(リード)を獲得するリード獲得リード数、CPL
インサイドセールスリードに電話やメールで接触し、商談機会を創出するアポイント商談化数、商談化率
フィールドセールス顧客を訪問し、提案・クロージングを行い受注する提案・クロージング受注数、受注率
カスタマーサクセス契約後の顧客をフォローし、継続利用や追加発注を促す契約後フォロー契約更新率、LTV

STEP5:KPI・KGIを設定する

最終目標であるKGIを達成するために、各プロセスが順調に進んでいるかを測る中間指標としてKPI(重要業績評価指標)を設定します
例えば、KGIが「受注件数」であれば、KPIは「商談化数」「アポイント獲得数」「リード数」などです。

各役割の担当者が自身のKPIを追うことで、組織全体のKGI達成につながります。

STEP6:ナレッジ共有と育成体制を構築する

トップセールスの営業手法や成功事例を形式知化し、「セールスプレイブック」としてまとめ、組織全体で共有します。また、このプレイブックを活用したロールプレイング研修や、定期的な勉強会の実施も欠かせません。

これにより、スキルレベルが標準化され、組織全体の営業力が底上げされます。

STEP7:ITツールを活用する

営業活動を効率化し、データを蓄積・活用するためにITツールを導入します
顧客情報や商談履歴を一元管理するSFA/CRMは、現代の営業組織にとって必須のツールです。

ITツールを導入する際は、自社の営業プロセスに合ったものを選び、入力ルールを徹底して定着させることが重要です。

STEP8:PDCAサイクルを運用する

営業組織の構築は、一度作ったら終わりではありません。
市場環境や顧客のニーズは常に変化するため、定期的に活動の成果を振り返り(Check)、課題を分析して改善策を実行する(Action)PDCAサイクルを回し続けることが不可欠です。

週次や月次の定例会議でKPIの進捗を確認し、改善のための議論を行う文化を醸成しましょう。

外部リソースの活用が強い営業組織の立ち上げを加速させる!

自社だけで営業組織の改革や立ち上げを行うには、ノウハウやリソースが不足している場合もあります。
そのような場合には、外部の専門家の活用も有効な選択肢です。
営業代行会社や営業コンサルティング会社は、豊富な経験と客観的な視点から、自社だけでは気づけなかった課題の特定や効果的な戦略立案を支援してくれます

特に、組織の立ち上げ期や新しい市場へ参入する際には、専門家の知識が改革を大きく加速させてくれます。

外部パートナーを活用したい場合は、自社に不足しているリソースやノウハウを見極めた上で、活用を検討してみましょう。

強い営業組織の成功事例3選

ここでは、実際に組織改革によって成果を上げた企業の事例を3つ紹介します。
自社の課題と照らし合わせながら、改革のヒントを探してみましょう。

株式会社ツクイスタッフ

介護・医療分野の人材サービスを提供する同社では、営業担当者個人のスキルに依存しており、ノウハウの共有ができていないのが課題でした。
そこで、SFAを導入して営業活動のプロセスを標準化し、成功事例や顧客情報を全社で共有する仕組みを構築しました。

結果として、営業担当者間のスキル格差が縮小し、組織全体の受注率が向上しました

CASE STUDY 株式会社ツクイスタッフ 様

株式会社ハイパー

IT機器販売を行う同社は、新規事業としてセキュリティサービスの拡販が課題でした。
しかし、既存の営業体制では効率的なアプローチが難しいという課題に直面したため、インサイドセールス部門を立ち上げてマーケティング部門と連携し、見込み客の育成から商談創出までを仕組み化しました。

これにより、効率的に質の高い商談を創出できるようになり、新規事業の売上を大きく伸ばすことに成功しました

CASE STUDY 株式会社ハイパー様 事例インタビュー

株式会社E-Grant

CRMツールを提供する同社では、事業の急拡大にともない、営業担当者の育成が追いつかないのが課題でした。
そこで、セールスイネーブルメントの考え方を導入して体系的な育成プログラムとセールスプレイブックを整備し、新入社員でも早期に独り立ちできる仕組みを整えました。

結果として、オンボーディング期間が短縮され、組織全体の生産性を向上させることに成功しています

CASE STUDY 株式会社E-Grant様 事例インタビュー

ITツールを活用して強い営業組織を立ち上げよう

本記事では、強い営業組織の作り方を、直面する課題から具体的な立ち上げプロセス、成功事例まで幅広く解説しました。
特に大切なのは、下記のポイントです。

  • 個人の能力に依存せず、データとテクノロジーを活用した仕組みで成果を出す
  • 明確な目標と標準化されたプロセスを組織全体で共有する
  • PDCAサイクルを回し、継続的に改善を繰り返す

まずは自社の営業組織が抱える課題を洗い出すことから始めてみましょう
本記事で紹介したステップを参考に、強い営業組織への変革に向けた第一歩を踏み出してください。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、テレアポ代行やインサイドセールス代行を通じて、営業組織の立ち上げや強化を支援しております。
営業組織に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。