失注原因が知りたい!受注につながる効果的な分析方法やコツも解説

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「失注が続いている……。失注に至った原因が知りたい」「失注分析の効果的な方法はないだろうか」

営業活動において、このような悩みをお持ちかもしれません。実は、失注分析は、成功パターンを導き出すのと同様に重要です。

現場では「コストが原因で断られた」と言われがちですが、果たして本当にそれは正しいのでしょうか。

そこで今回の記事では、失注になる原因、失注分析の具体的な方法、効果的に行うコツについて解説します。失注に至る原因を探ることで課題が特定でき、今後の提案力の向上が期待できるので、ぜひ参考にしてください。

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失注になる原因とは

失注になる原因について、5点解説します。

営業担当者が信頼関係を築けない

失注になる原因の1つとして、営業担当者による態度や振る舞いが挙げられます。

連絡を入れず打ち合わせに遅刻してしまったり、必要な資料を忘れてしまったりなど、特にアポの初期段階でミスが続くと印象が悪くなってしまいます。また、身だしなみも整っておらず、挨拶やマナーが不適切であれば、信頼されにくいでしょう。

このような社会人として基本的な項目をクリアしていたとしても、一方的にアピールして相手の話を聞けなかったり、顧客ニーズを汲み取れなかったりしても、信頼関係の構築は難しくなります。

したがって、まずは社会人としての振舞いを身につけるだけでなく、プロの営業パーソンとしてスキルや提案力を磨く必要があるでしょう。

曖昧な提案をしている

提案内容に曖昧な点が多く、相手からの質問に明確に答えられなければ、失注につながる原因となり得ます。

具体的には、価格について「だいたい〇万円以上です」と言うだけで、それがどのような内訳で何のサービスやオプションが含まれているか伝えなければ、相手は納得できません。

納期についても、工程ごとにかかる日数の明示がなければ、相手企業は社内で検討することもできないでしょう。

価格や納期に関する情報が曖昧だと、顧客が稟議を通せず却下される可能性が高くなるので、事前にしっかり押さえておく必要があります。

間違った顧客担当者にアプローチしている

相手企業の担当者に提案を受け入れてもらい、信頼関係を築けたとしても、それが受注につながるとは限りません。営業では、決裁者が誰か早い段階で見極め、その人物から了承を得ることが重要だからです。

稟議で決裁されなければ、いくら目の前の担当者が採用したいと言っても、成約につながることはありません。

つまり、営業プロセスの初期段階で決裁者が誰か調べ、稟議が通るための対策や関係づくりが必要です。

他社に決定されてしまった

顧客企業が相見積もりを取っていて、他社の提案が受け入れられてしまった場合、失注となります。商品そのものや提案内容が他者に負けてしまったのだと考えられます。

しかし、競合他社に負けたからといって、顧客企業の担当者と完全に関係を断つ必要はありません。他社を選択した理由をヒアリングし、次のコンペに活かす姿勢が大切です。

顧客都合でクローズになった

順調に営業プロセスが進んでいるように見えても、相手企業の社内事情で突然クローズされるケースもあります。

具体的には、予算が降りなくなった、既存サービスで満足できることがわかり乗り換えの必要がなくなった、という点が挙げられるでしょう。

顧客企業の社内事情による失注は、自社がコントロールできないので仕方ない事態かもしれません。クローズの原因を担当者にヒアリングし、初期段階で気づける要因がなかったか振り返ってみると良いでしょう。

失注分析の方法

失注原因の分析は、「コスト面が合わなかったのだろう」と大まかに考えるのではなく、営業プロセス、担当者、業界といった要素ごとに分類して検討する必要があります。細かく分析することで自社の課題を特定でき、チーム力の底上げにつながるでしょう。

ここでは、各要素の分析方法を解説します。

営業案件のプロセスを分析する

まずは、営業案件ごとのプロセスを細かく分析しましょう。

営業活動は、「アポ獲得→初回打ち合わせ→提案→成約→アフターフォロー」という順番で進められ、複数のプロセスで構成されています。まずは、営業プロセスのどの部分で失注になったかを特定し、その原因を追究し課題を特定します。

プロセスごとの失注原因として、以下の点が考えられるでしょう。

  • 初回打ち合わせ後の失注……営業担当者のミス
  • 提案後の失注……提案内容が弱い、営業担当者の交渉力不足
  • 見積もり提出後の失注……予算が合わなかった、聞いていた価格と違った
  • プレゼン後の失注……コンペで敗北した、競合他社が選ばれた
  • 成約直後……顧客企業の方針変更によるクロージング

営業担当者を分析する

営業担当者ごとの分析も、失注原因の特定に役立ちます。

失注原因がわかれば営業担当者にフィードバックできるだけでなく、担当者ごとの強みや弱みも理解できるようになります。それぞれの特徴を把握できれば、案件の割振りや役割分担の際の参考材料となるでしょう。

具体的には、ある営業担当者は「プレゼンで落ちる傾向にある」けれど、「交渉力は長けている」のであれば、大勢の前で行うプレゼンはほかの担当者に任せ、決裁者との交渉を主に担当させると受注率が上がるかもしれません。

チームとしてそれぞれの営業スキルを標準化させるのであれば、必要な研修を受けさせるなどして、人材育成の機会を提供すると良いでしょう。

商材別で分析する

複数の商材を提供しているなら、商材ごとの失注分析も有効です。商材ごとに失注原因が異なるため、売り方やターゲット、商品そのものの改善などにつなげられる可能性があります。

例えば、営業プロセスを踏もうとしても失注が続く場合、ターゲットそのものを間違っていたと気づくかもしれません。商材Aは、大企業よりも中小企業をターゲットに変更した方が、売れ行きが好調となることもあるでしょう。

それぞれの傾向を探ることで、市場でどのように評価されているか商材ごとの特徴をつかめるようになるので、より売りやすい方法を把握できるようになります。

他社と業界分析をする

コンペで負けて顧客企業が競合他社の製品を選んだ場合、他社商品と比較しながら課題や提案方法を再検討する必要があります。A社とは価格で負ける、B社とはアフターフォローサービスで負けるなど、自社のボトルネックを特定できれば、次に活かせるでしょう。

また、業界分析も失注原因の特定に有効です。自社製品と相性のいい商材がわかり、ターゲットを絞ってアプローチできるので、リードタイムが短縮されます。今後、どの業界で業績を伸ばしたいか経営判断にも使える材料となるので、他社分析と業界分析は合わせて実施しましょう。

なお、3Cや4P、SWOTなど具体的な分析方法は、こちらの記事で解説しています。

マーケティングの基本、3C・4P分析とは?SWOT分析についても解説

失注分析を効果的に実施するコツ

次に、失注分析を効果的に行うためのコツを6点解説します。

担当者と話し合う

まずは失注となった案件を営業担当者と話し合います。1on1ミーティングを設定し、失注に至った状況を整理し、考えられる原因をヒアリングしましょう。

そして、営業担当者ごとの強みや弱みへの理解を深め、次の案件の担当や配属に活かします。不足しているスキルが浮き彫りになれば、研修を提供したり、ベテラン担当者とチームで動いたりして配置すると良いでしょう。

また、本人が特定のスキルや営業プロセスに苦手意識を持たず、改善するよう意識づけるのもマネージャーの役割です。その結果、営業担当者のスキルや人間力が上がり、チームに貢献できるようになります。

進捗状況を見える化する

案件ごとの進捗状況を見える化し、営業管理しやすい環境を整備すれば、なぜ失注が起こったか分析しやすくなります。それぞれの営業プロセスの状況がデータとして記録されるので、原因を特定できるでしょう。

また、営業活動の可視化は属人化の防止にもつながります。属人化が起こると、特定の担当者しか知りえない情報やノウハウが発生してしまい、退職時にチームに引き継がれないという問題が生じます。重要な情報も流出すれば、次の担当者が適切に対応できず、受注前に失注してしまうかもしれません。

そこで普段から営業管理を行い情報を共有することで、失注につながる確率を低下させられるでしょう。

一定期間のデータを集める

失注分析から正しい結果を得るためには、最低でも3か月以上のデータをもとに分析することが大切です。テキストを使った定性的なものを用いるのではなく、数値を使った定量的なデータを集めましょう。そうすることで、信頼性の高い結果を得られます。

また、1か月ごと、四半期ごと、半期ごと、1年ごとなど、定期的に分析を実施し、グラフにまとめると傾向を掴められるでしょう。つまり失注分析は、一度きりで終わらせるのではなく、長期で実施するものだと認識する必要があります。

失注原因がわかったら改善する

失注原因の特定は、PDCAの一環としてとらえると効果的です。

PDCAとは 「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」 を表します。失注分析はこの中の 「Check(評価)」 に当たるため、次は 「Action(改善)」 のステップに移る必要があります。

PDCAサイクルを回転させることで、業務効率が良くなり受注率の向上にもつながるので、失注分析をPDCAサイクルの中に取り入れましょう。

失注後も顧客との関係性を続ける

失注に至ってしまった案件でも、また別の機会で顧客になる可能性があります。そのため、失注後も丁寧に対応し、必要に応じて連絡を取るなど、関係を持ち続けましょう。

また、上記でも解説したように、失注後はその理由をヒアリングすることも大切です。相手の状況を把握し、自社の改善につなげるために、関係性を切らないようにしましょう。

営業支援ツールを活用する

失注分析を的確に行うには、ツールの活用が欠かせません。SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)と呼ばれるツールには、営業活動を可視化して管理するだけでなく、成功パターンや失注原因を分析する機能も搭載されています。

効果的にツールを使うことで、自社の弱みを特定して失注を繰り返さない強い営業チームが構築できるので、導入を検討しましょう。

新規開拓営業で活用すべきツールとは?使い方や自動化についても解説

BtoBテレアポならsoraプロジェクトにご相談ください

テレアポの様子 (1)

失注分析は、現在の営業チームの弱みを知り改善するために必須です。失注の原因はコストや顧客都合だけでなく、自社内に潜んでいることが多くあるからです。

改善点を知り実行することで、組織力の向上につながるでしょう。

私たちsoraプロジェクトは、BtoB特化のテレアポ代行会社です。失注分析で「テレアポが弱い」「営業代行を検討すべきだ」といった課題が特定されるなら、ぜひ私たちにご相談ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。