インサイドセールスに向いてる人の4つの特徴とは?

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インサイドセールスにおいて最も中心的な役割を担うのが、顧客とやりとりを行う担当者です。しかし、「どのような人が向いているのか」「採用にあたってどのスキルを重視すればいいのか」といった疑問を抱いている方も多いかもしれません。

インサイドセールスに向いてる人の特徴をしっかりと押さえることで、適材適所の人事が可能になります。そこで今回は、インサイドセールスに向いてる人の特徴や、立ち上げ時のポイントなどをご説明します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、電話やメールなどのシステムを駆使して、オフィスの中から営業を行う形態のことを指します。訪問型営業である「フィールドセールス」と違い、顧客とのコミュニケーションをすべて、内勤型で済ませられるのが特徴です。

インサイドセールスはもともと、国土が広いため移動に時間がかかるアメリカで生まれました。しかし近年は、Web会議システムなどのオンラインコミュニケーションツールが普及してきたため、日本においても導入のハードルが下がっています。

具体的には、マーケティング活動などで獲得した見込み顧客へ、電話をかけたりメールを送ったりして継続的にアプローチをします。見込み顧客の検討度合いが高まってきた時点で、フィールドセールスへリストを引き渡すのです。

最近は、労働人口の減少によって、労働生産性の向上がますます叫ばれるようになっています。そのような課題を解決する方法として、効率よい営業活動を展開できる「インサイドセールス」を導入する企業が増えているのです。

インサイドセールスに向いてる人の特徴

インサイドセールスに向いている人は、どのようなスキルや特徴を持っているのでしょうか。4つのポイントに分けてご紹介いたします。

電話やメールでのコミュニケーションスキルが高い

インサイドセールスでは、電話やメールを駆使して顧客とコミュニケーションを行います。そのため、対面式のコミュニケーションとは違うスキルが求められてくるのです。

電話においては、「言葉を論理的に伝える能力」や「会話のテンポを合わせる能力」などが必要になってきます。顔の表情や身振り手振りなどのボディーランゲージが伝わらないので、その分、話の筋道を考えながら話すことが求められます。

メールでは、電話よりもさらに伝えられる情報が限られてくるのが特徴です。送信したメールが見逃されずに読まれるよう、「伝えたい言葉を簡潔に表現する力」や「サービスを魅力的に紹介する文章力」などが求められます。

対面式のコミュニケーションでは、ボディーランゲージによってある程度不足をカバーできますが、インサイドセールスではそうともいかないものです。言葉を論理的・体系的に伝えられる人が、インサイドセールスに向いていると言えるでしょう。

業務の遂行スピードが速い

インサイドセールスの業務では、「リストの作成」「顧客への電話」「メール送信」「活動履歴の入力」など、多岐に渡る業務をこなしていくのがポイントです。そのため、業務の遂行スピードが速い人ほど、より多くのアプローチが可能になります。

たとえばインサイドセールスの担当者は、その日ごとに電話をかけるリストを作成します。ニーズの度合いや接触頻度、提案内容などを考慮しながら作成することが求められるのです。

また、メールを送信する際は、相手が抱えている課題に合わせて有益な情報を提供する必要があります。1件のメール送信であっても、事前のリサーチや文章作成などに時間を要するのです。

インサイドセールスでは、顧客と直接接点をもつ以外にもさまざまな付随業務が発生します。それらを効率的に、そして質も重視しながらこなせる人がより多くの成果を生み出せるのです。

継続力がある

インサイドセールスは、主にリードナーチャリング(見込み顧客の育成)を中心に業務を行うため、受注などの分かりやすい成果が見えづらいものです。そのような環境でも、継続的に業務を遂行し続ける力が求められます。

リードナーチャリングでは、アポイントを獲得するのに多大な時間を要したり、ときにコンタクトが取れなくなってしまったりすることもあります。顧客の言動に一喜一憂せず、忍耐強く接し続けることが成功の秘訣です。

また、オフィスの中から一歩も動くことなく業務を行うため、気分転換の機会が限られてきます。既存のフィールドセールス担当者を配置転換する場合は、内勤営業がストレスにならないかどうかを確認することが重要でしょう。

インサイドセールスでは、フィールドセールスと違った忍耐力や継続力が求められます。地道に、コツコツと積み上げられる人がインサイドセールスに向いている人の特徴です。

物事を楽観的に捉えられる

インサイドセールスを行っていると、送信したメールが開封されなかったり、ときには見込み顧客からクレームの電話を受けたりすることもあります。物事を楽観的に捉えられる人を採用した方が、離職の可能性を低減できるでしょう。

インサイドセールスでは、失注済み顧客の掘り起こしをすることもあります。過去の失注理由を見て、「自分には難しい」「またすぐ断られそうだ」と感じてしまうと、なかなか業務が進まないものです。

インサイドセールスに限らず、物事をポジティブに捉えられる力は、営業全般で必要とされます。些細なことでクヨクヨせず、積極的に行動できる人材が向いていると言えるでしょう。

インサイドセールスの立ち上げで失敗しないポイント

ここでは、インサイドセールスの立ち上げを検討している方向けに、失敗しないためのポイントを4つに分けてご紹介いたします。

役割分担を明確にする

インサイドセールスを立ち上げる際はまず、マーケティング部門やフィールドセールス部門との役割分担を明確にすることが重要です。ひとえにインサイドセールスといっても、その定義は厳格ではありません。

たとえば、テレアポの業務は内勤型営業なのでインサイドセールスの一部と言えますが、マーケティング部門に任せたり、あるいは外注したりする可能性も考えられます。

会社によっては、リードの獲得から受注に至るまですべてをインサイドセールスが担う場合もあります。または、リードナーチャリングのみに特化して行う場合もあるかもしれません。

役割分担を明確にすることで、業務内容の重複やコンフリクトを防げるため、より効率的なチーム運営が可能になります。まずは、「インサイドセールスを立ち上げる目的は何か」を明確にしてから進めましょう。

トークスクリプトを用意する

インサイドセールスは、見込み顧客の情報をチーム全員で共有し、戦略的にアプローチできるのが特徴です。良質なトークスクリプトがあれば、チーム全員の能力向上を見込むことができます。

トークスクリプトを作成する際は、「BANT」を聞き出せるように、うまく質問を盛り込むことが重要です。BANTとは「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」の4つをとった頭文字のことで、すべてが出そろって商談を成功させられるのです。

また、顧客へ質問をする際は、できるだけオープンクエスチョンで行うようにしましょう。「はい」か「いいえ」でしか答えられないクローズドクエスチョンだと、ニーズを引き出せない可能性もあるからです。

トークスクリプトを用意することで、スキルやノウハウの属人化を防止し、未経験の人材を即戦力へと引き上げやすくなります。女性やシニアの人材を活用するという意味でも、有効なのではないでしょうか。

ツールの活用を検討する

インサイドセールスを立ち上げる際は、SFAやCRMなどのツール活用を積極的に検討しましょう。ツールに蓄積したデータを分析することで、問題点と対策方法を検討できるからです。

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムと呼ばれています。営業の進捗状況や顧客ニーズ、スケジュールなどをチーム全員で共有できるのがメリットです。

またCRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」や「顧客管理システム」と呼ばれます。顧客情報の管理や顧客解析、また問い合わせ管理などをスムーズに行えるのが強みです。

最近では、利用者が直観的に操作できるよう、使い勝手に優れたサービスが多く登場しています。そのようなシステムを導入することで、採用者へ操作を説明する手間を省き、現場へすぐ送り込むことができるのです。

もちろん、少人数のチームであったり予算に限りがあったりする場合は、システムの導入が適さないこともあります。対策方法としては、エクセルなどの表計算ソフトの活用が考えられます。

アウトソーシングの利用を検討する

「インサイドセールスの人材をイチから雇うのは大変だ」「スクリプトを用意する時間がない」といった場合は、インサイドセールスのアウトソーシングが有効です。

アウトソーシング先では、インサイドセールス専門の人材が見込み顧客の対応を行います。人材育成をしたりトークスクリプトを作成したりする必要がないため、導入後すぐに成果を期待できます。

ランニングコストが少々かかるのがデメリットである一方、導入前の準備コストや教育コストを削減できるのがメリットです。インサイドセールスの立ち上げが初めての方は、アウトソーシングの活用も検討しましょう。

インサイドセールスに向いてる人の特徴を理解しよう

今回は、インサイドセールスに向いている人の特徴をはじめ、立ち上げ時に失敗しないポイントについてご紹介しました。新たに人材を雇う際は、ただ単に「営業が得意」という理由だけでなく、インサイドセールスにマッチした人材を選別することが重要です。

インサイドセールスを立ち上げる際は、人材の採用をはじめ、役割の明確化やトークスクリプト作成など、準備に多くの時間を要します。日々の業務で多忙を極めているような場合は、アウトソーシングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。