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社内で日々テレアポを行っていると、「自社のテレアポ成功確率は低い」あるいは「平均くらいだ」と感じる方も多いかもしれません。平均的な成功確率を知ることで、改善が必要なのかどうかが見えてきます。
この記事では、テレアポにおける平均的な成功確率や、具体的に改善していくための方法をご紹介いたします。
テレアポの成功確率はどれくらいなのか
テレアポの成功率は、一般的に0.1~10%未満だと言われています。業態や担当者の習熟度によって数値がさまざまなので、一概に何%だとは言えません。
以下で、業態別や習熟度別のおおまかな成功率をご紹介します。
BtoB(接点なし) | 0.1~1% |
BtoB(接点あり) | 5~10% |
BtoC | 1~2% |
初心者 | 0.1~0.5% |
中級者 | 0.5~2% |
上級者 | 2~10% |
業態別で見ると、BtoBの直接架電を行う場合で0.1~1%、セミナーや問い合わせなどの接点がある企業へのアプローチでは5~10%程度の企業が多いようです。BtoBの場合は、決裁権を持っていない担当者につながることが多いため、前段階で断られるケースがほとんどです。
一方、BtoCでは1%~とやや高く、対象者へ電話が直接つながりやすいことが要因の1つだと考えられます。
また、テレアポの経験年数や習熟度によっても、数値が大きく分かれます。初心者だと成功体験が少なく不慣れな点も多いため、一般的に0.5%程度の実績を残せば上々でしょう。
中級者であれば、ある程度の受け答えにも慣れてきているので、初心者の2~4倍程度の実績を上げる方も多いようです。上級者は2%、多くて10%の成功確率でアポイントを獲得する方もいらっしゃいます。
テレアポの成功確率がなかなか上がらない理由
自社のテレアポでより多くの成果を出したいと思っているのに、成功確率がなかなか改善しないのはなぜでしょうか。それは、そもそもテレアポを歓迎する方が1人もいないからです。
初めて電話を受け取る方にとっては、面識のない人から商品を購入したいとは思わないでしょう。また、電話がかかってくるときは仕事や作業などで忙しい人が多く、商品に関心を持とうとする方はごくまれです。
なかには、ニーズとピッタリ合っていて前向きに検討する方もいらっしゃいますが、その割合は一定数にとどまります。そのため、言い回しを変更したり、声のトーンを変えたりしてみても、成功確率の飛躍的な改善は見込めないのです。
テレアポの成功確率は、ある程度の範囲に収まることを受け入れながら、地道な改善を図っていくことが大切です。
テレアポの成功確率を上げる方法
ここでは、どのようにすればテレアポの成功確率を上げられるのかについて、4つのポイントでご紹介しています。
トークスクリプトの見直しをする
テレアポの成功確率を高めるためには、トークスクリプトの見直しが欠かせません。トーク内容で相手に不快な思いをさせてしまっていると、担当者全員が同じポイントでつまずいてしまうからです。
たとえば、自社商品の機能ばかり説明していても、相手は購入したいとは思いません。商品の機能よりも、どのような課題を解決できるのかといった点を重視しているからです。
トークスクリプトの見直しを行うには、ロールプレイングを行うのがおすすめです。具体的には、コール役と顧客役に分かれて、実践形式で内容を確かめていきます。
ロールプレイングなどでトーク内容を少しずつ改善していくだけで、相手の反応がガラッと変わることもあります。実際のコール担当者の意見なども取り入れながら、継続的に見直すことが重要です。
架電前にアプローチをする
テレアポでは、初めての接触で声のみのコミュニケーションを行うため、アポイントにつなげるのが非常に大変です。そこで、リスト顧客へ事前にアプローチしておくことで、信頼関係を構築しやすくなります。
たとえば、メールや資料送付を使ったアプローチ方法が考えられます。具体的には、企業のホームページなどから入手しておいたメールアドレスや住所宛に、顧客にとって役立つ情報を提供するのです。
相手と一度接点を持ったという事実を作り出すことで、テレアポ時に同じ視点で会話を行えるのです。ほかにも、セミナーやイベントを開催する方法などが挙げられます。
ただやみくもに電話アプローチをするよりも、事前に接点を作っておいた方が、よりよい結果を生み出すこともあるのです。
架電の時間帯を変更する
テレアポの成功確率がなかなか上がらない理由の1つに、架電の時間帯がずれていることが考えられます。対象者がいない時間帯に電話をかけても、つながる可能性が非常に低いからです。
たとえば飲食店だと、お昼や夜は顧客の来店が多く、なかなか電話につながりません。顧客が少ない14時から、仕込みの始まる16時くらいまでが、ゴールデンタイムだとも言われています。
また、営業時間が9~18時などの一般的な企業においては、午前中を狙って電話をかけるのがポイントです。多くの会社では朝礼があり、その直後は社員が社内にいることが多いからです。
自社の架電時間帯が対象者の不在時間と重なっていると感じたときは、迷わず見直しを行いましょう。
訪問の目的を変更する
テレアポの成功確率を上げるテクニックとして、訪問の目的を変更するやり方が挙げられます。しかし、行う場合は受注へ結びつくのかをしっかりと検討しなければなりません。
具体的には、「インタビュー依頼」や「新製品の無料お試し」などを理由としてアポイントへ結びつけるのです。相手にとってメリットになるような条件を提示することで、アポイントの獲得率が高まります。
アポイントの目的を変更する際は、訪問後にどのような流れで受注へつなげるのかを明確にしましょう。高いアポイント率の割に受注件数が少ないと、営業担当者にとって時間の浪費になってしまうからです。
テレアポの成功確率を高めるトークのコツ
ここでは、テレアポの成功確率を高めるために必要な、トークテクニックを4つご紹介いたします。
伝える情報量をコントロールする
担当者が商品やサービスについて説明する際は、あまり一生懸命に話し過ぎないことを意識しましょう。なぜなら、伝えれば伝えるほど相手に判断材料を与えてしまうからです。
とくに初心者の方は、電話口での間を恐れるあまりに、とにかく商品の強みや特徴を話してしまいがちです。そうなると、相手は売り込まれているように感じて身構えてしまいます。
商品やサービスを使って顧客の課題をどのように解決できるのか、といった部分を中心に話すことで興味が湧き、さらに詳しく知りたいと思うようになります。相手の興味の度合いを適切にコントロールすることが、テレアポの担当者には求められるのです。
要るか要らないかといった判断は、できるだけ訪問後に行わせるようにしましょう。逆に、伝える情報が少なすぎると、顧客に興味を持たれなくなってしまうので注意が必要です。
相手目線で説明する
テレアポをする際に相手がこちらのことを知らない状況だと、通常は関心のない時点で会話がスタートします。そのときは、まず相手を主語にして説明していくことが大切です。
たとえば、「自社で新機能を追加したのでぜひお伺いして説明したい」と言っても、「では、ホームページなどで調べてみます」といった反応で終わってしまいます。関心のない状態から話を聞いてもらうには、相手に自分事として捉えてもらうことがポイントです。
相手目線で話をするには、「御社」などの主語を使い、「弊社」や「当社」といった言葉はできるだけ避けましょう。話をする際に、相手の立場をイメージしながら話すのもよいトークの秘訣です。
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける
テレアポでは、電話だけで相手の決断を促さなければならないため、できるだけ断られないように誘導していくことが重要です。その際は、クローズドクエスチョンを中心に話を展開していきます。
クローズドクエスチョンとは、「はい」か「いいえ」だけで答えられるような質問のことで、ほかの選択肢を選ばせないための重要なテクニックです。
たとえば、アポイントの都合をつけたいときに、「今週の火曜日と水曜日のどちらがご都合よろしいですか」といった言葉を使うことで、選択肢をどちらかに絞らせるのです。
逆に、相手が自社の課題などを話し始めたときは、オープンクエスチョンが中心になります。「どうお考えですか」「どんな課題をお抱えですか」といったようなフレーズを用いることで、心を開いてもらいやすくなります。
テレアポにおいては、クローズドクエスチョンを基本として活用しつつ、相手の反応に合わせてオープンクエスチョンも適時使用しましょう。
導入事例を伝える
競争環境が激しい昨今では、企業は他社の動向に対して非常に敏感です。冒頭部分あるいはクロージング部分で、商品やサービスの導入事例を伝えることで、より顧客の関心を高めることができます。
とくに、自社サービスを導入した企業が、電話先のライバル会社である場合は、相手の興味を引きやすいです。加えて、サービス導入後の売上効果やコスト削減効果などを説明すると、より効果的に伝えられます。
具体的には、「実は、御社と同じ業界の〇〇社でも弊社サービスを利用していだだいておりまして、導入後に売上が2倍になった事例もございます」といった具合です。
導入事例を伝えるには、日頃からのデータ蓄積やリスト企業の調査などが欠かせません。しっかりと事前準備をしておくことで、より質の高いトークが可能になるのです。
テレアポの方法を見直して成功確率をアップさせよう
テレアポは基本的に断られることが前提なので、成功確率を飛躍的に高めることはあまり期待できないかもしれません。しかし、アプローチの仕方を変えたり、トークの内容を見直したりする地道な作業の繰り返しで、数%の向上を見込むことは可能です。
日々の業務で忙殺されている担当者の方や、どうしても改善効果が見込めないような場合は、テレアポ代行サービスを利用するのも1つの手です。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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