リードクオリフィケーションとは?意味・手法・事例まで徹底解説|インサイドセールス活用法も

リードクオリフィケーションとは?

目次

この記事を読むのに要する時間:約 3

リードクオリフィケーションとは、獲得した見込み客の中から、自社の商品やサービスに関心の高いリードを絞り込むことです。

見込み客を選別するリードクオリフィケーションをマーケティング活動に取り入れると、営業活動の生産性が高まります。

本記事では、リードクオリフィケーションを実施するメリット、重要性が高まる背景、マーケティングプロセス、具体的な実施方法について解説します。

効果を高めるコツも解説しているので、ぜひ今後のマーケティング活動にお役立てください。

なお、株式会社soraプロジェクトでは「SFAの運用が成功した時にやった4つのこと」をまとめた資料を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。

リードクオリフィケーションとは見込み顧客を絞り込むこと

リードクオリフィケーションの実施により受注確度の高い見込み客を選別でき、優先順位をつけながら営業アプローチをかけられるようになります。

具体的には、資料ダウンロードで獲得したリードの連絡先にメルマガを定期的に送信し、ウェビナー参加を促します。ウェビナー後、アンケート調査を実施して自社商品やサービスへの関心度を確認すれば、リードの選別が可能です。

選別されたリード情報のみを、マーケティング部門から営業部門へ引き渡すことで、営業担当者は契約につながりやすい見込み客に対し営業活動を行えます。

リードクオリフィケーションの重要性が高まる背景

現代の情報化社会において、リードクオリフィケーションの重要性は高まりつつあります。

その理由として、ユーザーがネット検索で情報を収集するようになった点が挙げられます。ユーザーはさまざまな情報を目にするため、商品を認知して購買するまで時間がかかるようになったのです。

その結果、購買プロセスが複雑化し、商品に興味を持ち始めてから購入に至るまでの時間が長期化するようになりました。

そこで必要となるのが、どのユーザーがすぐ購入に結びつきそうか判別するリードクオリフィケーションです。選別したリードに絞ってアプローチすることで、企業は営業活動の効率化や生産性向上が期待できます

リードクオリフィケーションまでのマーケティングプロセス

マーケティングプロセスには、大きく分けて以下の3種類があります。

  • リードジェネレーション
  • リードナーチャリング
  • リードクオリフィケーション

一連の流れは「デマンドジェネレーション(営業案件の創出)」とも呼ばれ、リードクオリフィケーションは最終プロセスという位置づけです。

ここでは、3種類のプロセスをそれぞれ解説します。

リードジェネレーション:見込み顧客の創出

リードジェネレーションとは、見込み客を創出するプロセスです。自社の商品やサービスに興味を持ったリード情報を獲得するフェーズといえます。

リードジェネレーションの方法は、以下の通りです。

  • オウンドメディア
  • ホワイトペーパー
  • メルマガ
  • 広告配信
  • 展示会
  • ダイレクトメール

リードナーチャリング:見込み顧客の育成

リードナーチャリングとは、見込み客を育成するプロセスです。リードジェネレーションで創出した見込み客に対し、自社の商品やサービスについて情報を発信し、興味や関心を醸成します。

リードナーチャリングの方法は、以下の通りです。

  • メルマガ
  • SNS
  • ウェビナー
  • インサイドセールス
  • オウンドメディア

リードクオリフィケーション:見込み顧客の選別

そして最後にリードクオリフィケーションです。リードナーチャリングで関心度が高まった見込み客に対し、営業部門へ引き渡す見込み客を絞り込みます。

リードクオリフィケーションの具体的な方法は、以下の通りです。具体的な内容は、下記で解説します。

  • スコアリング
  • セグメンテーション
  • カスタマージャーニーマップ
  • シナリオ

リードクオリフィケーションを実施するメリット・デメリット

リードクオリフィケーションを実施するメリットとデメリットを、2点ずつお伝えします。

メリット:営業チームの生産性が向上する

リードクオリフィケーションの最大の特徴として、今すぐにアプローチすべきホットリードを把握できるという点があります。

ホットリードは購入意欲が高まっている状態です。商談に持ちこめば受注できる確率が高く、生産性向上が期待できるでしょう。

逆に、コールドリードと呼ばれる受注確度の低いリードに営業アプローチをしても、営業チームを疲労させるだけになってしまいます。

したがって、アプローチの優先順位がわかるリードクオリフィケーションは、リソースを有効活用でき営業チームに恩恵をもたらすでしょう。

メリット:マーケティングチームと連携しやすくなる

リードクオリフィケーションを実施すると、営業チームとマーケティングチームとの連携がスムーズになるというメリットもあります。

従来、営業チームはマーケティングチームに対し、「マーケティングで創出したリードにアプローチしても、成果が上がらない」という不満を抱えがちでした。

そこでリードクオリフィケーションを行うと、受注確度の高い見込み客に絞り込まれるため、かつての不満を抑えられるようになります。

部門間で協力体制を築けて、組織として生産性向上を目指しやすくなるでしょう。

デメリット:時間とコストの負担がかかる

リードの詳細な調査・分析・評価には相当な時間と人的リソースが必要となります。
特にBtoB営業では1件あたりの調査時間が長くなりがちで、営業効率の低下や人件費増加につながる可能性があります。
適切なツール導入コストも考慮する必要があります。

デメリット:機会損失のリスク

厳格な選別基準により、将来有望な見込み客を早期に除外してしまう可能性があります。
購入検討期間が長い商材や、現在は条件に合わなくても将来的にニーズが高まる企業を見逃すリスクがあり、長期的な売上機会を失う恐れがあります。

資料「マーケティング支援サービス資料」を無料ダウンロード

リードクオリフィケーションを実施する方法

リードクオリフィケーションの具体的な方法を解説します。

スコアリング

リードクオリフィケーションで主に用いられるのが、スコアリングです。

スコアリングでは見込み客の属性や行動にスコアをつけます。基準スコアに達した見込み客情報をリスト化し、営業部門に渡します。

リードナーチャリングで育成した見込み客に対し、スコアリングすることでアプローチすべき順番を判別できるのが特徴です。営業担当者はスコアの高いリードから商談を進められ、受注できる確率が上がるでしょう。

具体的には、「決裁者となり得る役職者なら5点」「資料ダウンロードをしたら10点」など、属性や行動ごとにスコアを決定します。

追加されたスコアは、MA(マーケティングオートメーション)ツールで管理すると、効率的にリードクオリフィケーションが行えるでしょう。

セグメンテーション

スコアリングを実施するには、見込み客のセグメンテーションを実施する必要があります。

セグメンテーションとは、社内で決めた基準で顧客をグループ化することを意味するマーケティング用語です。たとえば、リードの企業規模、業種、役職、関心事項といったセグメントごとに分類します。

分類ごとに見込み客を振り分けることで、スコアリングを行います。

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが自社商品やサービスを認知し、購入に至るまでのプロセスを図式化したものです。

あらかじめカスタマージャーニーマップを準備しておくと、リードの段階を把握しやすくなります。段階ごとにリードの考え、行動、興味、感情などが把握できます。

課題やニーズをチームメンバーや部門間で共有でき、リード選別がやりやすくなるでしょう。

シナリオ設計

シナリオ設計では、リードが購入するまでの道順を構築します。特にリード育成のプロセスで用いられますが、リードクオリフィケーションでは、スコアリングのシナリオ設計で活用可能です。

スコアリングにおけるシナリオとは、「リードのどの行動が何点のスコアにつながるか」を設計したものです。

ターゲットの行動を詳細に設計し、行動ごとにスコアを割り振っておくことで、本当にアプローチすべき見込み客を抽出できるでしょう。

リードの状況を把握

リードの行動や状況を把握することも、リードクオリフィケーションに役立ちます。

MAツールのログ分析を用いて、「どのリードがどのウェブページのどのコンテンツを閲覧したか」「メールを開封しリンクにアクセスしたか」など、アクションを解析します。

見込み客がどのようなコンテンツに反応しているか理解でき、今後のコミュニケーションに活かせるでしょう。

リードクオリフィケーションで使われる評価フレームワークの比較

リード選別のための基準は、明確に整理されている必要があり、一から評価基準を考えるのは大変です。

ここでは、評価基準の整理に使われる代表的なフレームワークを3つ紹介します。

フレームワークBANTMEDDICCHAMP
整理基準予算
権限
必要性
時期
測定指標
決裁権限者
意思決定基準
意思決定プロセス
課題
社内推進者
課題
権限
予算
優先順位
目的成約可否の4条件を素早く確認大型案件を多角的に精査し、失注リスクを低減課題フィットと緊急度を先に測る
※解決不可能なら早期離脱
検討項目数による作業負荷小(4 点)大(6 点+要詳細掘り下げ)中(4 点+ある程度の課題深掘り)

BANTフレームワークの活用方法

BANTフレームワークは、 4 指標がシンプルで質問も定型化しやすく、様々なMAツールのスコアルールや分析データにそのまま落とし込みやすいフレームワークです。

「BANTをすべて満たすか、3 つ以上+高Need」といった明確なMQL基準に線引しやすく、運用も明確なため、速度重視の案件に向いています。

MEDDICフレームワークの活用方法

MEDDICフレームワークは、 6 指標が購買プロセス全体を網羅していることが特徴です。

「Metrics:設定済 + Economic Buyer:特定済」のように重み付けをした独自のMQL基準を設定可能で、決済フローや失注リスクがわかりにくい案件でも整理基準に落とし込むことができます。
ただし検討する項目数が多く、洗い出しや調査にも多くの工数が求められるため、単価が高く、決裁フローが複雑な案件に対して時間をかけて整理するシーンで有効です。

CHAMPフレームワークの活用方法

CHAMPは、課題(Challenges)を整理の主軸に据え、課題解決の緊急度と権限・予算を併せて評価するフレームワークです。

最優先事項が明確で扱いやすいため、よくある課題起点のMQL整理に幅広く適しています。

また、MAを使ってフィットしない業界やターゲットを早めに除外したいケースや、課題優先度を重視して、将来のリード育成を視野に商談展開したいケースにも適しています。

MAツール・CRMを活用したリードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションには、データ分析による結果分析が欠かせません。
よく使われるMAやCRM連携の重要性について紹介します。

主要MAツールの機能比較

ツールベンダー価格や無料プラン強みCRM連携
BowNowクラウドサーカス無料〜直感操作と国産サポートで初導入向きCSV/API連携でSalesforce等に対応 
Account Engagementセールスフォース・ジャパン
要問い合わせ
世界でトップシェアを誇るSalesforceの純正MAツールCRM「Salesforce」のMAツール
HubSpot Marketing HubHubSpot 無料〜MA・CRM・CMSが一体で拡張性◎自社CRMが標準装備 
Adobe Marketo EngageAdobe価格非公開ABMまで網羅する多機能Salesforce標準コネクタあり

低コストで“まず始める”なら BowNowが人気です。
無料プランも有り、1.4万社と導入実績も豊富、機能はシンプルですが逆に言えば導入しやすいメリットとも言えます。

ある程度MAに慣れてきたあとは、営業情報を一元化したい中小企業は HubSpot、複雑な商談プロセスを持つエンタープライズはAdobe MarketoやSalesforceでの一元管理が定番です。

CRM連携のメリットと設定方法

MA(マーケティング自動化ツール)をCRM(顧客情報管理ツール)に連携させるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • リード〜商談データがシームレスに同期し、取りこぼし防止
  • マーケと営業間の連携による、フォローの重複を削減
  • 施策ごとの売上貢献度を一元管理で可視化

そもそもマーケティングと顧客の情報はセットになって初めて営業戦略に活かすことができます。
そのため、MAを取り入れる場合は、自社のCRMとの連携性を確認すべきです。

MAとCRMの連携する際には、以下の3ステップで設定を行います。

  1. オブジェクト/フィールド対応表を作成
    1. MA側のスコア⇔CRM側のリードを対応させる等
  2. APIキーorネイティブコネクタで接続し、更新トリガーを設定
    1. 更新トリガーは「MQL化時」などが定番。ネイティブ連携ができるツールならば、簡単に設定可能です。
  3. 双方向テスト
    1. タスク自動生成やアラートなど部署間の通知ルールを決め、テストを行う

ツール選定時のチェックポイント

CRMとの連携を考える際のMAツール選定ポイントをいくつか紹介します。
是非参考にしてみてください。

  • 自社課題にマッチしたツール機能があるか
    • 自動化したい業務を具体化し、必須機能を洗い出しておきましょう。
  • 無料トライアルで操作性と日本語サポートを実機確認
  • 口コミや導入社数などからベンダーの安定性と実績を比較

リードクオリフィケーションとインサイドセールスの連携方法

リードクオリフィケーションを行う際は、インサイドセールス部門との連携についても意識しなくてはいけません。

リードの引き渡しなど気をつけるべきポイントを紹介します。

インサイドセールスでのリード引き渡し方法

インサイドセールスでのリード引き渡しは、基本的にはMAからのアラートを起点にするのが基本です。

  1. 事前に決めたMQL基準を満たした時点で、MAツールが自動通知を送ります。
  2. 通知された情報の引き渡しを行います。
    • タイミングは部署間の連携ルールによって大きく異なりますが、以下の3パターンで引き渡すと抜け漏れを防ぎやすいです。
      • スコア閾値到達
      • 特定コンテンツ閲覧直後
      • 展示会後
  3. パスされたインサイドセールス側は、まずMQLに対してメール・電話で温度感を確認し、SQL基準に達していると判断した時点で商談担当へ送客します。

部門間の役割分担と連携フロー

役割に関しては業種や社内風土によって大きく変わりますが、マーケ、SQL、商談の3段階での分担が基本です。

部門役割
マーケティングリード獲得〜MQL選別まで
インサイドセールスMQLの温度確認〜SQL化、商談へパス
フィールドセールス商談~受注以降

ツールの連携フローはMA→CRM→CTIで一元管理でき、リードの行動履歴・通話ログをリアルタイム共有することで、顧客の情報を認識ずれなく引き継ぐことができます。

連携効率化のためのSLA設定

SLA(Service Level Agreement)は、部門間で業務の対応基準や目標水準を明文化する取り決めのことです。

例えば、以下のように定めておくことで、各部門の責任範囲が明確になり、対応遅延や連携の齟齬を防ぐことができます。

  • MQL受領後の初回接触は、24時間以内
  • SQL可否を判断は、7日以内
  • 失注したリードは翌営業日までに理由をCRMに入力

リードクオリフィケーションの効果を高めるコツ

最後に、リードクオリフィケーションを効果的に実施するためのコツを2点解説します。

目標を設定する

マーケティング部門と営業部門で共通した目標を設定しましょう。共通目標があれば、チーム間で協力できるだけでなく、各部門でどのようなアクションを取ればいいか決めやすくなります。

具体的には、「売上を前年比で〇%アップ」「受注数を〇件」といった数字を設定します。

目標達成までに必要な売上や件数がわかれば中間目標となるKPIも設定でき、リードクオリフィケーションで何件のリストを抽出すればいいか把握できるでしょう。

PDCAサイクを回し改善する

リードクオリフィケーションに必要なスコアリングを設定し、必要に応じて改善することが重要です。

初めてスコアリングを利用する場合や成果が上がらない場合、外部環境やニーズの変化などが生じた場合は、改善を重ねる必要があるでしょう。

たとえば、「資料ダウンロードしたユーザーに高いスコアを付与していたが、実際は購買意欲が低かった」ということもあります。その際は、低めのスコアに設定し直します。

定期的にシナリオやスコアリングを再評価し、PDCAサイクルを回すと最適化できるようになります。

失注原因が知りたい!

リードクオリフィケーションにおけるKPI設定と効果測定の具体的な方法

リードクオリフィケーションは、継続的な改善を前提とした取り組みです。

ここでは、具体的なKPI設定や効果測定について紹介します。

重要KPIと計算式

リードクオリフィケーションは、リード獲得とリード育成を経た最後の工程です。
そのため、KPIは「リードをどれだけMQLに育てたか」という全体の総括KPIと、「MQLに対する受注率」のような選別フェーズの質を確認する個別KPIが並列に存在しています。
そのため、全体と個別、量と質の両方を把握するように意識しましょう。

代表的なKPIとその計算式例を紹介します。

KPI評価項目計算式(例)
MQL転換率獲得リードがどれだけMQLの質に育ったかMQL数 ÷ 獲得リード数
MQL創出数インサイドセールスの供給量をどれだけ確保できたか期間内MQL数
商談化率(SQL率)MQLの選別精度SQL数 ÷ MQL数
受注率営業全体の最終成果受注数 ÷ SQL数

効果測定の方法とレポート作成

KPIを決めたら、月次で効果測定を行いレポートを作成し次のMQL改善に取り組みます。
まずは、データ分析ツールを使って、データの可視化から始めます。

  1. MA/CRM/BIで可視化し、投資対効果を確認
    1. KPIを用いてデータ分析(ファネル分析含む)を行い、ダッシュボードへ可視化し、異常値を検知
    2. 例えば、リードの行動パターンを把握するにはコホート分析などのツールを利用し、獲得チャネル別にMQLから受注まで追跡することで、投資に対する効果を算出します。
  2. MQLの振り返り
    1. 可視化、分析した各データから失注した案件の理由を分類し、スコアリング基準やナーチャリングの改善点を特定
  3. 定例報告書
    1. 振り返りでまとめたレポートを、営業・マーケティング共有のフォーマットで作成し、蓄積します。
    2. 「具体的な数値→今後の課題→次のアクション」を1枚にまとめ、簡潔なフォーマットを意識しましょう。

定期レビューと改善サイクル

KPIの効果測定と、レポートの蓄積体制が整ったあとは、定期的にレビューを行い改善サイクルを回しましょう。

頻度はKPIの重さや見直し作業の規模に合わせて行います。

  • 月次:KPI達成度と失注案件をレビューし、スコアリングを調整
  • 四半期:リードのROIを見直し。
  • 年次:ICPやMQL定義を見直し、営業戦略自体を再設計。部門目標を一旦リセットして現状の経営戦略とすり合わせる。

といったように、短期的な数値にとらわれず、仮説をおいて長期的にレビューすることで、改善の形骸化が防げます。

リードクオリフィケーションにおける業界別・企業規模別のアプローチ戦略

クロージングを成功させる営業パーソンと失敗する営業パーソンの違い

業界や会社規模ごとに購買プロセスや意思決定の傾向が大きく異なるため、独自のアプローチ方法や特徴を持ちます。
そのため、リードのスコアリング基準やナーチャリングのシナリオは、業界の特性に合わせて設計すべきです。

業界別の特徴とアプローチ手法

例えば製造業ならば導入効果を、IT系(特にWeb系)の業種なら機能優位性をアプローチするほうが効率的です。

代表的な業種のアプローチ方法の違いについて整理しました。

業界特徴アプローチ要因スコアリングで重視されやすい属性アプローチ手法
製造業複部署・長期検討導入効果・安全性セミナー参加技術資料のDL現場からの反響ウェビナー、ホワイトペーパー
IT / SaaS短期比較・トライアル重視機能優位・価格無料トライアル申込APIドキュメント閲覧具体的な問い合わせデモ動画、製品比較ガイド
金融高コンプライアンス信頼性・リスクヘッジレポート閲覧ケーススタディの問い合わせケースセミナー、1on1相談

企業規模別の運用方法の違い

企業の規模によっても、リードクオリフィケーションの運用方法には違いがあります。

大企業の場合は、意思決定までに時間がかかり、関与者も多くなりがちです。そのため、「決裁権限者の有無」や「社内の旗振り役の存在」など、複雑な意思決定構造を意識したスコアリングが効果的です。

中堅企業では、ある程度スピード感はありつつも、導入に向けて一定の検討プロセスを踏むケースが多いため、「導入時期」や「予算確保状況」なども評価軸に加えると的確にMQLを絞り込めます。

スタートアップや小規模事業者では、決裁者と即コンタクトが取れるケースも多く、スピード勝負の傾向があり、素早く営業アクションにつなげる運用指標が求められます。

商材特性による調整ポイント 

商材の価格帯や契約形態によっても、評価軸の設計は変わってきます。
高額なBtoBであれば、「導入による経済的効果」や「解決すべき課題の深刻度」など、説得力ある数値・根拠が必要です。

一方、比較的低価格・短期導入型の商材では、「資料ダウンロード」や「無料トライアル申込」など相手の意欲が重視されることが多く、具体的な行動に重きを置いたスコア設計が用いられます。

SaaSなどの継続課金型サービスならば、長期的な利用継続を前提とした顧客との関係性構築(リードナーチャリング)がより重視され、更新率や利用傾向などLTVを意識したスコアリングが重要となります。

リードクオリフィケーションの成功事例と課題解決

カスタマーサクセスにおけるアップセル・クロスセルの役割

リードクオリフィケーションは明確な条件設定と、継続的な組織体制が必須の取り組みです。

ここでは、代表的な成功事例とよくある失敗例を紹介します。

リードクオリフィケーション導入の成功事例

NECで製造業向けBI 拡販にMAを導入した事例が成功を収めています。
この事例では「メール閲覧3回以上かつ資料DL済」をMQLの基準として定義。
テレアポ対象を全リードの35 %から12 %に絞り込みつつ、商談化率は従来施策比で約2倍に伸長したと発表しています。

参考記事:ITmedia

一方、展示会で集めた名刺を”棚の中”に眠らせていた株式会社シンフィールドは、週1回のナーチャリングメールを実施。
URLクリック者のみをMQLの基準として営業に橋渡しを行い、結果アポイント率10〜15 %、成約率20 %(従来比3倍)にまで伸ばしました。

参考記事:メルラボ導入事例

両社に共通する成功要因は「行動指標で具体的なMQL閾値を設定し、営業リソースを高確度リードへ集中」させたことです。
また、KPIを商談化率やアポ率に一本化し、マーケと営業が日次でリードを再評価するPDCA体制を確立したことで、継続的な運用改善が実現できています。

導入時によくある課題と解決方法

課題1:スコアリング精度の低さ

事前に行うスコア設計や基準の洗い出しが甘いと、訪問数が多いだけの単なる”冷やかし”など、実際の商談確度と乖離するリードが高スコアとなるケースがよくあります。
そのため、マーケ部と営業部が一丸となって定期的な見直しによるスコア調整を行うことが重要です。

課題2:部門間連携のすれ違い

マーケティング担当が選別したMQLに対し、営業が「質が低い」と感じるケースも多いです。
スコア調整だけでなくMQLの定義も営業と共に設計することですれ違いを防ぐことが出来ます。

”メール閲覧3回以上かつ資料DL済”など、アポ率や成約率を更に具体化したKPIを設定・共有し、定期的な振り返りを行う運用体制を構築しましょう。

課題3:運用継続の困難さ

運用負荷の高さを見積もりきれず、人員や予算が割けずにPDCAが欠如し、結局形骸化してしまう会社自体の事前準備不足も、よくあるリードクオリフィケーションの典型的失敗事例です。

人的コストを意識し、スコア付与・リード抽出の自動化を進めつつ、まずは少数の重要指標に絞ったPDCA体制を作るなど、継続しやすい運用基盤を整えましょう。

リードクオリフィケーションに関するよくある質問

リードクオリフィケーションに関するよくある質問を3つ紹介します。

是非参考にしてみてください。

クオリフィケーションとはどういう意味ですか?

クオリフィケーション(Qualification)とは、もともと”能力適性”や”資格・適格性”を示す英単語です。
マーケティングでは、主に「その見込み客が、果たして今回の営業対象として適性かどうか」を判断する基準を指します。

ですので、おおよそ「顧客の選別や絞り込み」という文脈を指す意味だとイメージしておけば、様々なシーンに対応できます。

リードとMQLの違いは何ですか?

一般的には、リードは”見込み客”そのものを指し、MQL(Marketing Qualified Lead)は、リードの中でも”マーケティング部門が営業に引渡し可能”と判断した良質なリードを指します。

数あるリードの中から、クオリフィケーションで絞り込んだ特に期待値の高い見込み客たち。
それがMQLです。

クオリフィケーションはどのくらいの期間で効果が出ますか?

リードクオリフィケーション(リードの選別)は、長い期間をかけて継続的に効果を改善していく取り組みです。
一般的には、3ヶ月から半年で効果を実感できることが多いとされていますが、業界や企業規模によっては数年単位で少しずつ改善していくこともよくあります。

短期的な効果だけに振り回されず、敵的な効果測定と見直しが行える組織体制を準備し、継続的に改善を行いましょう。

BtoBマーケティングはsoraプロジェクトにお任せください

リードクオリフィケーションは、マーケティングプロセスにおいて重要です。受注確度の高い見込み客を抽出し、優先度をつけ営業アプローチができるようになるからです。

認知から購入まで時間がかかりやすいBtoBマーケティングにおいて、購買意欲のあるリード獲得や育成、選別は欠かせない業務だといえるでしょう。

私たちsoraプロジェクトでは、BtoBマーケティングやテレアポサービスを通じて、質の高いリード獲得しています。営業チームが契約に進みやすいリード情報をお渡しするので、リード獲得にお困りならsoraプロジェクトにご相談ください。

資料「マーケティング支援サービス資料」を無料ダウンロード

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。