目次
- 1 そもそもカスタマーサクセスとは?
- 2 CRMとカスタマーサクセスの関係性
- 3 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)が注目されている理由とは?
- 4 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)の役割とは?
- 5 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)の業務内容
- 6 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)に必要なスキル
- 7 カスタマーサクセスマネジメントとカスタマーサクセスマネージャーの違い
- 8 カスタマーサクセスマネージャーの年収相場
- 9 カスタマーサクセスマネージャーの転職・求人市場
- 10 カスタマーサクセスマネージャーの資格・認定制度
- 11 カスタマーサクセスマネージャーのキャリアパス
- 12 カスタマーサクセスマネージャーの成功事例
- 13 カスタマーサクセスの未来展望
- 14 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)に求められる役割と必要なスキルを把握しましょう

企業が安定して収益を上げるために欠かせない概念が、「カスタマーサクセス」です。
カスタマーサクセスは直訳すると「顧客の成功」のことであり、その名のとおり顧客の成功に向けて動く部門といえます。
それでは、カスタマーサクセス部門の責任者である「カスタマーサクセスマネージャー(CSM)」はどのような役割を担い、具体的にどのような業務を行うのでしょうか。
本記事では、カスタマーサクセスマネージャーの役割や業務内容、必要スキルについてご紹介いたします。
参考記事:カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや営業との関係
そもそもカスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスマネージャーについて知る前に、そもそもカスタマーサクセスとは何かについて理解しておきましょう。
カスタマーサクセスとは、ビジネス上のお客様の成功に向けて、自社商品・サービスの活用を促進するものです。
カスタマーサクセスはおもに、「SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」モデルを展開する企業で重視されています。
SaaSは、「ソフトウェアのシェアリングエコノミー」ともいえるサービスで、インターネットを介してソフトウェアを利用するサービスです。
SaaSは、月額課金制のいわゆるサブスクリプション型の料金形態を採用していることが多いため、ユーザーが継続してSaaSを利用することこそが企業の収益に大きく影響します。
そこで、SaaSを通じて顧客が成功し、継続的に利用すること(カスタマーサクセス)が重要です。
そのためカスタマーサクセスでは、より能動的にお客様に働きかけ、ソフトウェアサービスの利活用を図ります。
カスタマーサクセスによって解約率が低減したり、アップセルやクロスセルを実現したりなど、企業にとってポジティブな結果が生じます。
カスタマーサクセスについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてみてください。
CRMとカスタマーサクセスの関係性

近年、カスタマーサクセスマネージャーの業務において、CRM(Customer Relationship Management)との連携が不可欠です。
CRMとは何か
CRMとは、顧客との関係性を管理・強化するための仕組みや考え方、またはそのためのツールのことを指します。
「顧客管理システム」とも呼ばれ、顧客の基本情報や過去の取引履歴、問い合わせ内容などを一元管理することで、より良い関係性の構築やLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指すものです。
顧客ニーズの把握や行動分析を通じて、最適なタイミングでのアプローチや個別対応が可能です。
CRMは主に営業やマーケティング、カスタマーサポートなどの部門で活用されています。
カスタマーサクセスとの相互補完関係
CRMとカスタマーサクセスは、お互いを補完し合う重要な関係性を持っています。
CRMとCS(カスタマーサクセス)は連携して機能することが多く、CSMがCRMツールを用いて顧客情報を活用し、成功体験を支援する場面も多いです。
CRMは、CSMの活動を支える土台・ツールとして機能しています。
つまり、CRMの位置づけは「顧客に関するあらゆる情報を一元管理して、良好な関係づくりを支えるための基盤」といえます。
効果的な連携方法
CRMとカスタマーサクセスの効果的な連携には、以下の5つの方法が重要です。
- CSMの業務フローにCRMを組み込む
- 顧客の行動データ・利用状況を自動で連携させる
- 解約兆候を検知するスコアリングやアラートを設ける
- 社内の他部門ともCRM経由で連携
- CRM上でカスタマージャーニーを管理する
このように、CRMをCSMの実務と密接に結びつけることで、顧客への価値提供を最大化できます。
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)が注目されている理由とは?

カスタマーサクセス部門の責任者が、カスタマーサクセスマネージャー(CSM)です。
近年、このカスタマーサクセスマネージャーという役職が注目されています。
カスタマーサクセスマネージャーが注目される理由は、もちろん「契約を継続してもらうことが重要であるから」です。
自社サービスの解約率がどれぐらいなのかといった現状把握から始まり、解約率を抑えるための課題を抽出しながら改善施策を実行していきます。
これらの業務をうまく進めるために、カスタマーサクセスマネージャーが必要です。
なお、カスタマーサクセスの概念をいち早く提唱したのは「Salesforce(セールスフォース)」だといわれています。
Salesforceでは、2000年初頭からカスタマーサクセスの重要性を提唱しており、今となってはグローバルに注目される概念となりました。
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)の役割とは?

これまでカスタマーサクセスの概要を紹介してきましたが、ここからは、カスタマーサクセスマネージャーの具体的な役割を解説します。
カスタマーサクセスマネージャーの具体的な役割について、「成果指標(KPI)」をもとに確認していきましょう。
なお、ここで紹介するカスタマーサクセスの指標はあくまでも一例です。
チャーン率減少
チャーン率とはいわゆる解約率のことで、カスタマーサクセスにおいてもっとも基本的かつ重要な指標です。
サブスクリプションモデルでは、初月無料などのキャンペーンを行っている例も見られます。
この場合、仮に1カ月目に導入しても2カ月目に継続してくれなければ、収益はゼロになってしまいます。
上記からわかるとおり、サブスクリプションモデルでは、新規獲得よりも既存顧客の継続が重要です。
つまり、チャーン率(解約率)を抑えることが重要です。
早期オンボーディング
オンボーディングは本来、船や飛行機などの乗客に対し、サポートを経て慣れてもらうことを指します。
人事分野では「新人研修」の意味で用い、本記事のテーマである「カスタマーサクセス」分野では、サービスの満足度を高めて継続利用を促進するためのプロセス(仕組み)を指します。
カスタマーサクセス分野におけるオンボーディングの定義例は以下のとおりです。
- サービスの使用方法に慣れ、使えること
- 初期設定が完了し、1カ月以内にチュートリアルが終了していること
- サービスのメリットを理解し、必要だと感じていること
つまり、サービスが使える状態(定着)となったうえで必要性を感じている(役に立つ)状態がオンボーディングといえます。
サービスが使える状態にならなければお客様にとってコストでしかないため、解約され、使える状態になっても必要性を感じなければ解約に至ってしまいます。
お客様がより早期にオンボーディングの状態に至れば、チャーン率を抑えることが可能です。
そのためカスタマーサクセスマネージャーは、お客様が早期にオンボーディングを完了するよう、「オンボーディング施策」を進めなければなりません。
なお、先ほど「1カ月」を「早期」の例にとりましたが、商品・サービスごとに具体的な期間は異なるため、適切な期間を設定しましょう。
アップセル率向上
SaaSモデルにおけるアップセル率とは、より上位の商品(プラン)または上位機能の契約率を指します。
例えば、標準プランを契約していたお客様が上位プランを契約する確率のことです。
アップセル率が高ければ顧客単価が向上するため、当然企業の収益も向上します。
アップセル率を向上するためには、標準プランに一定の満足度があることが欠かせません。
その満足を得るためにも、カスタマーサクセスマネージャーの取り組みが重要です。
クロスセル率向上
クロスセル率とは、関連商品(プラン)または機能の契約率を指します。
SaaSモデルでは、オプション機能の追加や関連商品のセット購入などがクロスセルです。
カスタマーサクセスでは、お客様のビジネス課題を解決する自社ソリューションを積極的に提案することを指します。
そのため、お客様のビジネス上の課題をヒアリングなどで把握したうえで、適切な提案を行うことが重要です。
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それでは、カスタマーサクセスマネージャーが具体的にどのような業務内容なのかを解説していきます。
ただし、詳細は企業によって異なるため、あくまでも今回は一般的な業務内容を紹介することを念頭に置いてください。
オンボーディング
カスタマーサクセスマネージャーの役割(指標)でも紹介したように、カスタマーサクセスではまず「オンボーディング」を目指します。
オンボーディングに失敗してしまうと、お客様は商品・サービスの利用が定着しないため、当然解約に至ってしまいます。
カスタマーサクセス部門におけるお客様との接触方法は、以下のとおりです。
- ハイタッチ:専属担当者がつき、電話や対面セッションで手厚い伴走を行う
- ロータッチ:必要なタイミングのみ電話や対面などでお客様と接触する
- テックタッチ:個別の会話ではなく、一斉メッセージやセミナーでフォローする
すべてのお客様に「ハイタッチ」するのが理想的ですが、企業リソース上の問題もあるため、現実的にはテックタッチが活用される例もあります。
オンボーディング施策の例は以下のとおりです。
- トレーニング
- FAQの公開
- マニュアルや利用ガイドなどの整備
顧客における効果測定
オンボーディングが完了したら、お客様にとってシステム活用の成果はどうなのか、効果を見える化(実感)します。
そもそものニーズがあって導入していただいたのですから、導入による効果を測る(実感する)のです。
もし満足できる効果が出ていないのであれば、その原因を検討しつつ、改善施策を実行します。
リピートやアップセル、クロスセルなどの展開
お客様に商品・サービス導入の効果を実感していただいたら、必要に応じてリピートやアップセル、クロスセルなどの展開を提案します。
ただし、このような提案をするには「お客様の理解」が重要です。
お客様を理解するためには、コミュニケーションや情報収集が欠かせません。
コミュニティマネジメント
お客様との直接的なやり取り(ハイタッチ)だけではなく、コミュニティマネジメントもカスタマーサクセスマネージャーの業務内容の1つです。
コミュニティマネジメントとは、自社コミュニティが健全に機能することを図る管理業務、例えば会員質問サイトやSNSの運用といった例が挙げられます。
コミュニティが健全に機能すれば、次に紹介する「プロダクト改善」にも役立ちます。
プロダクト改善
カスタマーサクセスを通じて得た情報(お客様の声)を、商品企画部・開発部・マーケティング部などにフィードバックし、商品・サービスの改善につなげます。
顧客インサイトをしっかり反映することで、口コミや評判も良くなるでしょう。
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)に必要なスキル

カスタマーサクセスマネージャーを目指す方に向けて、必要なスキルをご紹介いたします。
コミュニケーション力
カスタマーサクセスマネージャーには、コミュニケーション力が欠かせません。
なぜなら、お客様と自社内で円滑なコミュニケーションが必要になるからです。
ここまで紹介してきたように、カスタマーサクセスマネージャーは、顧客の目標や考えなどの情報を収集し、その結果を施策や社内にフィードバックしなければなりません。
いかに「顧客を知る」かがカスタマーサクセスのポイントともいえるため、コミュニケーション力は欠かせないのです。
ロジカルに数値を読み解く力(統計力)
カスタマーサクセスでは、人やお客様企業だけではなく、数値(数字)とのコミュニケーションも必要です。
カスタマーサクセスはコミュニケーションが土台となる業務ですが、お客様と併走しながら成功へ導くためには、数値と向き合わなければなりません。
KGIやKPIなどの指標を設定しつつ、収集した数値情報を考察しながら業務を進めます。
数値をうまく活用できれば、お客様に納得してもらえる提案も可能です。
仮説を立てて素早く検証する力
カスタマーサクセスでは、仮説を立てて素早く検証する力が必要です。
例えば、数値が変動したときや目標未達の場合は顧客の中で何が問題となっているのか仮説を立て、素早く検証を実行しなければなりません。
プロジェクトマネジメント力
カスタマーサクセスマネージャーはマネージャーのため、当然プロジェクトマネジメント力が必要です。
カスタマーサクセスは日本における歴史が浅く、ゼロから仕組みを作り上げる場合も多くなっています。
コミット力
カスタマーサクセスは、結果が早期に出ない場合が多いです。
そのため、社内からの反感を買う可能性もゼロではなく、お客様から冷たい一言を受ける場合もあります。
そのような状況下でも、辛抱強くストイックに業務にコミットする必要があります。
そのため、コミット力が必要です。
カスタマーサクセスマネジメントとカスタマーサクセスマネージャーの違い

カスタマーサクセスの分野において、「カスタマーサクセスマネジメント」と「カスタマーサクセスマネージャー」は密接に関連していますが、それぞれ異なる概念として理解することが重要です。
カスタマーサクセスマネジメントとは
カスタマーサクセスマネジメントとは、組織戦略としての側面を持ち、全社的な取り組みとプロセスを指します。
経営方針レベルで「顧客の成功」を最優先に据え、カスタマーサクセスを一部門の仕事ではなく、企業全体のミッションとして位置づけることが重要です。
営業・プロダクト開発・マーケティング・サポートなど、すべての部署がCSに関与する体制を構築し、解約率・LTV・NPSなどの指標を共有する必要があります。
カスタマーサクセスマネージャーの位置づけ
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)は、顧客の成功体験を実現する実行責任者です。
顧客の成功までのプロセスを設計・実行するため、チャーン防止の最前線で顧客の課題やリスクを早期察知し、解約要因を排除するアクションを主導します。
また、営業・開発・サポートなど部署横断のハブ役として顧客視点で全体最適を図り、担当顧客の契約更新率やNPSなどの成果に責任を持ちます。
CSMは、現場でのオペレーション設計から改善、メンバー育成、顧客ごとの対応カスタマイズまで幅広く担当する重要なポジションです。
組織における連携体制
効果的なカスタマーサクセスには、他部門との連携が不可欠です。
営業部門とは、新規顧客獲得からアップセル・クロスセルまで密接に協力し、顧客情報を正確に引き継ぎます。
マーケティング部門とは効果的な戦略立案を支援するため、顧客データの共有が必須です。
プロダクト開発部門には顧客フィードバックを伝え、サービス改善に貢献します。
カスタマーサポート部門とは問い合わせ情報を活用し、能動的なCS活動につなげます。
このような他部門との連携体制により、顧客に一貫した体験を提供可能です。
カスタマーサクセスマネージャーの年収相場

カスタマーサクセスマネージャー(CSM)は、近年注目が高まっている職種であり、その年収水準も上昇傾向にあります。
年収レンジと業界相場
CSMの平均年収は約1,050万円で、外資企業では1,000万円〜1,400万円が一般的です。
また、役職別・企業規模別・業界別の年収相場は以下のとおりです。
| 役職別 | ・メンバーレベル400万円〜600万円 ・マネージャークラス600万円〜1,200万円 ・部長クラス1,000万円〜1,400万円 |
| 企業規模別 | ・スタートアップ800万円〜1,400万円 ・大手企業1,000万円以上 |
| 業界別 | ・SaaS業界800万円以上 ・外資系IT企業1,000万円〜1,400万円 ・日系企業600万円〜1,000万円 |
近年のSaaS市場の急成長でCSMの年収水準は上昇傾向にあり、特に経験豊富な人材は引く手あまたの状況が続いています。
年収を決める要因
CSMの年収は、経験年数・スキルレベルによって大きく左右されます。
年代別の年収の目安は、以下のとおりです。
- 20代:300〜500万円
- 30代:500〜700万円
- 40代:500〜900万円
マネージャークラスでは年収は600〜1,200万円程度となり、業績・成果・専門知識・資格(Gainsight、Salesforce認定など)が年収に大きく影響します。
また、企業規模や業界特性も重要で、SaaS・IT業界では高く評価される傾向があります。
さらに地域差も大きく、東京などの都市部では年収が高くなり、外資系企業では本国基準の高い報酬体系が採用されます。
年収アップのポイント
年収アップには、スキル向上と転職戦略が重要です。
専門資格取得では、PMP(プロジェクトマネジメント)やAWS認定資格が評価されます。
実務スキルでは、データ分析やデジタルマーケティング、コミュニケーション能力の向上が効果的です。
転職市場では、IT・AI分野やCSM職種への転向が年収アップにつながります。
ほかにも転職エージェントを活用して非公開求人にアクセスする、給与交渉では市場価値データを提示し、同業他社の給与水準を調査して具体的な数字を交渉材料にすることが年収アップの鍵です。
カスタマーサクセスマネージャーの転職・求人市場

カスタマーサクセスマネージャー(CSM)の転職市場は、近年活況を呈しており、特にSaaS業界を中心に需要が高いです。
転職市場の現状
CSMの転職市場は、企業のデジタル化推進とSaaSの普及により急速に拡大しています。
現在の市場では、経験豊富なCSMに対する需要が供給を大幅に上回っており、優秀な人材に対しては複数企業からのオファーが殺到する状況が続いています。
転職活動期間も短期化しており、優秀な候補者であれば1〜2カ月以内に転職先が決まるケースが多いです。
一方で、未経験者には依然として高いハードルがあり、関連職種での経験や専門スキルの習得が重要です。
求人要件の傾向
企業がCSMに求める要件には、共通した傾向が見られます。
CSMの必須要件歓迎要件として、以下のようなものが挙げられます。
| 要件 | 具体例 |
| 必須要件 | ・SaaS業界での2〜3年以上の営業またはサポート経験 ・顧客折衝経験と高いコミュニケーション能力 ・データ分析スキルとExcelまたはBIツールの使用経験・英語力(特に外資系企業では必須) ・プロジェクトマネジメント経験 |
| 歓迎要件 | ・カスタマーサクセス関連資格の保有 ・CRM/SFAツールの使用経験 ・MAツールの知識 ・業界特有の知識と経験 ・リーダーシップ経験 |
近年は特にテクニカルスキルと改善提案能力を重視する企業が多いです。
転職成功のポイント
転職成功には戦略的な準備が重要です。
職務経歴書では、チャーン率改善やアップセル・クロスセル率向上、顧客満足度スコア改善など定量的な成果を明記して、担当顧客数・業界・契約規模も具体的に記載しましょう。
面接対策では、応募企業のビジネスモデルと顧客課題を事前調査し、具体的な改善提案を準備することが効果的です。
また、過去の成功事例をSTAR法で構造的に説明できるよう準備し、短期的な転職理由だけではなく、中長期的なキャリアの展望を明確にすることが重要です。
カスタマーサクセスマネージャーの資格・認定制度

カスタマーサクセスマネージャー(CSM)としてのキャリアを発展させるために、専門資格の取得は有効な手段です。
ここでは、取得可能な資格や取得するメリット、資格以外のスキル向上方法を紹介します。
取得可能な資格一覧
カスタマーサクセス分野の主要資格として、以下のようなものが挙げられます。
- 認定カスタマーサクセスマネージャー(CCSM):約6カ月の学習期間で体系的な知識とスキルを証明できる
- Cisco Customer Success Manager認定:テクノロジー業界に特化した実践的な内容で、3年ごとの更新が必要
- Salesforce関連資格:世界最大級のCRMプラットフォームの専門知識を証明できる
これらの資格は、転職活動や昇進において大きなアドバンテージです。
資格取得のメリット
専門資格の取得で、カスタマーサクセス分野での専門知識と実践能力を客観的に証明でき、転職活動や昇進で大きなアドバンテージを得られます。
資格取得プロセスを通じて断片的な知識を体系的に整理して、実践的なフレームワークを身につけられます。
また、多くの認定プログラムでは同業者との交流機会が提供され、業界のベストプラクティスを学び、人脈を広げることでキャリア発展の機会を拡大できます。
専門資格保有者は非保有者と比較して平均10〜20%程度年収が高く、投資対効果も魅力的です。
資格以外のスキル向上方法
資格取得以外にも、CSMとしてのスキルを向上させる方法は多数あります。
UdemyやCourseraなどのオンライン学習プラットフォームでは、カスタマーサクセス関連コースが豊富に提供されており、自分のペースで実践的なスキルを身につけられます。
Pulse ConferenceやCustomer Success Summitなどの業界イベントに参加することで、最新トレンドを把握して、実践者からの学びを得ることが可能です。
また、社内での他部門との協働プロジェクトに積極的に参加することで、全社的な視点と部門間連携スキルを向上させられます。
さらに、経験豊富なCSMからのメンタリングも効果的です。
カスタマーサクセスマネージャーのキャリアパス

カスタマーサクセスマネージャー(CSM)は多様なキャリアパスを選択できる職種です。
個人の志向や強みに応じてさまざまな方向性で成長できます。
一般的なキャリアの進路
CSMの典型的なキャリアパスには、いくつかのパターンがあります。
一般的なのは、CSMからシニアCSM、CSMチームリーダーなどを経て、CCO(Chief Customer Officer)への昇進という段階的なキャリアパスです。
このパスでは、担当顧客数の増加やより複雑な案件への対応、チームマネジメント責任の拡大という形で成長していきます。
また、特定の業界や領域に特化したスペシャリストとして、深い専門知識と業界ネットワークを武器にプロフェッショナルとして認知される道もあります。
さらにCSMの経験を活かして営業やマーケティング、プロダクト部門への転向も人気で、顧客理解力と課題解決能力への評価が高いです。
業界別のキャリア特徴
CSMのキャリアパスには業界ごとに特徴的な違いがあります。
SaaS・IT業界では、テクニカルスキルとビジネススキルの両方を備えたCSMが重宝されます。
プロダクトの理解度が深いCSMはプロダクトマネージャーやソリューションアーキテクトへの転向も可能です。
スタートアップから大手まで多様な企業規模があり、志向に合った環境を選びやすい特徴があります。
金融・保険業界では、規制の厳しい業界特性からコンプライアンス知識と高度なセキュリティ意識が求められ、長期的な顧客関係が重視されます。
製造業界では製品知識の専門性が特に重要で、エンジニアリングバックグラウンドを持つCSMが有利です。
長期的なキャリア戦略
5年・10年後の展望の設定により、経営層を目指すか、特定分野のエキスパートになるか、起業を考えるかによって積むべき経験が変わります。
テクノロジーの進歩にともないCSMに求められるスキルも変化し続けています。
そのため、AI・機械学習の基礎知識やデータサイエンススキル、デジタルマーケティングなど新分野への学習投資が重要です。
また、業界内での認知度向上のため、カンファレンスでの講演や記事執筆、SNSでの情報発信を通じた個人ブランド構築も長期的なキャリア成功には欠かせません。
長期的なキャリアを築くには、継続的なスキル開発と戦略的な人脈構築が鍵です。
カスタマーサクセスマネージャーの成功事例

実際の現場で成果を上げているCSMの成功事例を通じて、効果的な手法やベストプラクティスを学べます。
ここでは、チャーン率改善の成功パターンやアップセル拡大の実践例、顧客満足度向上の取り組みを紹介します。
解約率改善の成功パターン
解約率改善には、早期警告システムの構築による予防的対応が効果的です。
ログイン頻度や機能利用率、サポート問い合わせ頻度などを組み合わせたスコアリングモデルを開発してリスクの高い顧客を自動的に抽出することで、解約意向が固まる前に積極的に介入できます。
また、各顧客の業界特性と利用目的に応じて完全にカスタマイズされたサクセスプランを作成し、段階的なオンボーディングプロセスを設計することも重要です。
データにもとづく客観的な判断と迅速な対応体制の構築、個別化されたアプローチにより、チャーン率の大幅な改善が期待できます。
アップセル拡大の実践例
アップセル成功率向上には、データにもとづいたタイミング設計が重要です。
顧客の利用状況や成果達成度、エンゲージメントレベルなどを総合的に分析して最適なタイミングでの提案を実施することで、成功率を大幅に向上させられます。
また、アップセルによる追加価値を定量的に示すことも効果的で、現在の利用状況から予想される効果改善を具体的な数値で提示し、投資対効果を明確に示すことで顧客の意思決定を促進できます。
アップセル拡大は感覚的な提案ではなく、客観的なデータにもとづいた戦略的なアプローチが成功の鍵です。
顧客満足度向上の取り組み
顧客満足度向上には、受動的な対応ではなく能動的な関係構築が重要です。
プロダクト利用率・サポート利用頻度・契約更新可能性・推奨度などを組み込んだヘルススコアを定期的に算出します。
スコアの変動要因を分析して改善提案を行うことで、顧客の課題を早期に発見し対処できます。
また、顧客同士の学び合いを促進するコミュニティ運営も効果的です。
ユーザー会やベストプラクティス共有セッション、新機能体験会などを通じて顧客エンゲージメントを向上させることで、満足度と継続率の向上が実現できます。
カスタマーサクセスの未来展望

カスタマーサクセスの分野は急速に進化しており、テクノロジーの発展と市場の成熟化にともなって、新しいトレンドと機会が生まれています。
AI・テクノロジーの活用
AI技術の発展で、顧客行動の予測精度が大幅に向上中です。
機械学習アルゴリズムを活用した解約予測モデルで、従来の人間による判断よりも高い精度でリスク顧客を特定できるようになり、事前の解約リスク予測が可能になりました。
顧客の業界や利用状況、過去の反応パターンを分析し、最適なタイミングで最適なメッセージを自動送信するパーソナライゼーションシステムも実用化されています。
また、高度なチャットボットにより基本的な質問対応は自動化され、複雑な課題や戦略的提案は人間のカスタマーサクセスマネージャーが担当する分業体制が確立されつつあります。
市場成長予測
世界のSaaS市場は今後も大幅な成長が予測されるほど、継続的に拡大中です。
この成長にともない、カスタマーサクセス分野の雇用機会も大幅に増加すると期待されています。
中小企業向けSaaSの普及で、これまでカスタマーサクセスを導入していなかった企業でもCS専門人材の需要が高まっています。
SaaS以外でも、自動車・小売・教育・ヘルスケアなどさまざまな分野でサブスクリプションモデルとカスタマーサクセス概念が取り入れられ、CSMのキャリア選択肢が大幅に拡大中です。
日本国内でもDX推進とともにCS職種の認知度が向上し、転職市場での需要が急拡大しています。
今後求められるスキル
今後はカスタマーサクセスとマーケティングの境界が曖昧になっていくため、マーケティングオートメーション・コンテンツマーケティング・ソーシャルメディア戦略の知識が必要とされています。
また、リモートワークの普及により多文化対応能力や複数言語でのコミュニケーション、異なるタイムゾーンでの効率的協働スキルも重要です。
カスタマーサクセスは従来の運用業務中心からより戦略的な役割へ期待値が変化し、市場動向理解や競合分析、ROI最適化などビジネス戦略レベルでの貢献が求められます。
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)に求められる役割と必要なスキルを把握しましょう

カスタマーサクセスとは、自社商品・サービスを通じてお客様が成功できるよう、お客様と併走する概念です。
具体的な業務内容は、オンボーディングの促進や顧客情報の収集を行いつつ、必要に応じてお客様に適切な提案を行います。
また、自社内でのコミュニケーション(開発部などへのフィードバック)も欠かせません。
カスタマーサクセスマネージャー(CSM)はこのようなカスタマーサクセス業務の責任者であり、コミュニケーション力や統計力、プロダクトマネジメント力、コミット力などが求められます。
ぜひ本記事を、カスタマーサクセスマネージャーを目指す際や、カスタマーサクセスマネージャーの設置に際してお役立てください。
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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