アップセル・クロスセルとは?意味や違い事例、注意点を解説

アップセル・クロスセルとは?

目次

この記事を読むのに要する時間:約 3

新規顧客獲得は既存顧客維持の約5倍のコストがかかるとされる現代の営業環境。
限られたリソースで売上目標を達成するには、顧客単価の向上が鍵となります。

そこで注目されているのが「アップセル」と「クロスセル」という顧客単価向上の二大戦略です。
これらは既存顧客との関係を強化しながら収益を拡大できる効果的な手法として、多くの成功事例が報告されています。

本記事では、アップセルとクロスセルの明確な違い、最適な活用タイミング、業界別の成功事例、そして実践する際の重要ポイントまでを体系的に解説します。
これらの戦略を自社の営業活動に取り入れることで、顧客単価と顧客満足度の同時向上を実現できるでしょう。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

アップセルとは?クロスセルとは?

まずは、アップセルとクロスセルの二つの言葉の意味や手法について確認します。

アップセルの意味

アップセルとは、既にお客様がご利用になっている商品・サービスの上位にある商品・サービスを提案する営業手法を指します。

例えば、いつも購入しているコーヒーのサイズをMサイズからLサイズに、無料で使っているクラウドサービスを有料のサブスクにアップグレードするケースが該当します。

クロスセルの意味

クロスセルとは、お客様が購入した商品に対して、オプション製品などの関連するサービスをさらに提案し、購入いただく営業手法を指します。

例えば、ハンバーガーを購入するお客様にポテトを提案したり、生命保険を契約したいお客様に医療保険を提案したりするなどのケースが考えられます。

アップセルとクロスセルの比較

アップセルとクロスセルは類似した営業手法といえますが、具体的な違いはなにか、改めて整理しておきましょう。

アップセルとクロスセルの違い

アップセルとクロスセルの違いは、採用されている商品に対して、同じ系統の商品に置き換えるか、関連する別の商品を追加するかの違いがあります。

アップセルは、上位の商品に置き換えるので、成功した場合は上位商品と既に採用されている商品との差分が追加の売上です。

一方のクロスセルは、関連する別の商品をセットで提案するため、提案が成功すれば関連する商品の価格そのものを売上として立てることができます。

アップセルとクロスセルの使い分け方

アップセルとクロスセルは、顧客ニーズの性質によって使い分けるのが効果的です。

アップセル:顧客が「より深い価値」を求めるケースに最適

  • 既存製品の上位機能や性能向上への欲求がある場合
  • 現状の機能制限が生産性や目標達成の障壁になっている場合

クロスセル:顧客が「より広い価値」を求めるケースに最適

  • 既存製品との相乗効果を得られる関連製品への需要がある場合
  • 複数の課題を解決する包括的なソリューションを求めている場合

アップセルは「課題の深さ」に、クロスセルは「課題の広さ」に対応する戦略と言えます。

ダウンセルとは?アップセル・クロスセルとの違いと活用法

ダウンセルとは?アップセル・クロスセルとの違いと活用法

営業手法には、アップセル・クロスセル以外にもダウンセルというものがあります。
顧客や消費者によってはアプローチ方法を変える必要があり、ダウンセルによって自社商品・サービスを利用してもらえる可能性も高いです。

ダウンセルについても、詳しく理解していきましょう。

ダウンセルの基本概念と活用シーン

ダウンセルとは、顧客や消費者が商品・サービスの利用を見送る際に現状よりも安価なものを提案する営業手法です。

とくにSaaS系の商材を取り扱う際に有効な営業手法となっており、解約を検討している顧客に向けてダウンセルを提案することで解約を防止可能です。
ほかにも高価な商品・サービスの購入を検討している顧客に向けて、要望や課題を引き出しながら安価な製品を提案することで購入へとつなげられます。

ダウンセルがもたらす長期的メリット

ダウンセルの適切な活用は顧客関係の維持・構築に有効です。
営業活動では売上を意識するあまり、いかにして高い商品・サービスを売り込むのか意識してしまいがちです。

しかし、顧客や消費者は費用面を考慮しながら購入・利用を検討しているため、高い製品に対して少なからず抵抗があります。
そこで現状よりも安価な製品を提案することで、納得感を持たせて購入や利用の見送りを防止可能です。

SaaS系の商材のように継続的に利用される商材であれば、ダウンセルによって長期的な売上を見込めるようになります。

アップセル・クロスセルを活用するタイミング

それでは、いつアップセルやクロスセルを活用すればいいかを確認していきましょう。

アップセルを活用するタイミング

アップセルは、既存の商品を継続利用する中で、次の課題や上位商品に対する新たなニーズなどが発生したタイミングで活用します。

例えば、以下のようなシーンが考えられます。

  • 利用頻度の高まりによる上位サイズ・容量へのニーズ(MサイズからLサイズへ)
  • サブスクのシステムなど、ユーザー数増加に伴う上位プランへの移行ニーズ
  • サポート拡充やパフォーマンス向上を求める

このように、ある商品を継続的に採用・利用していて、上位製品で解決できる課題やニーズが発生したタイミングで活用するといいでしょう。

クロスセルを活用するタイミング

クロスセルは、ある商品を採用する時、もしくは継続利用している時に、関連するオプション製品や連携できる別の製品で解決できる別の課題が生まれたタイミングで活用します。

以下のようなシーンで活用できるでしょう。

  • 基本製品と相性の良い組み合わせ製品のニーズ(ハンバーガーとポテト、ドリンク)
  • 既存製品との連携による機能拡張ニーズ(名刺管理からCRMへの展開)
  • 関連リスクに対する追加保障ニーズ(生命保険に加えての医療保険)

顧客のライフサイクルを理解し、適切な段階で提案することが成約率向上の鍵です。

資料「マーケティング支援サービス資料」を無料ダウンロード

アップセル・クロスセルの具体的な施策事例

ここまでアップセル・クロスセルの手法を具体的に確認してきましたが、実際にこうした営業手法を成功させている企業も多数あります。それぞれの営業手法における事例を確認しましょう。

アップセル:HubSpot 

HubSpotは無料版から有料プランへの段階的移行を促す、洗練されたアップセル戦略で知られています。

無料版ではユーザー制限を設けない寛大な導入条件を提供し、組織への広範な浸透を促進しています。

ユーザー基盤が拡大した後、自動化機能など高度な機能を有料プランに限定することで、自然なアップグレード需要を創出しているのです。

さらに、有料版内でもStarter・Professional・Enterpriseという明確な階層構造を設け、組織の成長や要件の変化に応じた継続的なアップセルパスを確立しています。

このようにHubSpotは、アップセルを軸とした戦略で、より成約率の高い営業の仕組みを作っています。

クロスセル:Salesforce

Salesforceはクロスセルの施策をうまく活用している企業です。

SalesforceはCRMという領域の中で、複数部門の連携を促すことで、複数のサービスが採用されるように営業を仕掛けています。

SalesforceのCRMがカバーする主な領域は、Sales・Marketing・Service・BI・ECなど幅広いですが、顧客情報は全ての部門で必要です。

そこで、営業とマーケティング、営業とカスタマーサービスと、複数の部門で分断されがちな顧客情報を1つの基盤に集約することを売りにして、クロスセルをしかけているのです。

Salesforceの提唱するCustomer360°という、顧客を全部門で一体となってサポートするような概念は、このクロスセル施策の象徴ともいえるでしょう。

アップセル・クロスセル:Amazon

Amazonは顧客行動を緻密に分析し、購買心理に基づいた効果的なアップセル・クロスセル戦略を展開しています。

Amazonのページ構成戦略的設計

  • 検討中で商品詳細まで読み込む顧客向け:
    ページ下部に「この商品をチェックした人はこんな商品も」として、容量の大きい製品や同じシリーズで機能の多い製品などを配置(アップセル)
  • すでに購入決定している顧客向け:
    商品ページ上部に「よく一緒に購入されている商品」を配置(クロスセル)

Amazonはユーザーの閲覧行動と購買意思の段階を巧みに見極め、最適なタイミングと位置に異なる提案を表示しています。
これにより顧客体験を損なわずに顧客単価を向上させる洗練されたマーケティングを実現しているのです。

業界別アップセル・クロスセル戦略

業界別アップセル・クロスセル戦略

アップセルとクロスセルの戦略は、それぞれ業界によって異なります。
こちらでは、ECサイト、SaaS企業、リテール・実店舗のアップセル・クロスセル戦略について詳しく説明します。

ECサイトにおける効果的なアップセル・クロスセル手法

ECサイトでは、ユーザーがサイト内の商品・サービスを購入するために調べます。
例えば美容商品をECサイトで取り扱っている場合、ユーザーの購入傾向をもとに高価格帯の商品をレコメンドすることで購入単価を上げられます。

ただ高価な商品を紹介するのではなく、ユーザーの購入傾向に合わせることが大切です。
クロスセルをECサイトに取り入れる場合、追加購入を促せる商品の提案が最適です。

美容商品のECサイトなら化粧水をカートに追加したユーザーに向けて、導入美容液や乳液などの関連商品を紹介することで追加購入へとつながります。
ECサイトでは、ユーザーデータからより高価な商品や関連商品を紹介することで購買意欲を刺激し、売り上げへとつなげられます。

SaaS企業のサブスクリプションモデルにおける実践戦略

SaaS企業では、サブスクリプションモデルの商品・サービスを顧客や消費者に継続的に購入・利用してもらうことが大切です。
例えばレンタルサーバーのようにプランによって機能や容量が異なるサービスを取り扱うなら、現状よりも高いスペックのプランを提案することがアップセルの有効な手段です。

クロスセルの提案をおこなう場合、ゲーム用レンタルサーバーやバックアップ機能などのオプションサービスを紹介することで追加購入を促せます。
顧客や消費者が求めている商材を提案することで、顧客生涯価値(LTV)を向上させて継続的な購入・利用へとつなげられます。

リテール・実店舗での顧客単価向上テクニック

小売業や実店舗では、いかにして顧客単価を上げていくのかが重要になります。
例えば飲食店の場合、メニューのサイズを増加できる提案にすれば顧客単価を向上可能です。

ほかにもドリンクやオプションサービスなどの付加価値をクロスセルとして提案すれば、全体的な売上向上を見込めます。
店舗レイアウトやPOPから単価の高いメニュー・組み合わせメニューなどを紹介することで、アップセルやクロスセルの導線作りが可能です。

足を運ぶ消費者のターゲット属性を分析し、ニーズに応えられるメニューを提案することで顧客単価向上を期待できます。

アップセル・クロスセルに関する2025年最新トレンドとAI活用

アップセル・クロスセルに関する2025年最新トレンドとAI活用

アップセルやクロスセルの営業手法は、時代によって進化を続けています。
2025年最新トレンドとAI活用方法について詳しく説明します。

パーソナライゼーションを進化させるAIの活用法

近年AIは急激な成長を続けており、幅広い業界・業種で取り入れられています。
例えばECサイトを運営している場合、AIアシスタント機能を導入すればアップセルやクロスセルを自動化できます。

ユーザーが特定の商品を購入しようとしている状況では、高額な商品や関連商品をAIアシスタントが自動的に最適化しながら提案可能です。
AIは幅広い顧客データを収集・分析できるため、購入履歴や閲覧履歴、人口統計などのデータをもとに行動パターンやユーザー属性を把握できます。

企業側は手間をかけずにアップセルやクロスセルの提案ができるので、効率良く売上増加を見込めます。

データドリブンなレコメンデーション戦略

データドリブンとは、データに基づいて判断・行動することを指します。
顧客に合わせて商品・サービスを提供するためには、データ分析をしながら最適な商材を提供することが大切です。

代表的な例として、ECサイトで表示されるおすすめ商品があります。
大手ショッピングサイトとして有名なAmazonでは「Amazon Personalize」という学習サービスによって、パーソナライズされたレコメンデーションを作成できるように設計されています。

ユーザーに合わせてアップセルやクロスセルを提案できるため、顧客単価を効率良く向上可能です。

購買予測とタイミング最適化のためのテクノロジー

AIを活用することで顧客の動向をデータとして収集できるようになっており、購買予測やタイミングを最適化することが可能です。
例えばECサイトにAIを取り入れることで、これまで商品を購入したユーザーの傾向をもとに新規ユーザーがどのようなアクションを取るのか予測できます。

ECサイトの利用に会員登録を求めれば、登録情報からユーザーの年齢、性別などの情報を収集して同じ属性ユーザーの購買予測ができるようになります。

ユーザーが求める情報を先回りして提案することで、顧客満足度を向上させながら製品のファンを作り継続的な関係性を構築できます。

アップセル・クロスセル成功のための心理学的アプローチ

アップセル・クロスセル成功のための心理学的アプローチ

アップセルやクロスセルの提案を成功させるためには、顧客の心理を理解しながら最適なアプローチが必要です。
こちらでは、アップセル・クロスセルの提案に役立つ心理学的アプローチについて紹介します。

購買意欲を高める5つの心理学的テクニック

購買意欲を高める心理学テクニックとして、以下のような5つの方法があります。

  1. 希少性の原理
  2. 社会的証明
  3. 返報性の法則
  4. 一貫性の原理
  5. アンカリング効果

それでは詳しく説明します。

希少性の原理

希少性の原理とは、手に入れにくいものに高い価値を感じる心理的傾向を指します。
顧客や消費者の意思決定に大きく関係しており、希少性に魅力を感じて商材の購入や利用へとつながります。

期間限定や数量限定などを訴求することで、顧客の即決力を高めることが可能です。

社会的証明

社会的証明とは、正しさを判断する際に他人の行動や選択を判断基準とする心理的傾向を指します。

例えば飲食店に大勢の人が並んでいると、人気な店舗であると感じて同じように並んでしまうことも社会的証明の現象です。
インターネット上の口コミ・評判も同様の効果があり、商品・サービスを展開する企業が積極的に取り入れています。

返報性の法則

返報性の法則とは、他人から何かを受け取ることでお返しをしなければいけないと考える心理的傾向を指します。

人は一方的に得することで罪悪感を持ちやすいため、公平性の欲求が働き何かで返したいという気持ちになるケースが多いです。
ビジネスでは顧客や消費者に向けて無料サービスを提供することで、有料の製品購入を促す営業戦略があります。

一貫性の原理

一貫性の原理とは、自分の言動・立場・信念に一貫した行動を取りたいと無意識に思う心理傾向を指します。

ビジネス面では相手の考えや行動に合わせた提案をおこなうことで、商材を購入・利用すれば自分にとって有意義なものになると考えてもらうことが可能です。
徐々に要求をエスカレートさせることで、アップセルやクロスセルの提案もしやすくなります。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や情報がその後の判断や評価に強く影響する心理現象のことです。
例えば定価が10,000円の商品に対して、セール期間中は7,000円になっていると顧客や消費者は「3,000円分お得」と考えます。

定価が高いほどお得に感じやすく、顧客を購入や利用へとつなげられるようになります。
ただし、不誠実な高額アンカーは顧客の信用を失う原因となるため、数字の設定には注意が必要です。

アップセル・クロスセルを効果的に伝える接客トーク術

アップセル・クロスセルを効果的に伝える接客トーク術

アップセル・クロスセルの成功は、単なる提案ではなく、顧客心理を理解した効果的なコミュニケーションにかかっています。
購入意欲を見極めやアップセル提案の決め手、抵抗・異論などの返し方を解説します。
これらのアプローチを身につけることで、押し売りと感じさせない自然な形で顧客単価の向上が可能になります。

購入意欲を見極める5つの質問フレーズ

顧客や消費者の購入意欲を見極めるには、以下のような質問をおこないます。

  • 現状確認質問
  • 未来志向質問
  • 影響度質問
  • 予算確認質問
  • 決断時期質問

各質問の例文を紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。

現状確認質問

顧客の立場や現状についての質問をおこなうことで、信頼関係を築けるようになります。

(例)「現在○○の業務において、どのような製品・サービスをお使いですか?もし不満や改善点があれば、ぜひお聞かせください」

未来志向質問

顧客が将来的に叶えたい変化や改善点を質問することで、解決策として提案する製品・サービスに興味を持ってもらえます。

(例)「来年まで○○(業務/使用状況)について、どのような変化や改善を求めていますか?」

影響度質問

顧客が抱える課題や不安に対して、改善によって得られる効果を質問することでポジティブな印象を持ってもらえます。

(例)「現状では○○のような問題が発生していると思われますが、解決することでどのような効果やメリットがありますか?」

予算確認質問

顧客は商品・サービスを購入するコストが限られているケースが多いため、どれくらいの投資が可能なのかを質問することで最適なプランを提案できます。

(例)「当社の〇〇を導入することで現状の問題点を解決できますが、どれくらいの投資を想定されていますか?」

決断時期質問

顧客は製品・サービスの購入や利用を即決することは少なく、決断までに時間が必要となります。
決断時期を商談から質問することで、計画を立てながら営業戦略を考えることが可能です。

(例)「〇〇について、いつ頃までに導入や変更を検討されていますか?もし導入期限などが決まっていれば、参考程度にお聞かせください。」

アップセル提案の決め手となるトーク例

顧客に商材のアップセルを提案する場合、意思決定に役立つトーク術を理解しておくことが大切です。
アップセル提案の決め手となるトークには、以下のような種類があります。

  • 問題解決型
  • コスト対効果型
  • 比較優位型
  • シナリオ想定型
  • 社会的証明型

詳しく説明します。

問題解決型

顧客の悩みや不安を解消するには、解決策となるプランを提案することが重要です。
現在のプランよりも上位プランを利用する必要性を提示することで、アップセルの成果を期待できます。

(例)「現在のプランでは○○や〇〇などの課題があると思いますが、こちらの上位プランを使うことで問題を解決できます。具体的には、△△の機能を活用することで、××が可能になります。」

コスト対効果型

顧客は商品・サービスの購入や利用によって発生するコスト以上の成果を求めているため、どのような効果を得られるのかを伝えることで、アップセルの提案へとつなげられます。

(例)「上位プランは標準プランと比べて○○円高くなりますが、△△の機能が搭載されているため年間××円のコスト削減/売上増加が見込めます。ぜひ実際の成功事例をご覧ください。」

比較優位型

SaaS系の商品・サービスには複数のプランがあり、それぞれ機能や性能が異なります。
標準プランと比べて上位プランの優位性を伝えることで、魅力を感じた顧客にプラン変更を勧めることが可能です。

(例)「標準プランと比べてこちらの上位プランは○○の機能が搭載されているので、〇〇が△△倍になり××の作業時間を大幅に短縮できます」

シナリオ想定型

顧客にアップセルを提案するときは、実際に使われるシーンを想定することも大切です。
考えられるケースを伝えることで、上位プランでの解決策を伝えればプラン変更へとつなげられます。

(例)「○○などのトラブルが発生するケースにおいて、標準プランでは対応が難しいですが、上位プランなら△△の機能によって問題を解決できます」

社会的証明型

顧客と類似する企業が上位プランを導入している事例を具体的に説明することで、同じようにプラン変更する必要性を理解してもらえます。

(例)「同業の○○社様も当初標準プランをお使いでしたが、△△のニーズが高まったことにより上位プランに切り替えられました。結果として××のような効果を得られています。」

抵抗や異論への5つの効果的な返し方

顧客によっては、アップセルに抵抗や異論があるケースも存在します。
そのようなときは、不安を取り除く提案をおこなうことで納得感を持ってもらい承諾してもらえる可能性も高いです。

こちらでは抵抗や異論への効果的な返し方として、以下のような点について解説します。

  • 「高い」への返し方(価値の再定義)
  • 「今は必要ない」への返し方(緊急性の提示)
  • 「他社を検討している」への返し方(差別化の強調)
  • 「社内の承認が必要」への返し方(サポートの提案)

状況に合わせて柔軟な対応をおこなうためにも、ぜひ試してください。

「高い」への返し方(価値の再定義)

顧客は現在購入・利用している商材よりも高いものを提案されると、価格の高さに悩まされます。
そのようなときは具体的な数値を提示することで、顧客から上位プランや関連商品の必要性を納得してもらえるようになります。

(例)「上位プランはたしかに通常プランと比べて〇〇円高いですが、○○の効果を金額に換算すると約△ヶ月で投資回収できる計算になります。長期的な視点で考えれば高い費用対効果を期待できます。」

「今は必要ない」への返し方(緊急性の提示)

顧客によっては、商品・サービスに興味はあるものの今は必要としていないケースもあります。
このようなシーンで強引なアプローチをすると、かえって逆効果になってしまいます。

今ならお得に購入・利用できることを伝えれば、アンカリング効果によって顧客の購買意欲を刺激することが可能です。

(例)「商材についてご興味を持っていただきありがとうございます。実は今月末までの割引キャンペーンを実施しており、対象の製品が○○%オフとなっています。すぐに導入を決定する必要はありませんが、お得に購入を検討できる機会なのでぜひ宜しくお願い致します。」

「他社を検討している」への返し方(差別化の強調)

インターネットから簡単に情報収集できる現代では、自社の商材と競合他社を比較するケースも多いです。
自社の強みをアピールすることで、競合他社との差別化を図り購入や利用へとつなげられます。

(例)「他社製品もご検討されているのですね。弊社の製品は独自の強みとして、○○や△△な点があります。○○なシーンでも役立ちますが、こちらの点はいかがお考えですか?」

「もう少し考えたい」への返し方(リスク回避の提示)

企業側はリスクを回避したいと考えているため、検討時間が長くなりやすいです。
検討時間が長くなると、途中で契約がキャンセルされる可能性も高いです。

このようなシーンでは、デモ体験の機会を与えることで契約へとつなげられます。

(例)「この度は当社の製品をご検討いただきありがとうございます。ただし、○○の課題が解決されない状態が続くと、△△のようなリスクがあります。△日間の無料トライアルを提供しているため、まずは実際に体験してみてはいかがでしょうか。」

「社内の承認が必要」への返し方(サポートの提案)

法人向けの商材を取り扱う場合、担当者だけでなく経営陣など複数の意思決定者から承認を得る必要があります。
検討材料として商材の資料を提供すれば、社内全体の理解を短期間のうちに得られるようになります。

(例)「ぜひ当社の製品について理解を深めていただきたいので、必要な資料をご用意いたします。また、ご希望があれば決裁者の方も含めたプレゼンテーションも可能です。社内での説得に役立つ他社の成功事例もお送りできますが、いかがでしょうか」

アップセル・クロスセルを行う際の注意点

アップセル・クロスセルの手法を行う上では、注意点もあります。お客様に十分な配慮をした上で実行しなければ、逆効果になることすらあるでしょう。

そこで、ここからは具体的な注意点を確認していきます。

顧客ロイヤリティを考慮する

一つ目の注意点は、顧客ロイヤリティです。

アップセル・クロスセル共に、大前提として顧客が自社の商品・サービスを気に入っている、もしくは使い続ける必要性がある場合に成立するのです。

万が一、相手が自社商品に不満を感じている場合には、アップセルやクロスセルを実施する前に、現状のフォローをする必要があります。

もし、自社商品への不満に気づかずにアップセル・クロスセルを実施してしまえば、押し売りだと感じられてしまい、他社に乗り換えられてしまう可能性もあるので注意しましょう。

顧客にとっての投資対効果を考える

顧客にとって、上位の商品・サービスを活用したり、関連するものをセットで購入したりする場合に、本当にお客様にとって投資対効果やメリットがあるかを理解しておきましょう。

もし、現在の商品に満足していたとしても、今の機能で十分満足していて、上位の機能は全く使い道がない場合や、関連商品は不要というケースも当然あります。

それにも関わらず、アップセルやクロスセルを仕掛けてしまうと、お客様は自社に対する不信感を持ち、それ以上の取引が望めなくなってしまいます。

たとえ満足されているからといって、必ずしもアップセル・クロスセルを狙うのが正解とは限らないことを心に留めておきましょう。

資料「マーケティング支援サービス資料」を無料ダウンロード

まとめ:顧客単価を高めるアップセル・クロスセル戦略

アップセルとクロスセルは、既存顧客の信頼を基盤に顧客単価を向上させる効率的な手法です。ただし、効果を最大化するには顧客ロイヤリティの見極めが不可欠です。

顧客のニーズと状況を的確に把握し、適切なタイミングで提案することが成功の鍵となります。すべての顧客に通用するわけではないため、無理な提案は逆効果になる点に注意しましょう。

既存顧客が難しい場合には、無理に追加の営業をかけずに新規顧客の開拓を目指しましょう。

もし新規顧客の開拓に課題をお抱えの場合には、soraプロジェクトのインサイドセールス代行サービスが有効です。

soraプロジェクトのインサイドセールス代行サービスが、効果的な顧客獲得をサポートします。
新規開拓にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

資料「マーケティング支援サービス資料」を無料ダウンロード

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。