目次
特にBtoBビジネスの場合には電話を活用した営業活動は欠かすことができないでしょう。電話を使ってどんなアプローチをするかが、成約件数や売り上げに大きく影響するのです。
今回は、営業を効率化させて売り上げを伸ばすテレマーケティングとはどんなものなのか、そのメリットと導入する際の注意点についてまとめてみました。
テレマーケティングとテレアポ代行との違い
テレマーケティングと混同しがちなものとしてテレアポ代行があります。
テレアポとは、電話で面談の約束・予約を取ることです。用意した営業リストや電話帳に基づき、電話をかけて面談の約束を取り付けます。獲得したアポイントは実際に面談する営業マンに引き継がれます。このテレアポを代行するのがテレアポ代行業者です。
テレアポ代行業者はアポイントを獲得するためのトークスクリプトや会話のノウハウが充実しています。しかし、アポイントの獲得件数による成果報酬型であるケースが多いため、面談の約束を取り付けることのみに力が注がれることも多く、実際に面談してみると成約可能性は高くないということもあります。
これに対して、アポイントの獲得に限らず電話を利用して販促活動を行うのがテレマーケティングです。
テレマーケティングのアウトバウンドとインバウンドの違い
テレマーケティングは顧客に電話をかけるアウトバウンドと、顧客からの電話を受けるインバウンドに大きく分けられます。
1.アウトバウンドテレマーケティングの特徴とメリット・デメリット
テレマーケティングにおけるアウトバウンドとは、企業側から顧客や見込み客に電話をかけて自社の製品やサービスを売り込む宣伝活動のことです。
アウトバウンドのメリットは、自社の製品やサービスの魅力をダイレクトに伝えることができる点や、電話で直接話すことで長期にわたる信頼関係を構築できる可能性がある点です。一方デメリットとしては、電話する側に能動的なコミュニケーションスキルが求められるため、高度な知識や技能を持ったプロフェッショナルな人材が必要となる点が挙げられます。
2.インバウンドテレマーケティングの特徴とメリット・デメリット
インバウンドテレマーケティングは、顧客からかかってくる電話を受けることが主体となるテレマーケティングの手法を指します。
インバウンドのメリットは、店頭での販売や説明にとどまらず電話によって受注や説明の機会を設けられるため売り上げを作る機会を増やせる点にあります。一方デメリットもあり、おもに常時電話応対ができる体制を新規で構築することに大きなコストがかかってしまう点が挙げられます。
アウトバウンドとインバウンドそれぞれに適した活用方法
アウトバウンドは主に商品やサービスの販売のために行われ、インバウンドは注文や問い合わせの受け付けなどに利用されます。新商品のご案内やダイレクトメールのフォロー、テレアポなどがアウトバウンドテレマーケティングの例、通販の電話窓口やお客様相談窓口などがインバウンドテレマーケティングの例です。
テレマーケティングを行う際には、電話をかけるスタッフの確保や教育研修が必要になるため、コールセンターを運営している企業にアウトソーシングする方法が一般的です。
アウトバウンドテレマーケティングとは?
テレマーケティングのなかでも中心になるのが、顧客または見込客に電話でアプローチするアウトバウンドテレマーケティングです。
アウトバウンドテレマーケティングは、見込客の発掘や育成、面談設定、営業フォロー、キャンペーン案内など、マーケティング活動のなかで幅広く活用することができます。
例えば、展示会やセミナーで取得した見込客情報があっても、営業マンがすべてをフォローするのは難しいでしょう。営業マンは顧客との面談、提案書や見積書の作成、顧客のフォロー、クレーム処理など、業務範囲も広く忙しいものです。
また、毎月結果を出すためには成約可能性の高い見込客に力を注がなければなりません。そのため、見込客を育成する業務はどうしても後回しになりがちです。そこで、効果的な手法としてアウトバウンドテレマーケティングが注目されています。見込客に電話をかけてニーズが高まるよう適切な情報を提供し、成約可能性が高まった時点で営業マンが面談して成約につなげるのです。この見込客の育成作業をテレマーケティングで行うことによって、効率のよい営業が可能になります。
テレマーケティングを導入するメリット
必要な情報があれば簡単にネット検索できるようになったこともあり、売り手側からの一方的なセールスは敬遠される傾向が強くなっています。そのため、従来の営業手法は効率が悪くなっているのです。この問題を解決できるのがテレマーケティングの導入です。
テレマーケティングを導入することで、顧客や見込客との良好な関係づくりができるようになります。それぞれの見込客に合った最適なタイミングで有益な情報を提供することで、購買意欲を高めることが可能です。また、既存客に対してはフォローをしながらアップセルやクロスセルを行うこともできます。テレマーケティングを導入すれば、営業マンは見込み度の高い顧客との面談や提案に集中できるようになります。面談するのは購買意欲が高まった顧客ですので、成約率アップや売り上げアップが期待できるでしょう。営業マンは、断られるというストレスから開放されてモチベーションも上がるため、営業部門の活性化にもつながります。
見込客の発掘、育成から成約までの情報が共有できるようになるので、営業ノウハウが社内に蓄積されるというメリットもあります。結果として、効率のよい営業となるため、営業コストを大きく下げることにもつながるでしょう。
情報の共有化と営業部門との連携がポイント
営業活動は、テレマーケティング部門だけで完結するものではありません。テレマーケティングを導入して成功につなげるためには、情報の共有と営業部門との連携がポイントになります。
顧客の属性や購買意欲の熟成度、今まで誰がどんなアプローチをしたかなどの履歴を、関連する部署全体で共有することが重要です。情報共有がきちんとできずにアプローチもれがおきれば、せっかくの販売機会を見逃してしまうことになります。逆に、二重にアプローチするようなことになると会社の信用を損なってしまうでしょう。
情報をしっかり共有したうえで、どの段階になったら営業部門に引き渡すのかなどのルール決めも必要になります。また、面談後の情報をテレマーケティング部門へ的確にフィードバックすることも大切です。例えば、成約率が悪いと「テレマーケティング部門からの情報が適切でないから」「営業マンのスキルが低いから」などと責任のなすりあいになりがちです。このようなことにしないためには、テレマーケティング部門と営業部門が一緒になって検証することが大切です。プラン・ドゥ・チェックを繰り返すことで、テレマーケティングの精度も高まるでしょう。テレマーケティング部門と営業部門が緊密に連携することで、成功へとつながるのです。
テレマーケティングを導入する際の注意点
テレマーケティングを導入する際には、その目的を明確にすることが重要です。テレマーケティングが良さそうだからと、安易に導入したのでは成功は期待できません。
まず自社の営業部門の課題を洗い出し、「成約率を○%上げる」「初回アプローチから成約までの期間を○割短縮する」のように、導入の目的を明確にしましょう。また、テレマーケティングを導入する際には、設備や人材、ノウハウが必要になります。人材を確保して教育・研修するためにはコストも時間も必要です。ですから、専門の業者へのアウトソーシングを検討するのも良いでしょう。「新規客を獲得できない」「見込客情報が面談につながらない」などの悩みがあったら、一度専門の業者に相談してみることをおすすめします。自社の課題をぶつけることで、テレマーケティングを活用した効果的な解決法の提案が期待できます。テレマーケティングで営業を効率化させ、飛躍的な業績アップにつなげていきましょう。
【関連記事】
・顧客の購買行動が把握できるカスタマージャーニーマップとその作成手順
・リードナーチャリングの導入手順と成功させるための4つのポイント
投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
最新の投稿
- 2024年4月25日営業代行相見積もりとは?基礎知識とメリット、マナーや注意点を解説
- 2024年4月23日マーケティングTikTok Liteは広告を出稿できる?具体的な方法を詳しく解説
- 2024年4月22日営業代行潜在ニーズとは?引き出す方法やコツ・成功例を解説
- 2024年4月18日営業代行リベートとは?意味や活用シーン・会計処理方法を具体的に解説