オーディオ広告の可能性とは?メリット・デメリット、拡大する市場をもとに紹介

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近年、電車や街中でイヤホンをしている人を多く見かけるようになってきました。 
これは、音楽配信サービスやインターネットラジオなどの普及により、音声コンテンツを楽しむユーザーが増えたことが背景にあげられます。

音楽ストリーミングサービスなどを筆頭に、ユーザーの音声コンテンツとの関わり方も、自分の好みの音楽を取り込み、それを再生する形から気分に合わせた音楽を再生する形へと、大きく変化しています。

このような大きな変化に伴い、聴覚からユーザーの記憶に訴えかけるオーディオ広告が注目を集めています。
本記事では、オーディオ広告に関する基礎知識やメリット・デメリット、出稿する際のポイントなどを解説していきます。

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オーディオ広告とは

オーディオ広告とは、オーディオアドやデジタル音声広告など複数の呼び方が存在し、その名の通り、音声のみで情報を伝え、販促を行う広告手法のことです。

従来にも音声のみで情報を伝える媒体にラジオがありました。
ここでの広告をオーディオ広告とは呼ばれておらず、ラジオ広告と呼ばれていました。

近年、Spotifyやradiko、ポッドキャストなどといった音楽ストリーミング配信やインターネットラジオなどのデジタル音声メディアが増加してきています。
オーディオ広告は、日本ではまだなじみがありませんが、アメリカではすでに普及している広告手法の一つです。

ラジオ広告との違い

オーディオ広告が用いられるメディアは、リアルタイムで楽しむ地上波ラジオとは違い、ユーザーに合わせたコンテンツをユーザーが好きなタイミングで楽しむことができます。

地上波でリアルタイムに流れるラジオで配信される広告をラジオ広告、Spotifyやradikoなどのプラットフォームに配信する広告をオーディオ広告といいます。

これらの違いから主にラジオ関係者を中心に、従来のラジオ広告とオーディオ広告は区別されています。

日本とアメリカのオーディオ広告市場規模

日本ではまだ馴染みがないオーディオ広告ですが、年々市場が拡大してきています。
すでに普及しているアメリカの市場と一緒に見ていきましょう。

アメリカでのオーディオ広告市場規模

2021年度のアメリカでのオーディオ広告の市場規模は、媒体側の売上で約5,848億円と毎年2桁以上の成長をしています。

オーディオ広告は世界の広告市場において近年注目を集めており、Spotifyやポッドキャストなどの普及がさらに進むことで、今後もオーディオ広告への出稿は増えていくと予想されます。

日本でのオーディオ広告市場規模

日本では馴染みがないオーディオ広告ですが、近年市場規模が拡大しています。

2020 年のオーディオ広告市場規模は20019年から229%成長し、16 億円規模へ成長しています。
さらに2022年以降急速にさまざまなプラットフォームが普及し始めたため、市場は拡大し続けています。

2025年には420億円規模になると見込まれているほど、日本の広告市場でも注目を集めている広告手法と言えます。

オーディオ広告3つのメリット

オーディオ広告は、画像や動画といった視覚に働きかける広告とは違い、聴覚のみに働きかける広告です。
そのため、ユーザーが視聴しやすい点が特徴といえます。以下では、そのようなオーディオ広告のメリットについて詳しく解説します。

完全聴取率が高い

オーディオ広告には、動画広告でよく見られるスキップ機能がありません。
そのため届けたいユーザーに対して、届けたい情報を届けられる可能性が比較的高いと言えます。

視覚情報の場合、ユーザーが興味がないと見ようともしない傾向にありますが、聴覚情報の場合は、情報受け入れの可否を瞬時に判断できない傾向にあります。

記憶に残りやすい

聴覚情報は脳に伝わりやすく、長期的に記憶されやすい傾向にあります。

また、音声は映像と比べ、過去の思い出や過去に触れた時の状況を思い出し、自分事につながりやすく、記憶に残りやすいという研究結果もあります。
ゆえに、音声を活用した広告は記憶に残り、認知度の向上や潜在顧客の育成につながることが利点です。

コンテンツ制作コストや時間を抑えられる

長尺動画、ショート動画に限らず、動画広告コンテンツの制作には、企画構成、キャスティング、撮影、編集などさまざまな工数があるため、費用や時間がかかってしまいます。

しかし、オーディオ広告の場合、音声もしくは簡単なスライド資料に音声を加えた物で構成されているため、従来の動画広告よりも安価かつ時間をかけずに制作できます。

ユーザーにとって伝えたい情報をイメージさせることができれば、制作コストや時間を抑えられる広告手法のため、広告配信初心者でも比較的挑戦しやすいと言えます。

オーディオ広告のデメリット

メリットだけ見れば従来の動画広告よりも優れて見えますが、オーディオ広告にもデメリットがあります。
以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

聞き流される可能性がある

オーディオ広告のメリットの1つに完全聴取率が高いことが挙げられています。これは、動画広告で見られるスキップ機能がオーディオ広告には備わっていないことが理由でした。

しかし、広告がスキップできないからと言ってユーザーに情報が伝わっているとは限りません。

広告が流れている間、ユーザーの注意力が散漫となったり、意識的に広告を無視されてしまう可能性があります。
また、スキップできない分、うっとうしく感じられ、イメージが悪くなってしまう危険もあります。

馴染みのない商品やサービスはイメージが難しい

オーディオ広告は視覚情報がないため、商品やサービスのイメージを訴求が比較的難しい広告手法と言えます。

商品やサービスの特徴を聴覚情報だけではイメージしにくいため、馴染みのないものには広告効果が薄れてしまう可能性があります。

効果測定の仕組みが確立されていない

オーディオ広告の場合、画像などの視覚情報で訴求するディスプレイ広告や動画広告とは違い、ユーザーが広告をクリックするなどのアクションを把握しにくい傾向にあります。

オーディオ広告を出稿する際は、メディアや広告枠の特徴を把握したうえで行うように心がけていきましょう。

オーディオ広告を出稿する際の3つのポイント

オーディオ広告のメリット・デメリットを見てきましたが、従来の広告とは違う、音声ならではの特徴を活かすことが重要です。

以下では、オーディオ広告を実際に出稿する際に気を付けておきたいポイントをご紹介します。

初めの5秒で印象付ける

オーディオ広告は、音声のみで15〜30秒の短い時間であっても訴求したい商品やサービスの内容を簡潔に伝えなければいけません。
また、オーディオ広告のデメリットの1つに聞き流される可能性があるので、重ねて注意が必要です。

後ほど詳しく解説していきますが、頻繁にオーディオ広告が出稿されるプラットフォームにYouTubeがあります。

YouTubeにオーディオ広告を出稿する場合、他のYouTube広告と同様にオーディオ広告の場合であっても5秒でスキップできます。

そのためには、冒頭の5秒でユーザーの興味関心を惹きつける構成にすることが重要です。商品やサービスの認知を広げるためにも、スキップボタンが表示される前の5秒を重視しましょう。

ターゲットを明確にする

オーディオ広告は、ターゲットによって配信内容を調整できます。
年齢や性別といったデモグラフィックの設定や平日の夜、休日といった広告配信の時間を調節しましょう。

ターゲティングには、ユーザーの趣味・趣向も含まれます。広告を配信するプラットフォームの選定も重要になってきます。
また、ターゲットを絞りすぎると、広告が届くユーザーが極めて少なくなるため、注意が必要です。

他の広告と掛け合わせ、効果を高める

オーディオ広告のメリットの1つに、記憶に残りやすいという特徴があります。
そのメリットに伴い、オーディオ広告は、動画広告やディスプレイ広告などと掛け合わせることでより広告効果が高まります。

オーディオ広告で事前にユーザーの興味関心を惹きつけることができると、他の広告に対する興味が湧いてきます。
聴覚情報は視覚情報に比べ、記憶に残りやすく、受け入れられやすいため、うまく活用していきましょう。

オーディオ広告出稿にオススメプラットフォーム

最後にオーディオ広告が多く出稿されているプラットフォームを紹介していきます。

Spotify

Spotifyは、世界で大人気の音楽ストリーミングサービスです。
2億人以上のユーザーから支えられるプラットフォームのため、世界最大規模と言えます。

Spotifyでは、無料ユーザーに対して最大30秒のオーディオ広告を配信でき、細かなターゲティングができるため、より効果的なオーディオ広告を世界に向けて発信できます。

radiko

radikoは、日本最大級のラジオ配信サービスです。無料で登録ができますが、有料会員になると日本のラジオ番組がすべて聴き放題になることや、過去1年分のラジオ放送を聴くことができます。

radikoでのオーディオ広告は、ユーザーが過去に聴いた配信や位置情報などのデータを可視化して管理されているため、それらを活用した出稿が可能です。

これにより、ユーザーの一人ひとりに合わせたオーディオ広告の配信できます。

YouTube

YouTubeは、世界的に有名なGoogleが提供する動画共有サービスです。
日本では2021年2月より、一部の企業でYouTubeオーディオ広告のβ版の使用が可能になりました。

YouTubeオーディオ広告は、YouTubeYouTube Musicで配信できます。

YouTube Musicには、7,000万以上の公式トラックがあり、豊富な楽曲が存在しています。YouTubeオーディオ広告では、配信時にクリック可能な静止画もしくは静止画で構成された動画が表示されます。

そのため、オーディオ広告のデメリットの1つにもあった効果測定の仕組みがクリックにより明確化されています。

オーディオ広告を用いて効果的に訴求しよう

オーディオ広告は、近年人気を集めているSpotifyやポッドキャストなどの音楽ストリーミングサービス、radikoなどのインターネットラジオの普及により、注目を集めている広告手法です。

商材やターゲットが合致していれば、うまく活用することで販促の効果アップが期待できます。

株式会社soraプロジェクトでは、インサイドセールスやテレアポ、Webマーケティングなどの代行サービスを提供しています。
オーディオ広告の出稿や注意点などについても相談できるので、ぜひお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。