キードライバーとは？ビジネスにおける比較対象・分析方法を解説

ビジネスにおいて、目標を達成するには影響力の強い要素を把握しておく必要があります。
影響力の強い要素を分析することで、目標を達成するために必要な課題や施策が見つかります。

そこで注目されるマーケティング用語の1つが、キードライバーです。
キードライバーを分析すれば、方向性のブレをなくして目標を達成するために改善に取り組んでいけます。

しかし、担当者のなかには「キードライバーがどのような概念かわからない」、「何を比較対象にすれば良いかわからない」といった悩みもあるのではないでしょうか。
本記事では、キードライバーの詳細からビジネスにおける比較対象、分析方法まで詳しく解説します。

キードライバーの役割や分析のノウハウを理解できるので、ぜひ参考にご覧ください。

キードライバーとは

キードライバーとは、目標達成に影響する大きな要素を指します。
例えば飲食店を経営している場合、売上を目標に設定するなら展開するメニューやスタッフの質、競合点との違いなどがキードライバーです。

影響力の高い要素から優先的に改善を加えることで、効率良く目標を達成することが可能です。
業界や業種などによって求める目標は異なるため、それぞれのキードライバーを見つけて改善を加えていかなくてはいけません。

キードライバーの影響を分析するには、キードライバー分析をおこなう必要があります。

NPSとの関係性について

キードライバー分析をはじめるには、NPS（ネット・プロモーター・スコア）を理解しておく必要があります。
NPSとは、顧客ロイヤリティを数値化するための調査・指標です。

自社ブランドに愛着や信頼を持っている顧客を調査することで、獲得に必要な要素を把握できます。
NPSの調査はキードライバーとも大きく関係しており、顧客ロイヤルティの獲得は売上目標を達成するための要素となっているのです。

NPS調査に必要な費用相場

NPS調査には、自社商品・サービスの顧客推奨度を調査する必要があります。
代表的な調査方法として、インターネットを活用したアンケート調査が主流となっています。

ネットリサーチを活用した場合、10問から30問のアンケートで500回答から1,000回用を獲得すると10万円〜50万円の費用が必要です。
対面式アンケートを採用するなら、100万円程度の費用が必要です。

選択する調査方法によって必要な費用は大きく変動するため、自社の予算に合った方法を見つけるようにしましょう。

キードライバーを使用する3つのメリット

キードライバーを使用することで、以下のようなメリットがあります。

1. 顧客満足度を向上できる
2. 自社の強みを把握できる
3. 改善策を見つけられる

それでは順番に説明します。

1.顧客満足度を向上できる

キードライバーによって影響力の強い要素を把握できれば、改善を加えながら顧客満足度を向上可能です。
曖昧な施策を続けても求める成果を得ることはできないため、時間やコストが無駄になってしまいます。

キードライバー分析によって影響力の強い要素が見つければ、何を改善すべきか明確です。
例えばパソコンを販売する場合、宣伝方法や接客方法を改善することで顧客からの評価を高めて購入へとつなげることが可能です。

そのため顧客満足度を向上できる点は、キードライバーを使用する大きなメリットと言えます。

2.自社の強みを把握できる

キードライバーを分析することで、目標達成に影響を与える要素から強みを把握できます。
業種や業界、展開する商品・サービスによってそれぞれ持っている強みは異なります。

自社の強みを把握できれば、競合他社にはない独自性を顧客にアピールすることが可能です。
顧客も購入や申し込みをする必要性を理解できるため、結果的に売上へとつながります。

3.改善策を見つけられる

キードライバーから重要な部分を特定できれば、改善すべきポイントが見つかります。
例えばコンサルティングサービスを提供する場合、専門的な分野に関するサービスやスタッフのスキルなどが影響を与える要素です。

WebサイトやSNSで自社の実績やスタッフのスキルなどを具体的に説明すれば、課題解決を求めるクライアント企業から問い合わせを獲得することが可能です。
キードライバー分析から比較ポイントを洗い出し、優先順位をつけることで今すべき改善策が見つかります。

効果的な改善策を見つけられる点は、キードライバーを使用するメリットの1つです。

キードライバーの比較対象

キードライバーには、以下のような比較対象があります。

• 競争率の高い企業
• 自社ブランドと関連性が高い競合ブランド

基本的にキードライバーの比較対象は、自社と同じような商品・サービスを提供している企業です。
自社との違いや強みを見つけるためにも、チェックしておきましょう。

競争率の高い企業

キードライバー分析をするときは、自社と競争率の高い企業を比較対象とします。
市場におけるポジションを明確にすることで、自社と他社の違いを把握することが可能です。

何が他社よりも優れているか、自社が劣っている部分は何かなどを比較し、改善点を見つけていきます。
まずは競争率の高い企業をリストアップし、それぞれの強みなどをデータとしてまとめていきましょう。

自社ブランドと関連性が高い競合ブランド

間接的に自社ブランドと関連性が高い競合ブランドも比較対象です。
例えばお菓子メーカーを経営している場合、チョコレートなど特化したブランドを提供する企業が競合ブランドとして当てはまります。

こちらも競争率が高い企業と同じく、自社と他社の違いについて比較しながらデータを取っていく流れです。
競合ブランドが優れているポイントを見つけることができれば、自社商品やサービスに応用できるようになります。

キードライバー分析の前に準備すべき2つの段階

キードライバー分析をはじめるときは、事前に以下の準備を済ませておきましょう。

• 構成概念を考える
• 影響を与える要因を考える

上記の段階はどちらも重要です。
これからキードライバー分析をおこなうときは、必ずチェックしましょう。

構成概念を考える

構成概念とは、目標とする総合的指標を指します。
事前に目標を設定しておくことで、方向性のブレをなくして重要な要素が見つかります。

例えば「品質の良さ」を構成概念とする場合、原材料や製造工程などが該当します。
商品の品質に関連する要素を評価することで、何を改善すれば良いかが明確です。

影響を与える要因を考える

続いて、構成概念に影響を与える要因を考えます。
目標に関連する個別評価要因を評価し、具体的な改善点を見つけていきます。

個別評価要因は1つだけでなく、複数の項目を設定して問題ありません。
例えば「接客のクオリティ」を構成概念にするなら、従業員の教育体制や親切さなどを個別評価要因とします。

スタッフによって接客のクオリティに差があるときは、良い評価を得ている人材を参考にしながら育成に力を入れることが大切です。
業界や業種によって必要な構成概念や個別評価要因は異なるため、キードライバーを分析するためにも設定しておきましょう。

キードライバーの分析方法

キードライバーの分析には、以下のような方法があります。

• フレームワークを作成する
• 定期的に分析を続ける
• 適切な競合他社を比較対象にする

それでは詳しく解説します。

フレームワークを作成する

はじめにキードライバーのフレームワークを作成し、目標に影響を与えている要素を可視化します。
フレームワークは2×2の枠で作成して、それぞれ以下のように分類します。

• 左上のエリア要素：重要度が高くて評価が低い要素
• 右上のエリア要素：重要度・評価が高い要素
• 左下のエリア要素：重要度・評価が低い要素
• 右下のエリア要素：重要度が低くて評価が高い要素

フレームワークのマトリックスに要素をまとめることで、優先順位や改善点が明確化されます。
重要度や評価の要素を把握するためにも、最初にフレームワークを作成しておきましょう。

定期的に分析を続ける

キードライバー分析は、一度だけでなく定期的に分析を続ける必要があります。
経済状況によって顧客のニーズは変化するため、効果測定をしながら改善点を見つけることが大切です。

状況によっては、現在の分析方法や指標の見直しが必要になる可能性も高いです。
そのためキードライバー分析をおこなうときは、定期的に分析を続けるようにしましょう。

適切な競合他社を比較対象にする

キードライバー分析は、適切な競合他社を比較対象とする必要があります。
比較対象になる企業がない場合、自社の強みや優位性を見つけることは困難です。

また、他社よりも劣っている部分を知るためには、比較対象となる企業が必要です。
インターネットやSNSなどを活用しながら、自社の競合となる企業を調査するようにしましょう。

キードライバーの比較対象を決定するときの注意点

キードライバーの比較対象を決定するときは、構成概念の個別評価要因や分析方法に問題がないかチェックするようにしましょう。
目標達成に重要な要素ではない個別評価要因を設定してしまうと、間違った改善策を実施する原因となってしまいます。

また、キードライバー分析に適した方法を選定していない場合、求めているデータを集めることが難しいです。
キードライバーは目標を達成することが目的となっているため、設定項目を間違えると方向性にブレが発生します。

構成概念や要因、分析方法の設定に問題がないかチェックし、不要だと思ったものは削除するようにしましょう。

キードライバーの分析におすすめのNPSツール3選

最後に、キードライバーの分析におすすめのNPSツールを3つ紹介します。
ツールの詳細や特徴について説明するので、ぜひ導入を検討してください。

1.NPX Pro

NPX Proは、CX（カスタマーエクスペリエンス）向上を支援するためのNPSツールです。
顧客のフィードバックから分析、改善アクションの促進ができ、顧客体験を改善しながらロイヤルティを向上できます。

定量的なデータやテキストデータなど幅広いフレームワークを用意しており、優先的な改善策が見つかります。
CX向上に必要な機能を求めるなら、NPX Proの利用がおすすめです。

2.CREATIVE SURVEY

CREATIVE SURVEYは、顧客心理を知ることのできるアンケートコミュニケーションプラットフォームです。
Webアンケートや顧客管理ツールでは見つけられない心理や体験などの顧客情報を収集でき、効果的な施策を立案できます。

施策や目的に合わせて担当者が導入支援をサポートしてくれるため、継続的な体制が構築されています。
シンプルで直感的なUIとなっており、複雑な質問も簡単に作成可能です。

キードライバーに必要な顧客情報を収集するなら、CREATIVE SURVEYの利用がおすすめです。

3.M-ONE

M-ONEは、アンケート分析とテキストマイニングの機能を兼ね備えたNPSツールです。
顧客からのコメントをAIが判断し、ポジティブ・ネガティブな要素を判別できます。

相関分析機能やRFM分析機能などもあり、細かなデータ収集が可能です。
顧客インサイトを深く探りたいなら、M-ONEの利用がおすすめです。

キードライバーを分析して改善策を見つけましょう

今回は、キードライバーの詳細からビジネスにおける比較対象、分析方法まで詳しく解説しました。
キードライバーは目標を達成するための重要な要素であり、設定しておくことで課題や改善策を見つけられます。

業界や業種によって設定する要素は異なるため、最適なキードライバーを見つけることが大切です。
顧客満足度の向上や自社の強み、改善策などのメリットを得るためにも、キードライバー分析をはじめてください。

株式会社soraプロジェクトでは、インサイドセールスやテレアポ、Webマーケティングなどの代行サービスを提供しています。
キードライバーの分析方法についても相談できるので、ぜひお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴

1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。

最新の投稿

• 2024年6月18日マーケティングオーディオ広告の可能性とは？メリット・デメリット、拡大する市場をもとに紹介
• 2024年6月17日マーケティングデジタルサイネージ広告とは？特徴・導入の仕組みを詳しく解説
• 2024年6月13日マーケティングOODA（ウーダ）ループとは？PDCAサイクルとの違いやメリット、おすすめの本を紹介
• 2024年6月11日マーケティングPEST分析とは？手順や成功させるポイントをわかりやすく解説