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売上拡大のために効果的な新規営業。
営業の進め方としては飛び込み営業が一般的ですが、まったくつながりのない顧客にアポを取らずに訪問する飛び込み営業は成功率が低いことも事実です。
現在飛び込み営業を行っている企業のなかにも、「飛び込み営業は運次第だから非効率的」「飛び込み営業はそもそも時代遅れなのでは」と感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、飛び込み営業は基本を理解して実践すれば新規開拓の成約率を高められる営業方法です。
本記事では、飛び込み営業を成功させるコツをフェーズ別に解説しています。
飛び込み営業を行う方はぜひ参考にしてみてください。
新規営業における飛び込み営業とは

新規営業とは、これまでつながりのない新しい顧客を開拓する営業活動を指します。
新規営業で多く行われているのが、昔ながらの訪問営業です。
アポイントを取らずに訪問することから、飛び込み営業とも呼ばれています。
飛び込み営業は、初回から対面でのアプローチが可能であり、決済者や担当者と直接交渉ができます。
そのため、飛び込み営業で交渉が上手く進むと、スムーズに担当者との関係性を構築することが可能です。
しかし、飛び込み営業は断られる可能性が高く、移動や担当者不在により無駄な時間が発生するため効率的ではないと考える方も多いです。
新規営業の主な手法
新規営業で用いられる主な営業手法は以下の4つです。
- 電話営業(テレアポ)
- メール営業
- 代理店営業
- 訪問営業(飛び込み)
電話営業(テレアポ)は、アポイントを取れればスムーズに商談につなげられます。
しかし、担当者不在などの理由で直接話せる機会が持てないことも多く、成功率は非常に低い営業手法です。
メールアドレスを知っている場合にはメール営業も可能ですが、まったくの新規の場合は特定電子メール法に反する可能性があるので注意が必要です。
特定電子メール法では、送信の同意を得ていない相手へのメール送信は違法とされているので、メール営業の際は十分気をつけてください。
代理店営業は、代理店を通して顧客へ営業を行う手法です。
しかし、代理店経由で成約した場合には代理店へマージンの支払いが発生します。
直接営業をかけるよりも費用がかかる点に注意が必要です。
飛び込み営業は、直接顔を見て話せるので信用を得られれば成約につながりやすいのがメリットです
しかし、忙しい中時間を取ってもらうのは難しく、場合によっては門前払いをされる可能性もあります。
成功率を高めるためには、基本を理解したうえでしっかりと準備して営業活動を行いましょう。
新規営業が必要な理由
新規営業は、企業の成長と人材育成につながる重要な業務です。
新規顧客を獲得できない場合は、既存顧客のリピートや関連商品の購入によって、利益を挙げなければなりません。
しかし既存顧客に依存する経営戦略では、事業を維持・成長させることが難しく、中長期的に停滞する可能性が高いです。
新規営業によって新規顧客を獲得しておけば、既存顧客のリピートが得られない場合でも、業績を安定させられます。
さらに新規顧客を獲得することで、新たな取引先が増えるため、事業を成長させられます。
また新規開拓は既存顧客の維持より難易度が高いため、新人に営業力を育成する際に効果的です。
人材育成と事業の成長を促進するために、新規営業が求められます。
飛び込み営業は時代遅れなのか
かつて飛び込み営業は新規顧客を開拓するための代表的な営業手法とされていましたが、近年では「飛び込み営業は時代遅れだ」と言われることも少なくありません。
しかしメリット・デメリットさえ理解すれば、飛び込み営業は依然として有効な営業手法です。
なぜ飛び込み営業を時代遅れと感じるようになったのか。
それは、デジタル化の発展によってインサイドセールス(訪問しない営業)が主流となった事に起因します。
訪問しないインサイドセールスに比べ、飛び込み営業は足で件数を稼がなくてはいけません。
そのためどうしても効率が悪くなり、さらに忙しい顧客に時間を取ってもらう必要もあります。
誰もがSaaSを活用し、スマートフォンで仕事を管理し、DX化によりビジネスが加速していく中、どうしてもアナログ的な飛び込み営業は忌避されるようになりました。
しかしながら、インサイドセールスには信頼関係の構築が不十分になりがちです。
なぜなら、オンラインのみのコミュニケーションは、対面で直接話せる飛び込み営業と比較して、親密な関係を築くのが難しい傾向にあるからです。
この点において飛び込み営業には、営業担当者が直接訪問することで、信頼関係構築において競合他社より優位に立てるという利点があります。
むしろ、飛び込み営業が時代遅れになったのではなく、インサイドセールスという新たな選択肢が加わったと考えるべきです。
飛び込み営業とインサイドセールスを適切に使い分け、それぞれの長所を活かせば、より効果的に新規顧客を開拓できます。
飛び込み営業を行う際の5つのフェーズ
飛び込み営業は、次の5つのフェーズに分類されます。
- 事前準備
- 訪問(飛び込み)
- 営業
- 訪問後のアフターフォロー
- 既存顧客の育成
飛び込み営業は、計画的なアプローチが求められるため、各フェーズの概要とコツを確認しておきましょう。
事前準備
飛び込み営業の成功は、訪問前の事前準備にかかっています。
訪問する企業の情報を収集し、提案内容を考えるのはもちろん、確認事項やトークの組み立てもある程度事前に計画しておきたいところです。
事前準備がしっかりできていると、訪問時に慌てずに対応できるため、相手に好印象を持ってもらえます。
企業ごとの営業方針にもよりますが、以下のような準備をすることが多いです。
- ニーズをリサーチしておく
- 訪問先の企業が抱える課題と、自社の持つソリューションの関係を整理する
- 訪問時のゴールと撤退条件を決める
- 初回の訪問で何を達成したいか(名刺交換、資料を受け取ってもらう、次のアポイントメントの約束など)、相手の反応によってはどれぐらい粘るかなどを明確にしておく
- 資料準備
- 持って行く資料や製品カタログの内容を確認する
- 身だしなみの確認
- 自身の身だしなみを整えておく
訪問(飛び込み)
訪問(飛び込み)は、顧客と初めて直接顔を合わせるタイミングであり、第一印象が非常に重要となるフェーズです。
- 忙しい時間帯や避けるべき曜日を避け、相手に負担をかけないタイミングを狙う。
- 最初の挨拶はシンプルかつ礼儀正しく行い、自己紹介と目的を手短に説明する。
- 短く明確なアプローチを心がける
ただ訪問するだけでも、できることは山程あります。
重要なのは「この段階では、まだ契約を急ぐ必要はない」ことです。
ファーストアプローチでは、次のような目的を持って、顧客に良い印象を与えることが大切です。
- 挨拶(顔や名前を覚えてもらう)
- 商品や企業説明(商品名や企業名を覚えてもらう、興味を持ってもらう)
- アポ取り(次の約束を取り付ける)
ファーストアプローチでは、焦って契約に結び付けるのではなく、何度も訪問できる良好な関係性を築くことを目指しましょう。
営業
訪問時の反応が好感触の場合や、何度も訪問して関係性を築いた頃合いで、改めて営業に入ります。
営業を成功させるには、お客さまが抱えている課題や要望をヒアリングし、ニーズに合った提案をしなければなりません。
十分なヒアリングができていない状態で営業に入っても、自社の商品やサービスを押し売りする形になってしまい、顧客の興味を引けません。
お客さまの課題を解消し要望に応えられる提案をすることで、顧客ニーズを満たして自社商品に興味を持ってもらえます。
また競合他社にはない自社特有の優位性を示して、自社の商品により強い関心を持ってもらいましょう。
このフェーズでは、相手との信頼関係を強固にしながら、具体的な契約や次のアクションにつなげることが目標です。
訪問後のアフターフォロー
飛び込み営業の成功には、訪問が終わった後のアフターフォローが欠かせません。
アフターフォローのポイントは、継続的な関係を築くことです。
感謝のメールやメッセージ、相手から振られた話に関する追加の資料、次の訪問の約束。
単なる一回の営業に終わらせず、顧客との長期的な関係を意識して、定期的にコンタクトを取り続けることを意識しましょう。
特にBtoB取引の場合は、成約までのリードタイムが長期化しやすいため、営業後に良好な関係性を維持するフォローが必要です。
良好な関係性を維持できなければ、成約まで結びつかなかったり他社へ流れたりと、契約に至らない可能性があります。
飛び込み営業後のアフターフォローを徹底して、徐々に相手との関係性が深まめて、ビジネスチャンスにつなげましょう。
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新規営業(飛び込み営業)では事前準備が成功を左右します。
コツを知っているかどうかで成功率に差が出てくるので、あらかじめチェックしておきましょう。
抑えるべきポイントは4つです。
- 営業先をリサーチする
- アイスブレイクを用意する
- 営業トークの流れを決めておく
- 身だしなみをチェックする
営業先をリサーチする
1つ目のポイントは、営業する相手の情報をなるべく具体的にリサーチすることです。
新規営業では顧客と初めて接触するため、営業に必要な情報を知らない場合も少なくありません。
情報を何も把握しないまま営業をしてしまうと、「うちのことを何も知らないのに営業に来たの?」と不信感を抱かれるリスクがあります。
良い第一印象を与えるためにも、事前に顧客情報についてリサーチして、スムーズに話が進められるよう準備しておきましょう。
飛び込み営業前には、次の準備をしておくことが大切です。
- ターゲット層の選定
- 新規開拓リストの作成
まず自社の商品やサービスを提供するターゲット層を選定するために、顧客の分析やペルソナを設定しましょう。
次にインターネットや電話帳・SNS・データバンクの情報を基に、新規開拓リスクを作成してください。
無暗に飛び込むのではなく、営業をかけるターゲットを明確化することで、効率的に新規開拓できます。
顧客が法人であれば、公式サイトや公式SNSから企業規模や事業内容、主な取引先などの情報を収集しておきましょう。
調査した情報から顧客の課題を予測して、自社商材での解決策(具体的な提案内容)まで考えておくと、より効率的に話が進められます。
きちんと調べたうえで営業をすると、「うちのことを本気で考えてくれている」「一緒に取り組めば課題を解決できそう」といった好印象につながります。
アイスブレイクを用意する
2つ目のポイントは、アイスブレイクの話題をいくつか用意しておくことです。
アイスブレイクとは、ビジネスシーンにおいて本題を話す前に雰囲気を和ますためにする雑談のことで、有効なコミュニケーション手法です。
初めましての状況でいきなり提案から入ると相手が身構えてしまい、まともに話を聞いてもらえません。
営業では、まずはアイスブレイクを活用して互いの緊張をほぐし、信頼関係を築きやすい状態にしてから提案に入ります。
互いの緊張がほぐれるように、自己紹介や同じ業界のニュースなど、相手の話を引き出すための話題を用意しておきましょう。
新規営業で活用しやすいアイスブレイクの内容には、以下のようなものがあります。
- 相手の名刺に記載された情報やデザイン
- 顧客企業の新サービス
- 顧客企業の取り組みや制度
相手の反応を見ながら、適切な話題を提供できるようにしっかり準備しましょう。
営業トークの流れを決めておく
3つ目のポイントは、営業トークの流れを事前に決めておくことです。
理解しやすく滑らかなトークは、相手に信頼感を与えます。
事前に流れを決めておくことで、「クロージングを忘れた」「次回の約束を取り付け忘れた」といったケアレスミスを防ぐ上でも有用です。
また、顧客との会話の流れをトークスクリプトとしてまとめておくと、相手のペースに巻き込まれることなく必要な話ができ、質の高い営業トークにつながります。
トークスクリプトの作成には時間がかかりますが、一度作れば応用して使い回せますし、同僚に協力を求めてトークの練習をすることも可能です。
スクリプトをアレンジする際には、事前に用意した相手の情報や会話のネタも盛り込みましょう。
トークスクリプトを用意する際のポイントとしては、具体的な内容ではなく、あくまで流れ(概要)だけを決めておくのがおすすめです。
一言一句用意してしまうと少し間違えただけで焦ってしまいます。
会話の流れだけを決めておけば、想定外の返事が来ても慌てずに対応できます。
以下の記事で、テレアポのトークスクリプトの作成方法を紹介しています。
テレアポは飛び込み営業と異なる営業手法であるものの、新規営業に活かせられる点もあるためぜひ参考にしてください。
身だしなみをチェックする
4つ目のポイントは、身だしなみをチェックすることです。
これは新規営業(飛び込み)に限りません。
「顧客と会う前には身だしなみをチェックする」を習慣化しましょう。
第一印象は最初の数秒で決まると言われています。
特に見た目が与える影響が非常に大きく、心理学ではメラビアンの法則や3Vルールと呼ばれます。
心理学者アルバート・メラビアン氏の実験結果によると、相手に与える影響の約55%が視覚情報による印象で決まるとされています。
つまり、素晴らしいトークと聞き取りやすい声でアプローチしても、身だしなみがだらしないだけで、印象の半分以上が「あの営業の人はだらしなかったな」というものになってしまうのです。
出典:アルバート・メラビアン著”Silent messages”
相手が受け取る情報 | 相手に与える印象の割合 |
---|---|
言語情報(会話の内容) | 7% |
聴覚情報(声のトーンや聞き取りやすさ) | 38% |
視覚情報(身だしなみや態度) | 55% |
また、身だしなみチェックの際は、ぜひ以下をチェックしてみてください。
- ヒゲや鼻毛は伸びていないか
- 髪はボサボサではないか
- スーツにシミや汚れはないか
- シャツはアイロンがかかっているか
- 爪は汚れたり伸びたりしていないか
- 体臭は気にならないか
顧客に会う前にはこれらをチェックして、清潔感を保っておきましょう。
自分自身でよくわからない場合もあるため、可能ならば上司や同僚などの第三者に確認してもらうのもおすすめです。
飛び込み営業を成功させるための訪問時のポイント

事前準備の次は、訪問時のポイントを紹介します。
抑えるべきポイントは以下の3つです。
- 忙しくない時間に訪問する
- 複数回かけて契約につなげる
- なるべく多く訪問する
忙しくない時間に訪問する
新規営業(飛び込み)をする際は、訪問時間帯が成功に大きく影響します。
顧客が忙しい時間帯に訪問すると、担当者と話ができない可能性が高いので注意しましょう。
一般的には以下のような時間帯が比較的狙い目です。
個人宅 | 10時~11時半まで 13時~16時半まで |
---|---|
法人 | 10時~11時半まで 13時~15時半まで |
個人宅への訪問は、家事が比較的に落ち着いている時間帯を狙うのがポイントです。
逆に、家事で忙しいタイミングに押しかけてしまうと、相手に不快な印象を与えてしまいます。
近年ではSNSの口コミで炎上するリスクもあるため、個人宅への訪問タイミングには注意が必要です。
一方で法人の場合は、始業してすぐの時間や終業ギリギリの時間は避けましょう。
準備や片付けで忙しいケースが多く、取り合ってもらえません。
朝の準備が落ち着いた外出前の時間帯、もしくはお昼休憩後の時間帯だとゆっくり話を聞いてもらえる可能性が高まります。
複数回かけて契約につなげる
訪問時の第一声では、相手に押し売り感を与えないことが重要です。
飛び込みの最終的な目的は成約につなげることですが、一度の訪問で成約につなげようと焦ってはいけません。
信頼関係が築けていない状態での提案は相手の警戒心が強くなり、契約につながりにくくなってしまいます。
顧客の課題解決を聞き出し、解決のための提案をすることが営業の目的です。
顧客の抱える課題を把握できていないと効果的な営業はできません。
そのため飛び込み営業の初日では、無理に話をつなげようとせずに、顧客との信頼関係構築に努めるのがおすすめです。
できれば次回のアポイントを取り付けるところまで持っていければベストですが、資料を受け取ってもらうだけでも十分な成果と言えます。
なるべく多く訪問する
飛び込み営業を成功へ導くためには、なるべく多く訪問するのも大切なコツです。
営業では、契約件数=訪問数×成約率という方程式があります。
一度の訪問で成約につなげるのも大切ですが、訪問数も増やすことで契約件数アップを目指せることも忘れないでください。
何度も訪問すれば、飛び込み営業自体に慣れてきます。
そして、質の高い訪問を増やせれば、契約件数の増加も期待できます。
また、毎日の訪問数を増やすには移動ルートにも工夫が必要です。
短時間で移動できるルートの調査や、狭い範囲で如何に効率的よく回るかなど、移動ルートの計画についても研究しましょう。
何度も訪問してくる人には関心を持つようになる心理傾向をザイオンス効果と言います。
ザイオンス効果については以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
飛び込み営業を成功させるための営業時のポイント

信頼関係を築くか、話題に興味を持ってもらえて、相手がこちらの話を聞いてくれる体勢になったら営業を開始します。
営業の際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 明るくゆっくり話す
- 礼儀正しさを意識する
- 商品紹介前にアイスブレイクから
- 顧客の悩みをヒアリングする
- 顧客ごとにパーソナライズした営業を心がける
明るくゆっくり話す
顧客と会話をする際は、明るくゆっくり話すことが大切です。
初めての訪問では、緊張から早口でボソボソと話してしまう方も多いのではないでしょうか。
早口での会話は、相手に「きちんとした知識がなさそう」「勢いで売り付けられそう」などの不安感を与えます。
不安感は商品自体への不信につながり、契約したくないと思われる危険性が高まります。
急いで成約につなげようと一方的に喋ることは避け、まずは顧客のニーズ(課題)を引き出すことに集中することがおすすめです。
その際には、相手から喋ってもらえるように、明るくゆっくりとした口調で質問しましょう。
相手が心地よく会話をできるように、聞き取りやすい声の高さや大きさ・早さを意識して話してみてください。
礼儀正しさを意識する
突然訪問する飛び込み営業では、礼儀正しさと丁寧さが重要です。
飛び込み営業ではアポなしで訪問するため、顧客の時間を無理やり奪っています。
最終的に提案を断られた場合でも、最後まで礼儀正しさを忘れないようにしましょう。
まずはアポなしで営業したことを丁寧に詫びることがポイントです。
「突然訪問してしまい申し訳ございません」と伝えるだけでも、急に時間を奪われたことによる不信感や警戒心を払拭できます。
また、相手が迷惑そうにしている場合は粘らずに帰り、話を聞いてもらったことに対するお礼を伝えると、悪い印象を与えづらいです。
その場は断られたとしても好印象で終われば、なにかのタイミングで相手から「この前の話を聞かせてもらえないか」と連絡をもらえるケースも少なくありません。
万が一に、相手が威圧的に接してきた際にも、ネガティブな態度を見せてはいけません。
上から目線の態度など失礼な行動は避け、最後まで礼儀正しさを意識しましょう。
さらに言えば、必ずしも強引に成約に話をつなげることが正解とも限りません。
例えば、質の高い営業トークができていたとしても、相手の課題を自社の商材につなげられなかった場合は成約にはつながりません。
ですが、飛び込み営業では成約を急ぐよりも相手との信頼関係を積み重ねることが求められています。
相手との会話の中で「この課題は解決できなさそうだな」と感じた場合は、それを素直に伝えることで、相手との信頼関係を構築できます。
その信頼関係は、次の営業時に大きなチャンスとなるはずです。
商品紹介前にアイスブレイクから
すぐ要件などの本題を切り出しても、相手の印象には残りません。
事前の準備で用意しておいた話題(アイスブレイク)を活用して、まずは相手の反応を確かめましょう。
具体的な商品内容を知りたいのか、とにかく話題に興味があったから付き合ってくれているのか。
単なる暇つぶしに話を聞いてくれているだけの可能性もあります。
相手の温度感がつかんでから本題に移ることで、相手に合わせたアプローチができます。
また雑談中に相手の反応自体が芳しくない場合は、今回は簡単な提案や資料提供だけに留めて撤退する判断も重要です。
無理に話を展開させて相手を不快にさせるぐらいなら、次のアポイントメントを取る方針に切り替えましょう。
営業中も相手との関係構築を意識して、長期的な関係性を目指すことが大切です。
顧客の悩みをヒアリングする
飛び込み営業では、自社の商品やサービスの魅力を伝えようとトークに力を入れてしまうケースが多いですが、相手の話を聞く傾聴力が重要です。
人間は売り込みされることに嫌悪感を抱くため、商品やサービスの魅力を必死に伝えても、成約に至りません。
飛び込み営業では、顧客の悩みをヒアリングし、課題を解消する打開策の提案が求められます。
例えば、顧客が生産管理にかかる業務効率を向上させたい場合、予算内で業務改善ができるシステムを提案すれば成約に至りやすいです。
顧客のニーズに合った商品やサービスの提案、顧客の予算やリソース内で実現できる対応を提示することが大切です。
相手の悩みをヒアリングし、課題やニーズを分析すれば、自社の商品・サービスを活用してどのように解決できるか具体策を提示できます。
有益な情報を顧客に提供することで、信頼関係を構築し成約へとつなげられます。
顧客ごとにパーソナライズした営業を心がける
新規開拓営業の際は、顧客ごとにパーソナライズした対応を心がけましょう。
顧客によって課題や要望は異なるため、よりお客さまのニーズに合った提案ができるよう、徹底的に情報収集する必要があります。
ファーストアプローチ前のリサーチだけでなく、初回ヒアリングを通して得た情報から、顧客のニーズに沿った営業を心がけることが大切です。
臨機応変に営業スタイルを変えて、顧客ごとにパーソナライズした対応することで、効率的に新規開拓を実現できます。
飛び込み営業を成功させるための訪問後のポイント

新規営業(飛び込み)は、訪問して終わりではありません。
訪問後のフォローこそ、成約につなげるための重要なポイントです。
最後に、飛び込み営業を成功させるための訪問後のポイントについてご紹介します。
- 訪問後にお礼を伝える
- 営業活動を振り返って改善する
- 顧客情報を管理する
- 断られても落ち込みすぎない
訪問後にお礼を伝える
飛び込み営業をした後は、相手にお礼の連絡を入れることが大切です。
成約した場合や次回アポイントを獲得した場合はもちろん、断られた場合にもお礼をすると次につながる確率が上がります。
感謝の内容にこまるならば「アポイントなしの訪問にも対応してくれたこと」に対してお礼をしましょう。
今後の良い信頼関係につなげるためにも、メールや電話でお礼を伝えてください。
また特に重要なのが、訪問した当日中にお礼を伝えることです。
時間が遅い場合や忙しい相手の場合はメール連絡でも問題ありません。
日が経ってから連絡を入れると「忘れられていたのかな」「お礼が形式的だな」と不信感を抱かれる可能性があるので注意しましょう。
成約につなげるためには、時間をかけて少しずつ顧客と信頼関係を築くことが大切です。
せっかく得た信頼を失わないためにも、お礼の連絡は当日中に行いましょう。
営業活動を振り返って改善する
営業活動を終える際には、その日の営業活動を振り返って改善点を探しましょう。
自身の営業内容を振り返ることで今後の営業活動の質を高められます。
成功したポイント、今後改善できるポイントを整理することで、悪い部分を改善し、良い部分はさらに伸ばすことが可能です。
また、契約を取ることだけを目標にするのではなく、最終ゴールに至るまで段階的に小さな目標を設定すると振り返りやすいです。
今日はどの目標をどの程度達成できたかを、定量的に把握できるようにしましょう。
そして、成功・失敗の原因を考えて終わるのではなく、どのようにすれば業務を改善できるか検討してください。
新規開拓営業の際に効果測定を行うことで、費用や時間を無駄にせず、効率的に新規顧客を獲得できます。
営業活動の効果測定を行う際には、目標達成率や進捗率など数値を用いた具体的な改善策を実行することが大切です。
顧客情報を管理する
飛び込み営業は基本的に断られるものですが、担当者名を聞いたり名刺を入手したりと、今後の営業活動につなげられます。
新規営業で成果を挙げるために、飛び込み営業で得た情報を管理して、今後のセカンドアプローチに活用しましょう。
例えば、飛び込み営業で得た次のような情報を、CRMやSFAツールなどを活用して、適切に管理することが大切です。
- 担当者名
- 従業員数
- 決算月
- コンタクト(アプローチ)の履歴
- 現在取引している顧客情報
- 顧客の課題や要望
顧客情報を管理することで、成約につながりやすいアプローチ方法や現状の課題を解消する対処法など、セカンドアプローチ以降の営業活動を効率的に実施できます。
断られても落ち込みすぎない
飛び込み営業を続けるためには、断られても落ち込みすぎない精神を身につけることも大切です。
特に飛び込み営業の場合、毎回成約につなげられる人は存在しません。
契約を断られても割り切って、落ち込みすぎないようにしましょう。
また、単純に成約につなげられなかった場合でも、「なぜ成約につながらなかったのか」を分析することで、次回の営業に活かすことができます。
「顧客の課題を正確に引き出せなかった」「自社商材で課題解決するイメージを具体的に伝えきれなかった」「予算と提案がミスマッチだった」など、あらゆる理由を洗い出しましょう。
万が一断られた場合はただ落ち込むのではなく、なぜ断られたのかを分析して自身の営業スキル向上につなげてみてください。
効率よく飛び込み営業を行うために気をつけるべきこと

訪問による新規営業は時間がかかるため、効率よく進める必要があります。
効率よく飛び込み営業を行うコツは、以下の4つです。
- 事前にスケジュールを立てる
- 隙間時間を活用する
- 何度も根気強く訪問する
- 適切なKPIを設定する
事前にスケジュールを立てる
飛び込み営業を行う際は、事前に営業スケジュールを立てておきましょう。
効率の良い飛び込み営業を行うために、事前にスケジューリングすることは非常に重要です。
その場の状況で適当に行動すると、非効率な営業になってしまいます。
リサーチをした上で、その日に回る営業先を決め、時間通りに訪問できるように注意しましょう。
営業効率は訪問数に直結し、訪問数は成約率に影響します。
なるべく狭い範囲で多く訪問する、事前にリサーチした客先に訪問する、タイミングの良い時間帯に訪問するなど、さまざまな視点で効率を意識しましょう。
隙間時間を活用する
隙間時間を上手く活用することで、さらに効率的な飛び込み営業が行えます。
飛び込み営業は移動時間が長くなりがちです。
そういった隙間時間を活用することで、業務をより効率よく熟すことができます。
例えば、電車内で訪問先の顧客情報の確認や、訪問先のルート確認を行えば、効率よく行動に移せます。
以下に隙間時間で行える作業をリストアップしましたので、ぜひどれか一つでも取り入れてみてください。
- 訪問先のリサーチ
- 移動中に次の訪問先についての情報やアイスブレイクに使えるニュースを再確認
- 顧客データの整理
- 訪問先情報やこれまでの営業成果をCRMに入力
- フォローアップメールの作成
- 訪問後のフォローアップメールやメッセージをあらかじめ準備
- 新規ターゲットリストの作成
- 今後訪問するべき新しい見込み客リストを、地域や業界別に整理
- 営業トークのブラッシュアップ
- 次の訪問に向けて、トークスクリプトや確認事項メモの確認など
- 学習や情報収集
- 資格の勉強や、マーケティング知識の勉強、話題作りのための情報収集など
- 報告書や日報の作成
- 手早く営業活動の成果をまとめてチームに共有する
- 企業の方針にもよりますが、移動中に軽く営業活動の進捗を整理しておくと、日報を書くときに効率良くまとめられます。
- コンディションを整える
- 移動中に軽くストレッチなどで体をほぐし、次の訪問に向けて集中力を高める
- 営業は心身の健康も重要です。軽いストレッチやホットアイマスクなどを利用して血行を良くするだけでも効果があります。
隙間時間を事務作業にあてることで、訪問以外の業務効率も格段に向上します。
最近ではスマートフォンで顧客管理ができるCRMも増えました。
別の記事でCRMシステムについて詳しく説明しているため、ぜひあわせてご参照ください。
何度も根気強く訪問する
効率的な飛び込み営業のためには、継続的な訪問による信頼の積み重ねが欠かせません。
何度も訪問し、信頼関係を積み重ねることで成約につながることはもちろん、新たな新規顧客の紹介受注も期待できます。
顧客との信頼関係を大切にすることは、訪問数を増やす以上に”効率の良い”営業手法です。
もちろん最初の訪問では、相手の関心を引けなかったり、タイミングが悪かったりと、なかなか取り合ってもらえないこともよくあるものです。
しかし、相手の邪魔にならない程度に定期的に訪問することで、相手との関係値が深くなっていくます。
また、顧客のタイミングやニーズは常に変化するため、一度断られたとしても、その後の訪問で新たなニーズが生まれている可能性も期待できます。
顧客が将来的に必要なタイミングで、自然と顔を思い出してくれる可能性も高まります。
特にBtoBの商談では、ときに商品の魅力よりも相手との信頼関係が重要な要素です。
頻繁に顔を見せることで、名前や企業名を覚えてもらい、次回の商談の機会を狙いましょう。
飛び込み営業は、ある意味断られること前提で数をこなす仕事です。
何度も根気強く訪問することで相手に顔を覚えてもらい、「成約に直結しなくても雑談程度ならば交わせる間柄になった」ならばそれは大きな成果といえます。
一度断られても、また期間を開けて別の機会に再訪問してみましょう。
適切なKPIを設定する
効率的に営業活動を行うためには、適切なKPIを設定することが大切です。
KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標の意味を持ち、最終目標であるKGIに至るまでの中間目標です。
適切なKPIを設定していないと、成果を正しく評価できなかったり見逃してしまったりと、営業活動の効率が低下します。
自社に合う適切なKPIを設定するために、進捗状況を把握し定期的に目標値を見直す必要があります。
KPIを設定する際は、SMARTの考え方を採用しましょう。
SMARTとは、下記の頭文字を取った目標設定のフレームワークです。
- Specific(明確な)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Related(関連性がある)
- Time-bound(期限を定めた)
飛び込み営業では挨拶が重要

飛び込み営業で好印象を持ってもらうためには、丁寧でハキハキとした挨拶が重要です。
人間心理とは不思議なもので、初対面のときの印象がその後のすべての評価に大きく影響します。
まずは積極的な挨拶と笑顔に気を配りましょう。
話を聞いてもらうのはその後の話です。
営業における「真実の瞬間」とは
顧客満足度や営業成果の向上を考えるうえで重視される言葉に、「真実の瞬間」というキーワードがあります。
真実の瞬間はサービス業でよく意識されている言葉で、接客する際に消費者と接する最初の15秒を指します。
そして、真実の瞬間にあたるわずか15秒間に与えた印象が、顧客からの信頼感や満足度を大きく左右してしまうのです。
真実の瞬間はスカンジナビア航空のCEOヤン・カールソンによって、ビジネス用語として定着しました。
その後さまざまな分野で意識され、応用されていきます。
営業における真実の瞬間は、まさに初めて担当者と挨拶を交わした瞬間にほかなりません。
特に飛び込み営業では、最初の挨拶を意識することでより自身の信頼感をアピールできます。
営業における「返報性の原理」とは
マーケティング分野において、しばしば「返報性の原理」と呼ばれる人間の心理傾向を意識することがあります。
返報性の原理とは、相手にしてもらったことを次は自分が返さないといけないように感じる原理です。
特に飛び込み営業においては、好意や自己開示の返報性を意識して積極的に挨拶を行うことで、顧客側に親近感を抱いてもらえます。
また、同様に「何度も訪問を重ねると、どんどん相手との心理的距離が縮まる」という心理傾向もあり、こちらは単純接触効果やザイオンス効果と呼ばれます。
返報性もザイオンス効果も営業に欠かせない心理傾向です。
物怖じせずに積極的に挨拶や声掛けをするだけでも、親近感をアピールできます。
返報性の原理については、別の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひそちらも参考にしてみてください。
飛び込み営業での挨拶の例
飛び込み営業では簡潔にまとめた挨拶を行う必要があるため、言葉の組み立てに悩まされる方も多いのではないでしょうか。
飛び込み営業の挨拶では、まず急に押しかけたことへの謝辞、続いて自己紹介、要件とつなげていくと組み立てやすいです。
以下に飛び込み営業での挨拶の例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 自社のキャンペーンを紹介して回っているケース
「お忙しい中失礼します。私、株式会社XXの〇〇と申します。本日は、エリア限定のオトクなキャンペーンをご紹介させていただきたくお伺いいたしました。10分だけでもお時間いただけないでしょうか。」
- 担当替えで挨拶回りを行うケース
「はじめまして、突然の訪問で失礼いたします。XX会社の〇〇と申します。この度、こちらのXXエリアを担当させていただくことになりました。ぜひ担当者様に一度ご挨拶させていただければ幸いです。」
- とにかく顔つなぎしたいケース
「はじめまして、お時間をいただきありがとうございます。XX会社の〇〇と申します。□□業界での貴社の取り組みについて、同じ分野で活動する企業としてぜひお話を伺いたいと思い訪問いたしました。ぜひ、お時間をいただきたいのですがご都合いかがでしょうか。」
- 前回訪問時、決済者の方に会えなかったケース
「お忙しい中失礼します。□月△日に(前回受けてくれた人)様経由で(決済者や担当者)様に資料をお渡ししましたXX会社の〇〇と申します。前回、この時間帯ならばお時間空いているかもしれないとお聞きしました。すこしお時間いただけないでしょうか。」
- 再訪問時
- 再訪問の際には、変に理由をつけずに挨拶し、親近感をアピールしましょう。
「用事で近くにきたので挨拶に寄らせていただきました。先日お邪魔させていただいた〇〇です。」
まとめ:コツを理解して飛び込み営業(新規営業)の成功率を高めよう

飛び込み営業は、基本的なポイントを押さえることで成功率を高められます。
また、インサイドセールスでは得られない信頼関係を築くことができる営業手法です。
本記事で紹介したポイントはどれもすぐに実践できるため、ぜひ今後の営業活動に活かしてみてください。
さらに新規営業の成約率を高めたい場合は、プロに依頼するのもおすすめです。
株式会社soraプロジェクトでは、インサイドセールス代行を行っています。
マーケティング部門が獲得した顧客に連絡を取ってアポイントの獲得を行うため、営業担当はスムーズに商談へと進められるのがメリットです。
効率的に営業活動を行いたい方は、ぜひ気軽にご相談ください。
資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料ダウンロード投稿者プロフィール

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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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