インサイドセールスでメールを活用して成果を出すためのコツとは?【例文あり】

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インサイドセールス メール

インサイドセールスとメールの関係性は切っても切り離せない関係にありますが、営業活動において、うまく活用できているでしょうか。

そこで今回は、インサイドセールスにおけるメールの意味(メリット)から、成果を出すためのメールのコツなどをご紹介いたします。

インサイドセールスでメールを送信するそもそもの意味(メリット)

インサイドセールス メール メリット

インサイドセールスは、主にメールや電話という手段を使って見込み顧客との関係を構築し、最終的には営業(フィールドセールス)部門に送客する役割を持っています。

基本的なリードナーチャリングを含め、インサイドセールスは他にも役割があるのです。それぞれ解説いたします。

見込み顧客との関係を継続的に維持するため(リードナーチャリング)

第一に、見込み顧客との関係を継続的に維持するのがインサイドセールス部門の役割です。

せっかく見込み顧客(リード)を獲得しても、適切なタイミングで見込み顧客とのコミュニケーションを取れなければ、見込み顧客が競合他社に流れてしまう可能性もあるためです。

また、個人・企業の購買行動が長期化していることも、長期的に見込み顧客とコミュニケーションを取り続けることが重要である理由の1つとなっています。

営業に送客する見込み顧客を抽出し営業活動を効率化するため(リードクオリフィケーション)

インサイドセールス部門の役割は、上記のリードナーチャリングだけではありません。フィールドセールス部門に、商談成約確度の高いホットなリードを送客することも重要な役割です。

どのようなリードでも送客すれば良いというわけではないので、送客するリードを抽出することになります。(リードクオリフィケーション)

既存顧客に対してはアップセルやクロスセルを狙う

また、インサイドセールス部門が既存顧客のアップセルやクロスセルを促進する役割を担うこともあります。

ちなみに、アップセルもクロスセルも顧客あたりの売上単価を向上するための手法です。前者は、より高額な商品への乗り換えを、後者は別の商品もあわせて購入してもらうことを指します。

インサイドセールスのメールで成功するための基本的なコツ

インサイドセールス メール 基本的なコツ

インサイドセールスのメールで成功するための基本的なコツをご紹介いたします。

送信元のメールアドレスは個人名にする

送信元のメールアドレスは、個人名(個人のアドレス)にしましょう。個人名にすることで、メールの開封率を向上できる可能性があります。

その理由は次のとおりです。

  • 一斉送信メールは開封前に削除されやすいが、個人名だと一斉送信メールだと思われる可能性が低い
  • 企業名やサービス名が表示されていると開封前に削除されやすいが、個人名だと削除されにくい

2人称は担当者ではなく個人名にする

メール内の本文もしくは件名で送信相手を示す際には、「担当者」ではなく個人名にしましょう。

これは、「担当者様」よりも自分の名前が記載されているほうが「自身に関連が深いものだ」という認識を与えられるためです。

メールの本文は簡潔でわかりやすくする

メールの本文は、簡潔でわかりやすくするのがポイントです。

送信側からすると、訴求したい内容が多く、あれもこれもと内容を盛り込みがちになってしまいます。しかし受信側を考えると、メールを読むための時間はそう長くはありません。

また、わかりにくい文章や長ったらしいメールはあまり好まれないことは当然です。

見込み顧客にとって本当に役立つ有益なコンテンツにする

見込み顧客にとって有益なコンテンツを届けることが、インサイドセールス部門の重要な役割です。

それもそのはずで、受信者にとって有益でないと判断されてしまうと、それ以上のアクションは期待できません

そもそも有益なコンテンツを作るのは簡単ではありませんが、それでこそ成果の出るメール配信が可能になります。なお、見込み顧客にとって役立つ有益なコンテンツを配信するためには、事前のヒアリングに重点を置かなければなりません。

配信タイミングとしては火曜日か水曜日がおすすめ

特に法人営業(BtoB)においては、火曜日か水曜日のメール配信がおすすめです。これは消去法のような考え方でこのようにいわれています。

  • 月曜日は、出社して多くのメールが溜まっているため、自社のメールが埋もれてしまう。
  • 週末金曜日なども、ゆっくりメールを見る時間がないことが多い

MAで見込み顧客とのアプローチを記録しておく

MAとは、リードの情報を一元的に管理し、マーケティング(営業)活動を自動化し管理しやすくするためのソフトウェアです。一般的には、マーケティングオートメーションと呼ばれています。

MAのなかにはアプローチ管理機能など、見込み顧客との接触履歴を確認できるものもあります。

このような記録をもとにすれば、より見込み顧客に応じたメール配信が可能になることでしょう。

KPI・KGIを設定し管理する

インサイドセールスは、見込み顧客と継続的にコミュニケーションを取ることで長期的に関係を維持します。そのため、メールを配信して終わりではありません。

具体的には、KPIやKGIを設定してPDCAを回し続ける必要があるのです。

例えば開封率をKPIとして設定したのであれば、開封率が目標に満たなければその原因を追求し、改善を図ります。

このような改善の繰り返しが、インサイドセールスのメール配信効果を最大化する重要なポイントなのです。

インサイドセールスでメールを作成する際の具体的なコツ

インサイドセールス メール 具体的なコツ

これまでは、インサイドセールスにおける見込み顧客とのコミュニケーションで重要な、やや抽象的なコツを紹介してきました。以降では、メール作成に絞って具体的なコツをご紹介いたします。

件名(タイトル)のコツ

メールの件名(タイトル)は、メール開封率にかかわる重要な要素です。なぜなら受信者は、送信者が誰なのかに加えて、メールの件名を見てメールを削除するか開封するかを判断するからです。

件名(タイトル)のコツを以下にまとめます。

  • 緊急性や限定性を盛り込む
  • 見込み顧客のメリットを盛り込む
  • 件名は簡潔に、16文字までに抑えられるとベスト

緊急性や限定性を盛り込む

緊急性や限定性を盛り込むと、送信相手に「今読まないといけない理由」を与えられます。ただし、送信相手と関連性が低い場合には無効であるため注意が必要です。

【メール例文】

  • 良い例:【先着5社限定】弊社オンラインセミナーのご案内
  • 悪い例:弊社オンラインセミナーのご案内

見込み顧客のメリットを盛り込む

見込み顧客のメリットを盛り込むことで、「読みたくなる理由や興味」を与えられます。具体的には「見込み顧客が持つ課題」を盛り込むと良いでしょう。

【メール例文】

  • 良い例:維持費を半減させた弊社商品導入事例
  • 悪い例:弊社商品導入事例のご紹介

件名は簡潔に、16文字までに抑えられるとベスト

これまでに、件名に含めべき要素として「緊急性」「限定性」「見込み顧客のメリット」を紹介してきました。しかし、可能な限り簡潔に抑えるべきです。

これは、受信者がメールの件名を見て「読むか読まないか」を判断する時間が、ごくわずかであるからです。重要そうでもなく、自身と関連性がないようなもの、よくわからないものは「読む」という判断が取られにくいのです。

【メール例文】

  • 良い例:商品カタログのご送付
  • 悪い例:先日お問い合わせいただきました商品カタログにつきまして

導入文のコツ

メールの導入文は、受信相手にとって「このメールは重要か?関連が深いか?興味がある内容か?」などを判断する部分です。

導入文のコツをご紹介いたします。

誰が送信したのか自己紹介を盛り込む

インサイドセールスのメールで、初期に送るメールで注意したい事項です。なぜなら、送信相手は自社のことを覚えていない可能性もあり、さらになぜ自分の連絡先を知っているのか不審に思う場合もあるからです。

【メール例文】

  • 良い例:お問い合わせいただきありがとうございます。◯◯会社の□□と申します。
  • 悪い例:お問い合わせいただきありがとうございます。ところで、〇〇の件についてですが…

見込み顧客のアクションをもとに送信理由を盛り込む

送信理由を盛り込むことも、「なぜ自分の連絡先を知っているのか不審に思う」ことに対して有効です。

【メール例文】

  • 良い例:この度は、弊社ダウンロード資料「◯◯◯◯」をダウンロードいただき、誠にありがとうございます。

本文(要点)のコツ

本文では、そのメールで伝えたいことを簡潔にわかりやすくまとめます。具体的なコツをご紹介いたします。

要点は3つ程度にする

要点を3つ程度に絞るのには理由があります。それは、人間が一度に把握できる情報が3つ程度までだからです。

ちなみに、交差点で交通事故が多いのはこの習性があるからだといわれています。交差点では、信号、標識、車、歩行者、自転車など多くの情報を把握しなければなりません。

見込み顧客に与えられるメリットの根拠を示す

自社商品の訴求の際には、「自社商品によってどのようなメリットがあるのか」についての根拠を示します。根拠があることにより、送信相手は安心して商品を検討できるのです。

根拠を示すには、他社比較資料など自社の独自コンテンツが有効です。

まとめ部(アクション提起)のコツ

メール本文の最後であるまとめ部では、見込み顧客に取ってほしいアクションを促しましょう。具体的なコツをご紹介いたします。

事実に基づいてリスクをあおる

やりすぎは禁物ですが、自社商品を利用しないことによるリスクを、事実に基づいてあおることも有効です。具体的には、「機会損失」を念頭に置くと良いでしょう。

【メール例文】

  • 良い例:比較資料をご覧いただくとわかるとおり、◯◯の維持コストは月5万円が平均です。一方で(自社商品名)では、月に3万円でご利用可能。つまり、年間で24万円分損してしまうことになるのです。ぜひこの機会にご利用を検討ください。
  • 悪い例:(自社商品名)は、月に3万円の維持コストで利用できます。これは平均的な維持コストより低く、効率的な運用が可能です。ぜひこの機会にご利用を検討ください。

相手の課題やメリットを実現するために自社と話すべき理由を盛り込む

メールだけで自社商品を購入してもらえる商材であれば良いのですが、実際には営業パーソンとの商談に至らなければ商品の購入は難しい商材もあります。

商談アポを取るためには、相手が持っている課題などを十分にヒアリングしたうえで、自社と実際に会って話す理由を盛り込むべきです。

このポイントが実践できていなければ、下記のように返されてしまい、商談の機会を失ってしまいます。

「こちらで検討するので、資料やサンプルを送ってほしい」

【メール例文】

  • 良い例:お伺いさせていただきました内容を弊社内で検討したところ、◯◯により□□様のご負担を月に3万円ほど抑えられることがわかりました。つきましては、ぜひ詳細ご説明の機会をいただければと思います。その場でご質問にお応えするためにも、Web面談もしくは弊社訪問でのご説明を考えております。どちらをご希望でしょうか?
  • 悪い例:つきましては、ぜひ詳細ご説明の機会をいただければと思います。下記日程でご都合の合う日はありますでしょうか?

アクションを取りやすくする

面談の機会を失わないためにも、送信相手が気軽に、簡単にアクションを取れるようにしておくべきです。

メジャーなものには「候補日時」を提案し、相手が日時を「選ぶだけ」にするコツがあります。しかし一方で、面談予約サイトに誘導している例もあります。

面談予約サイトであれば、送信相手がメールに返信する手間がなく、リンク先で必要な事項を入力するだけで面談アポが成立します。ぜひ参考にするべきでしょう。

まとめ:インサイドセールスにおけるメールのコツを押さえて成果を出す

インサイドセールスにおけるメールのコツをご紹介いたしました。

メールで成果を出すためのコツは、インサイドセールスの役割を理解したうえで、細かなメールのコツを実践することです。

ぜひ本記事で紹介した内容を実践し、商談・成約につながるホットな見込み顧客を創出しましょう。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。