カスタマーサクセスで成果を上げるには?LTV向上に必要な施策7つをご紹介

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LTVの向上を目指す上で、カスタマーサクセス施策を始める企業が増えています。
しかし、「具体的な方法が分からない」「カスタマーサクセスは本当に必要なのか」と疑問に持つ方もいるのではないでしょうか。

本記事ではカスタマーサクセスに関する基礎知識のほか、LTV向上に重要な成功させるための方法やポイントについて解説していきます。

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カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスは、「顧客の成功」を意味します。
従来の商売では商品やサービスを購入してもらうことがゴールでしたが、カスタマーサクセスは購入後に顧客が課題解決できることを重視します

現代ではさまざまなサービスがあるため、企業は自社に合わなければすぐに解約し、より良いものに切り替えることが簡単です。

そのため良いサービスを作ることはもちろん、使い続けてもらうために企業側から積極的に支援し、顧客の成功へと導く必要があるのです。
似た言葉に「カスタマーサポート」がありますが、これは顧客からの問い合わせに答える「受動的」なサポートです。

対して「カスタマーサクセス」は能動的に、企業側から顧客に対してサポートを行います。

カスタマーサクセス施策によりLTV向上が可能

LTV(ライフタイムバリュー)とは「顧客生涯価値」を意味し、顧客が自社との取り引きを始めてから終了するまでの間に、どれだけの利益をもたらしたのかを表した数値です
LTV向上のためにはカスタマーサクセス施策が欠かせません。

ここではその理由や、LTV向上によって得られる効果について解説します。

カスタマーサクセスがLTV向上につながる理由

カスタマーサクセス施策を行うことで、LTVの向上に繋がります。
なぜなら、カスタマーサクセスにより顧客の成功が実現できたなら、その顧客が長きに渡ってサービスを利用し続けてくれるからです。

この理由は、月額制サービスを考えると分かりやすいかもしれません。
月額制サービスで企業から使い方のサポートがあったり、利用による成功体験があったりすれば長く使い続ける理由となるでしょう。

このように、カスタマーサクセス施策を行うことで、LTVの向上が可能になるのです。

LTV向上によって得られる効果

サービスや製品の売上を上げるためには、新規顧客獲得も大切です。
しかし、マーケティングにおいて「1:5の法則」という考え方があり、これは「新規顧客の獲得には既存顧客維持の5倍労力がかかる」ことを意味します。

LTVを向上させられれば、既存顧客から安定的な売上・収益の確保が可能になります。
継続的に安定した売上が確保できれば、営業コストの削減にもつながるでしょう。

LTVの計算式

LTVの計算式にはいくつかの方法があります。
製品やサービスの形態によるため、種類別に紹介します。

基本的な計算式/リピート商材の場合LTV=購入単価×購入回数×継続期間
サブスクリプション製品の場合LTV=平均購入単価×粗利率÷解約率
BtoB製品の場合LTV=年間取引額×利益率×継続年数
顧客全体を把握したい場合LTV=(売上高-売上原価)÷購入者人数

自社サービスに合わせて、適切なLTVの計算方法を利用しましょう

カスタマーサクセスでLTVを高める7つの方法

カスタマーサクセスでLTVを高める方法には、以下の7つが挙げられます。

  • カスタマーサクセスのためのチーム編成
  • オンボーディング
  • 顧客フォロー
  • サービスの改善
  • アンケートの実施
  • セミナーの実施
  • コンテンツ作成

カスタマーサクセスに取り組みたいと思っても、どのような方法があるのか分からなければ施策を始めることはできません。
ここでは方法について詳細を解説します。

カスタマーサクセスを導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみましょう。

カスタマーサクセスのためのチーム編成

カスタマーサクセスを導入する際には、そのためのチームを作ることが大切です。
業務は顧客へのフォロー、顧客への提案や契約更新、顧客へのトレーニングや教育などが挙げられます。

そのため、それぞれの施策に合ったメンバーを集める必要があります
自社内に上記に挙げた作業を得意とする部門があればそこから必要な人材を確保し、チーム編成を行いましょう。

オンボーディング

オンボーディングとは、顧客が製品やサービスが使えるようにするサポートの仕組みをいいます。
オンボーディングで重要なのは、いかに早く製品に慣れてもらい、成功体験に繋げられるかです。

製品やサービス導入してすぐは、製品への期待値が最高潮に達している意欲的なタイミングです。
ここでオンボーディングがうまくいかないと、「期待したほど良くなかった」と一瞬で見限られてしまい、解約されてしまう可能性があります。

そのため、オンボーディングには可能な限り最高の人材の時間と労力を割くことが重要になります。

顧客フォロー

オンボーディングが完了したら、定期的に顧客のフォローが必要です。
LTVを向上させるためには、契約を継続してもらわなければなりません。

そのために定期的に顧客と関わることで、不満を解消したり、製品やサービスの利用価値を理解してもらったりする必要があります
電話やメールで個別にフォローする以外にも、利用方法についての動画、新機能追加のメールをするなど、さまざまな方法が考えられます。

また、顧客が契約しているサービスのアップグレード(アップセル)や、別サービスの契約(クロスセル)の提案も行いましょう。

アンケートの実施

顧客に対して、製品やサービスに関してのアンケート実施を行うのも大切です。
製品にどれだけ満足しているかや、使いづらさがないかなど、具体的な意見を収集しましょう。

特に大切にすべきのは、使いづらさなど不満に感じている意見です。
顧客の意見を製品に反映すれば、LTVが向上するのはもちろん、今以上に満足してもらえるサービスが提供できるでしょう。

提供している製品やサービスの改善

カスタマーサクセスによりLTVを向上させるためには、提供している製品やサービスの改善も必要です。
顧客が製品やサービスを購入してくれたとしても、それ自体に使いやすさ、分かりやすさがなければ使い続けてはくれません。

サービス自体が良くなければ、オンボーディングや顧客フォローでも解約はカバーしきれないでしょう。
アンケートによって得られた意見やニーズに合わせて、常に製品やサービスの改良やアップデートをしていくことが大切です。

セミナーや交流会の実施

セミナーや交流会の実施も、カスタマーサクセス施策において大切です。
セミナーを実施すれば製品への理解を深めるだけでなく、顧客の不安点を改善できます。

交流会では顧客同士が活用方法の共有、意見交換が可能です。
また、交流会で他社の成功事例を知ることができれば、それを自社に活かせます。

セミナーや交流会を実施すれば顧客満足度を上げ、LTV向上につなげられるでしょう。

コンテンツ作成

カスタマーサクセス施策においては、コンテンツ作成も重要です。
コンテンツにはWebサイト、SNS、メルマガ、動画などさまざまあります。

効果的なコンテンツマーケティング戦略を行えば、幅広い顧客に製品やサービスを知ってもらえます。
サービスを知ってもらう機会が増えれば、それだけ利用してもらえる顧客が増える可能性があるということです。

顧客を増やすためにも、コンテンツ作成も戦略的に行いましょう。
また、この場合に大切なのは顧客のフェーズに合わせたコンテンツ戦略です。

「利用を始めたばかりの顧客」「初回の契約更新前の顧客」など状況に応じたセグメントを行い、顧客フェーズにマッチする施策を検討しましょう。

カスタマーサクセスでLTVを向上させるために必要なこと

カスタマーサクセスでLTVを向上させるためには、施策以外にも必要なことがあります。
ここでは施策を成功させるためのポイントを解説していきます。

顧客情報の正確な把握・管理

カスタマーサクセス施策の成功には、顧客情報の正確な把握や管理が必要です。
製品やサービスを利用している顧客の中には、購入したばかりの人やオンボーディングが完了した状態など、さまざまな状況の顧客が存在します。

初めて製品を購入した顧客に新しい製品の提案をしても、購入が難しいどころか、不快感を与えて解約されてしまう可能性すらあります。
カスタマーサクセスでLTVを向上させるために、顧客情報を正しく管理できる体制づくりをしていきましょう

顧客の利用フェーズに合わせたアプローチ

顧客情報を正しく管理できれば、顧客の利用フェーズに合わせたアプローチが可能です。
全ての顧客に対して同じ対応をすると、余計なコストやリソースがかかってしまいます。

顧客は「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の三つに分類され、それぞれに合わせたアプローチ方法での対応が大切です。

  • ハイタッチ:1対1で丁寧にフォローアップする方法で、自社の売上に貢献している顧客に対して行います。
  • ロータッチ:1対複数によるコミュニケーションの方法で、ハイタッチよりも売り上げが低い中間層の顧客に対して行います。
  • テックタッチ:人を介さずデジタルで行う方法で、単価や売り上げの低い顧客が対象です。

顧客にどのような方法でアプローチすべきか、適切な見極めを行いましょう。

KPIの設定・効果測定

KPIとは、カスタマーサクセスを達成するために行う具体的な行動指標です。
カスタマーサクセスが成功しているのか、つまり実際に製品やサービスが顧客に役立っているのかは、KPIによって判断できます

KPIにはLTVも重要な指標の一つですが、それ以外にも以下のような指標があります。

  • NPS®︎
  • ヘルススコア
  • オンボーディング完了率
  • チャーンレート(解約率)
  • アップセル・クロスセル率

カスタマーサクセス施策に効果があったかを検証するためにも、自社に必要なKPIの設定、また、設定したKPIを定期的にチェックしましょう。

カスタマーサクセスツールを活用する

カスタマーサクセスツールとは、顧客の課題解決やサービス活用支援などを効率化するためのものです。
カスタマーサクセスの施策を全て自社で行おうとすると、かなりの時間と労力がかかります。

しかし、カスタマーサクセスツールを使えばスタッフの工数を減らせるため、業務効率アップへ繋げることが可能です。
また、LTVの最大化やチャーンの防止・顧客の利用促進など、利用におけるさまざまな利点があります。

カスタマーサクセスツールについて詳しく解説し、おすすめのツールを紹介している記事があります。
気になる方は下記を参照してみましょう。

カスタマーサクセス施策によりLTV向上を目指そう

カスタマーサクセス施策を行えば、LTV向上が可能です。
この考え方はサブスクリプション事業の台頭により広がっていますが、それ以外の業種でも重要な考え方だと言えます。

カスタマーサクセスの成功は、一部の部署が認知しているだけでは叶えられません。

全社的にカスタマーサクセスやLTVの重要性について理解し、部署間で連携して施策を行いましょう。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。