目次
Web広告と聞くとGoogle広告が代表的ですが、近年、Bing広告も注目を集める広告媒体になりつつあります。
Bing広告は、Microsoft社の検索エンジンであるBingで広告を配信できる仕組みです。
しかし、Bing広告についての基本知識がなく、Google広告など他の広告媒体との違いについてわからない点も多いのではないでしょうか。
本記事では、Bing広告の基本知識や他の広告媒体との違い、Bing広告の配信方法について解説します。
これからBing広告を配信する予定がございましたら、ぜひ参考にしてみてください。
なお、株式会社soraプロジェクトでは各広告媒体の特徴一覧や広告媒体を選ぶ際の考え方をまとめた資料「今から始める!BtoB広告入門」を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。
Bing広告とは
そもそもBingとは、Microsoft社が提供する検索エンジンのことです。日本で検索エンジンと聞くと、GoogleやYahoo! JAPANがまず思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
Bingは、Microsoft Egdeにおいてデフォルトの検索エンジンとなっているため、国内でも一定の検索シェアがあります。
そのBingに広告を配信できる、Microsoft社が提供しているWeb広告プラットフォームのことをBing広告と言います。
Bing広告の特徴
Bing広告の一番の特徴は、Google広告に比べてまだ競合の数が少ない点にあります。
Bingは上記で記載した通り、Microsoft社が提供している検索エンジンで、PCのみの場合、日本ではGoogleに次いで2番目に多く使われている検索エンジンです。
コロナ禍により、在宅ワークが増加し、PCを利用するユーザーの割合が増えたことで、Bingのシェア率は上昇傾向にあります。
Googleと比較するとシェア率は1/7倍であるにもかかわらず、日本では2番目に利用されている検索エンジンであるため、広告費が比較的安価に抑えられる点がメリットです。
また、Bing広告では検索ユーザーの属性がGoogleとは異なります。
Bingの利用ユーザーは一般的に年齢層が高く(平均40代)、収入も中以上と統計が出ています。
どのようなユーザー層をターゲットにするかによって、Google広告よりも効果的にリーチできる可能性があり、高級品やビジネス向けの商材・サービスを提供している企業への訴求が効果的な広告媒体です。
Bing広告とGoogle広告の違いとは
Bing広告は、高級品やビジネス向けの商材・サービスを提供している企業が運用することで、広告効果が高くなる広告です。
Bing広告も近年注目を集めてきてはいますが、やはり世界的にメジャーな広告媒体は、Google広告です。
そこで、Google広告との違いを下記にまとめました。
<配信面>
Bing広告……Bing、Yahoo! JAPAN、AOL
Google広告……Googleサービス全般(検索エンジン、YouTubeなど)
<広告の種類>
Bing広告……リスティング広告、ディスプレイ広告
Google広告……リスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告
<ユーザー層>
Bing広告……平均40代以上
Google広告……年齢や性別問わず幅広い
<ターゲティング>
Bing広告……「企業、業界、業種」からターゲティングができる
Google広告……デモグラフィック、リターゲティングなど基本的なターゲティングができる
※Bing広告もGoogle広告と同様のターゲティングができます。
「企業、業界、業種」からターゲティングができるのは、Bing広告の特徴です。
<クリック単価>
Bing広告……競合が少なく安価
Google広告……競合が多く高価
Bing広告はGoogle広告と比べ競合が少ないため、クリック単価も低くなる傾向にあります。
出稿登録するキーワードによって異なりますが、あくまで所感では、Google広告で1,500円のクリック単価が、Bing広告で配信をすると180円ほどと、約1/10の費用になることがあります。
<コンバージョン率>
Bing広告……平均2.94%
Google広告……平均3.75%
※あくまで平均のため、訴求する商品やサービス、ターゲティングの制度によって変動はあります。
<Yahoo!への出稿>
Bing広告……可能
Google広告……不可能
<運用ツールの充実性>
Bing広告……充実していない
Google広告……充実している
Bing広告を配信する6つのメリット
次にBing広告を配信することで得られる6つのメリットを紹介します。
競合優位性を確立できる
Bing広告は日本ではまだ十分に拡大していないため、実際にBing広告を配信している企業が少なく、競合が少ない市場で自社の商品やサービスを訴求できます。
そのため、高い広告効果を期待できます。
Google広告やヤフー広告で感じる、クリック単価が高くコストパフォーマンスが悪いことや、競合が多すぎて思うような広告効果が出せない場合は、Bing広告で広告を配信してみてはいかがでしょうか。
Google広告からインポートできる
これはすでに、Google広告を配信している場合に役立つのではないでしょうか。
Google広告からBing広告にインポートできることで、1から設定する手間を省くことができます。
すでに運用している広告の設定を利用し、広告を配信できるため、運用開始までのハードルが低い点もBing広告のメリットです。
新たな顧客獲得のチャンスがある
他の広告媒体で逃してしまっていたユーザー層にも自社商品やサービスの訴求ができるようになることで、新たな顧客を獲得ができるチャンスがあります。
検索シェア率上位3つの検索エンジン(Google、Bing、Yahoo! JAPAN)では、それぞれ利用ユーザー層が異なります。
そのため、1つの検索エンジンだけにしぼって広告配信をしていては、広告効果も限られてしまいます。
Bingの利用ユーザーの年齢層は高く(平均40代以上)、かつビジネスシーンで利用される機会が高いです。
多くの日本企業ではWindows OSを利用することが多く、Microsoft社のサービスであるMicrosoft EdgeやメールソフトのOutlookを初期設定のまま使用しているケースも多いのが現状です。
そのためMicrosoft Edgeの検索エンジンであるBingを利用しているユーザーは多く、Bingに広告を出稿すれば企業の担当者が目にする機会が増えることが期待されます。
ビジネスシーンで利用するユーザーが多いMicrosoftのサービスでは、BtoBの商品やサービスの広告を配信すると、より広告効果を高めることができます。
すでに他の広告媒体で広告を配信されている方も、Bing広告で新たに配信してみてはいかがでしょうか。
購買意欲の高いユーザーへ訴求できる
Microsoft Bing広告のオーディエンス(ディスプレイ)は、平均的なWebユーザーよりも15%以上購買可能性が高いとMicrosoft社が講演で語っています。
つまり、Bing広告を利用することで購買意欲の高いユーザーに対して商品やサービスの訴求ができるため、高い広告効果が期待できます。
購買意欲の高いユーザーが増えた背景に、コロナ禍で在宅ワークが増え、仕事と私生活の境界線があいまいになった人が増加し、仕事中にパソコンでプライベート商品の検索や購入する人が増えたことが挙げられます。
購買意欲の高いユーザーへ訴求できる点は、Bing広告最大のメリットではないでしょうか。
低CPCでの広告配信が可能
現在Bing広告を活用している企業は少なく、入札競争が激化しないため、既存の他の広告媒体よりも低いCPCで広告の配信が可能です。
また、Microsoft社はファーストパーティーデータを所有しているため、より正確なターゲティングが可能となっています。
その結果としてCPCが低く配信できます。
Yahoo! JAPANにも配信できる
日本においてBingは、Yahoo! JAPANと提携しています。
Bing広告を利用することで、Yahoo! JAPANの検索結果ページにも広告が表示されることが利点です。
Yahoo! JAPANにも広告が表示されることから、広告のPV数も増加します。
また、ヤフーに広告を掲載するには2つの方法があります。
ヤフー広告から直接広告を配信する方法と、上記にも記載したようにMicrosoft広告を経由し、Yahoo! JAPANで広告を配信する方法があります。
ヤフー広告とMicrosoft広告とでは、それぞれの検索エンジンによるアルゴリズムの関係上、検索上位に掲載される基準が異なります。
そのため、同じ広告枠でも掲載登録した媒体によってクリック単価が大きく異なる場合が生じます。
このことからまだ日本での競争率が低いMicrosoft広告からのYahoo! JAPANへの広告配信をする方がコストパフォーマンスが良いことが予測されます。
Yahoo! JAPANへの広告配信を考えている場合は、Microsoft広告経由で配信する方法をとってみてはいかがでしょうか。
Bing広告を配信するデメリット
Bing広告のメリットを6つ見てきましたが、デメリットも存在します。
Bing広告を配信するデメリットは大きく分けて3つあるので、メリットと一緒に参考にしてみてください。
アルゴリズムの変化により広告効果の低下
Web広告全般の共通点として、各検索エンジンのアルゴリズムの変化により、広告を配信していたWebメディアもダメージを受けてしまうことがあります。
そもそもMicrosoft Bing広告だけで広告効果を得ることは、配信ボリュームの少なさから非常に難しい状態にあります。
加えて、Bingアルゴリズムの変化によりPV数が減ってしまうと、さらにダメージを受けてしまいます。
アルゴリズムの変化にすぐに対応できるように常に新しい情報を入手していく必要があります。
流行り廃りが激しい
インターネットの世界は次々に新しいサービスがリリースされているため、トレンドをもとに、訴求方法を考える必要があります。
そもそもBing広告は、リスティング広告やディスプレイ広告のような従来のWeb広告を中心としたものしかありません。
広告配信先もGoogle広告の場合は、YouTubeなどにも配信できる動画広告を用いられるのに対し、Bing広告は、Microsoft広告よりBingに広告を配信するため、配信先の面だけを見るとデメリットが大きい印象にあります。
そのようなBing広告ですが、日本では未対応の広告種類が存在します。
その一つがBingスマート検索での広告配信です。
Bingスマート検索とは、単語または語句を選択した後、右クリックにて[検索]を詮索すると、その単語や語句について検索してくれる機能のことです。
そのBingスマート検索において検索広告を表示できる広告方法です。
このように日本におけるBing広告には、まだ日本ではリリースされていないが、海外では事例があるBing広告独自の広告方法が存在します。
アルゴリズム同様にBing広告の最新情報にも目を通しておくようにしましょう。
広告運用ツールが充実していない
3つ目のデメリットに、広告運用ツールが充実していないことがあげられます。
Google広告の場合、GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーなどの広告を運用していく中で役立つ運用ツールが充実していますが、Bing広告の場合、運用ツールが充実していません。
広告効果を高めるための施策を考える際に分析はつきものです。
Bing広告を運用する際は、メリットにあるターゲティングや競合優位性をうまく活用し、より広告効果を高められる運用施策を考えていく必要があります。
Bingに搭載されているアルゴリズム
Bing検索エンジンでは、以下のようなアルゴリズムが搭載されています。
これらのアルゴリズムにより高度で最適な検索結果を表示できる検索エンジンとなっています。
Bing広告出稿の際にも必ず目を通しておきましょう。
Best Math
ユーザーが検索したキーワードに対し、最適と思われる検索結果を抽出するものです。
Quick Tag
他の検索結果をカテゴリごとに分けて目次で表示するものです。
Instant Answer
検索結果ページに関連した人気の高い情報を利用ユーザーに表示するものです。
このようなアルゴリズムが搭載されていることから、GoogleやYahoo!などの他の検索エンジンでは得られなかった情報をBingでは得られるなどの声もあります。
Bingは利用ユーザーに対し、最適な情報を得られる検索エンジンです。
Microsoft Bing広告を配信する際の注意点
Bing広告を配信するにあたっていくつかの注意点があります。
以下にまとめましたので、出稿方法を確認する前にご覧ください。
オーディエンスネットワークにも検索広告が配信される
この点は、Google広告には見られない機能であるため、注意が必要です。
関連性やパフォーマンスの向上が見られる場合に、以下の3つのサイトに配信されます。
任意での配信拒否の設定はできませんが、キャンペーン設定の際に上記3つのサイトを除外すれば、オーディエンスネットワークへの配信を妨げることができます。
インポート機能で想定外の設定がされる可能性がある
Microsoft広告は、Google広告やFacebook広告でのキャンペーンの設定をそのままインポートできます。
Microsoft広告を始める際に1から設定せずに、Google広告やFacebook広告の運用設定をそのまま用いることができる便利な機能ですが、インポート機能を正しく理解していなければ、誤った設定で広告が配信されてしまう恐れがあります。
例えばGoogle広告の設定では、配信ステータスがオンになっているキャンペーンは、そのままステータスをMicrosoft Bing広告にも適用されてしまいます。
この際、配信スケジュールも「自動」に設定されていることから、インポートする際には、スケジュールの確認も必要です。
インポート後の住所オプションが「愛知」になっている
こちらもインポート後に発生するもので、インポート後、所在地情報が「愛知」になっている場合があります。
配信前に確認しておきましょう。
インポートできない情報がある
入札戦略や動的関連フィード、ユーザーリストなどの情報は、Google広告やFacebook広告からインポートできません。
カスタムパラメータの設定が自動変換されない不具合がある
Google広告やFacebook広告からキャンペーン情報をインポートする際、媒体パラメータ情報は「Bing」に自動変換されますが、一部情報が正しく変換されない不具合も存在します。
カスタムパラメータの設定の際は不具合が発生していないか確認しておきましょう。
Microsoft Bing広告出稿までの流れ
Microsoft Bing広告の出稿までの流れについて順に解説していきます。
これからMicrosoft Bing広告の出稿をお考えの方は、上記の注意点にも目を通し、以下を参考にしてみてください。
Microsoftアカウントにログイン
Bing広告は、Microsoft社のサービスであるため、Microsoftアカウントへログインする必要があります。
アカウントをお持ちではない場合は、アカウントを開設しましょう。
キャンペーンの設定
広告目標から適切なキャンペーンを作成
Google広告同様にまずはキャンペーンを設定していきます。
キャンペーンの設定には、広告目標を設定する必要があります。
広告目標は、以下の5つから選ぶことができるので、訴求する商品やサービスに合わせた目標を設定していきましょう。
広告目標を選ぶと、候補となるキャンペーンが用意されます。
キャンペーンは以下の4つが用意されています。
広告目標にあったキャンペーンを設定していきましょう。
ガイダンスに従いキャンペーンを設定
キャンペーンを作成するとウィザードが立ち上がります。基本的にガイダンスに沿って設定していきます。
作成したキャンペーンによって設定できる項目は違いますが、今回はよく用いられる検索広告キャンペーンを例に紹介して
いきます。
以下の5つの項目を設定するとキャンペーンの設定は完成します。
本キャンペーンで対象となるターゲットの設定や配信地域の設定、1日あたりのキャンペーン予算などあらかじめキャンペーン設定の段階で決めておくことをオススメします。
広告グループの作成
次に広告グループを作成していきます。
広告グループとは、ユーザーが検索結果ページで直接目にする検索広告を管理するために利用されます。
広告グループの設定では、検索広告を配信するリンク先となるWebサイトのURLを入力します。入力を終えると、同じテーマやターゲットを持つ広告やキーワードを効果的にまとめ、広告グループとキーワードを自動で選び出して提案してもらえる仕組みです。
自動的に算出されるため、内容を確認し、取捨選択をするだけで設定が完了します。
必要に応じて、新たな広告グループの作成やキーワードの増減の設定、マッチングの設定ができます。
マッチングについては、完全一致、部分一致、絞り込み部分一致、フレーズ一致から選択できます。
完全一致、フレーズ一致にも除外キーワードを設定できます。
より広告効果を高めるための施策を考えていきましょう。
広告コンテンツ・広告オプションの設定
広告グループを作成したら、それぞれの広告グループに広告を作成していきます。
広告作成は、広告コンテンツを指定し、広告表示オプションを設定していきましょう。
Microsoft広告では、上記で解説した6種類の広告タイプを選択できます。
広告の内容は、広告タイプによって異なりますが、テキストとクリエイティブによる組み合わせで作成していくことが一般的です。
広告表示オプションに関しては、行動喚起オプションや住所表示オプション、画像表示オプションなどの項目から設定できます。
広告予算と入札単価の設定
キャンペーン設定で決めておいた予算のシミュレーション結果を確認後、入札単価を設定するとMicrosoft Big広告の運用を始めることができます。
広告グループによる入札単価を管理する方法も選択できますが、個別に入札単価を指定することも可能です。
適切な広告予算と入札単価を設定し、広告効果を高めるためていきましょう。
以上がMicrosoft Bing広告の出稿までの流れです。
すでにGoogle・Facebook広告を運用している方
すでにGoogle広告やFacebook広告を運用している方は、Microsoft Bing広告に設定をインポートしましょう。
Google広告の設定をMicrosoft広告にインポート
すでにGoogle広告を運用している場合、一通りの広告設定をMicrosoft広告にインポートできます。
Microsoft広告の管理画面では、インポートすると同様に運用を開始できます。
インポートの際の不具合に注意して広告を配信しましょう。
Facebook広告の設定をMicrosoft広告にインポート
Google広告のインポートと同様に、初期画面よりFacebook広告からインポートを選択します。
Facebookにサインインした後、Microsoft広告にインポートしたい広告キャンペーンを選択しましょう。
インポートした際は、配信先の設定などを十分に確認しておきましょう。
Bing広告を戦略的に取り入れよう
日本の検索シェア第2であるBingでは、ビジネスシーンで利用するユーザーが多く、GoogleやYahoo! JAPANとは違い、利用ユーザーの年齢層も比較的高い傾向にあります。
そのため、Bing広告でビジネスシーンで利用できる商品やサービスの訴求を行えば、より広告効果を高めることが期待できます。
株式会社soraプロジェクトでは、Bing広告を戦略的に取り入れる際のご相談も行っております。
データ分析の出稿方法をはじめ、広告運用で疑問を抱えている方は、ぜひご相談ください。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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